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犬の口からの出血について|考えられる病気と対応を解説

2024.09.01

犬の口からの出血について 考えられる病気と対応を解説

歯を見ている白い犬

犬の口から血が出ている場合、どのような病気が考えられるでしょうか。
口の中をよく見ることは難しく、どこから血が出ているのかわかりづらいこともあるでしょう。
元気だからと様子をみていると、治療が手遅れになってしまうかもしれません。

今回は、犬の口から出血しているときに考えられる病気と対応について解説します。 

 

 📍 目次

 ▼ 口の中以外から出血していることがある
 ▼ 口腔内出血が疑われる症状
 ▼ 口腔内出血で考えられる病気 
 ▼ 口腔内出血の検査・治療
 ▼ まとめ

口の中以外から出血していることがある 

あくびをしているトイプードル

犬の口から血が出ていたとしても、口以外の場所から出血していることがあります。
口以外の場所とは、胃や食道などの消化管や気管や肺などの呼吸器などのことです。
それぞれ出血している場所が違っても、飼い主様がその血を目にするのは口から血が出てきている時なので、紛らわしいですよね。
実は出血する場所によって緊急度が変わります。
ここでは出血する場所によってどのような違いがあるのかを解説します。

口腔内出血

口の中からの出血です。
犬の状態は元気であることが多いですが、出血が多かったり痛みがあったりすると、元気や食欲の低下を伴うこともあります。

吐血

食道や胃といった消化管からの出血です。
吐物に少量血が混じる程度であれば心配ないことも多いですが、特に食欲低下や嘔吐を繰り返すなどの症状がある場合には、大きな病気がないか調べたほうが良いでしょう。

喀血

気管や肺といった呼吸器からの出血です。
呼吸が速く苦しい状態で、命に関わることもあります。
どこからの出血なのかは、犬の様子だけではわかりづらいことも多いです。
元気食欲がないなど出血以外の症状がある場合には、緊急度の高い状態かもしれないので、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

口腔内出血が疑われる症状

次のような口の病気を疑う症状があれば、口腔内出血の可能性が高くなります。

  • 口を気にしてこする様子がある
  • 口をくちゃくちゃする
  • 口を触られるのを嫌がる
  • よだれが多い
  • 口臭が強い
  • ごはんを食べたそうなのに食べるのをやめてしまう

すぐに治療が必要なこともあるので、口の中をよく診てもらいましょう。

 

口腔内出血で考えられる病気 

おもちゃをかじるフレンチブルドッグ

口腔内出血で考えられる主な病気について解説します。

外傷

若く遊び盛りの犬は好奇心が旺盛です。
おもちゃや自宅の家具に噛み付くことも多いですよね。
中には硬いものに噛み付いてしまい、口の中に傷ができて出血してしまうことがあります。
口の粘膜に傷がついた場合は軽い出血で済みますが、舌を深く傷つけて血が止まらないときには傷を縫う処置を行います。

歯周病

歯周病は犬ではとても多い病気です。
歯石がついていても元気だと様子を見てしまいがちですよね。
実は口の中だけでなく、全身に悪影響のある怖い病気です。
歯周病では歯垢(歯に付着する汚れ)や歯石の中の細菌が炎症を起こして、歯の周囲組織が溶けていきます。
進行していくと歯肉の炎症が強くなり、痛みや出血がみられます。
重度になり歯を支える歯槽骨が溶けると、歯がグラグラと動くようになり、歯の根本の部分で出血を起こします。
ときには繰り返し出血して、出血量が多くなり貧血になってしまうこともあります。
口の中の細菌が血液にのって全身に広がると、他の臓器にまで病気を引き起こすこともあるのです。

腫瘍

口の中には悪性黒色腫や扁平上皮癌といった悪性腫瘍が多く発生します。
出来物の全てが悪性腫瘍ではありませんが、見た目だけでは腫瘍かどうかの区別はできません。高齢の犬はがんになりやすいので特に注意が必要ですね。
口からの出血をきっかけに腫瘍を発見し、早めに治療できることもあります。

口内炎

口内炎では出血の他に、口の中が赤く腫れてただれたようになったり、白い水疱のような出来物や膨らみができたりします。
口内炎の原因で多いのは、歯周病の犬で歯石と接する口腔粘膜に炎症が起こる接触性口内炎です。
全身性疾患による免疫力の低下や、自己免疫疾患など、大きな病気の症状のひとつとして口内炎がみられることもあります。

 

口腔内出血の検査・治療 

診察台の上でのラブラドール

まずはどこから出血しているかを調べるため、口の中をよく見ます。
しかし、犬が起きている状態では病変を確認できないこともあります。
口が痛くて開けさせてくれないとき、出来物や傷が口の奥にあって見えづらいときなどです。
そのようなときは、鎮静や麻酔をかけて口の中をしっかり確認します。
口の中のより詳しい検査や処置にも麻酔が必要です。
例えば、歯周病の場合は麻酔下で歯垢・歯石を除去し、根本まで悪くなってしまっている歯は抜歯します。
出来物がある場合には、腫瘍かどうかを調べるため針生検で細胞を見て、全部または一部を切除して病理検査を行います。
内臓の病気や全身性疾患を疑う場合などは、血液検査やレントゲン検査・エコー検査などで全身を調べます。

 

まとめ

口からの出血がみられたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
出血している場所によってはすぐに治療が必要かもしれません。
悪性腫瘍など重大な病気が見つかる可能性もあるので、口の中をよく見てもらうことが大切です。
口からの出血に気付かれた場合は、当院にてお気軽にご相談ください。

 

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