犬の腎臓病は歯周病の原因になる?|犬の口臭や口の痛みの原因は腎臓病かも
犬の歯周病は歯だけの問題ではなく、全身疾患から引き起こされることがあります。
その中の代表的なものが慢性腎臓病ですね。
今回は慢性腎臓病が歯周病に与える影響について解説していきます。
慢性腎臓病の犬を飼っている方もそうじゃない方もぜひ最後までお読みいただき、愛犬の口腔ケアにお役立ていただけると幸いです。
📍 目次 ▼ 犬の慢性腎臓病 |
犬の慢性腎臓病
犬の慢性腎臓病は高齢の犬で好発する腎臓病で加齢とともに発症します。
腎臓が徐々に悪くなっていき、本来の腎機能が失われて行く病気ですね。
腎臓は、尿を介して体から老廃物を排泄し、体に水分を保持する働きがあります。
そのため、老廃物を多く含んだ濃い尿の方が本来の腎臓の機能を果たしていると言われています。
慢性腎臓病になると、腎機能が低下し、老廃物を多く含んだ濃い尿を作ることができなくなり、老廃物が少なく水分量の多い薄い尿が作られるようになります。
そのため、体は脱水し、喉が渇くようになり、多飲多尿という症状が出るようになります。
犬の歯周病
犬の歯周病は歯垢の中の歯周病原菌が原因となり、歯の周りの組織が破壊されてしまう疾患です。
歯肉炎になると
- 歯肉の後退
- 歯を支えている骨(歯槽骨)が溶ける
- 歯がぐらつく
- 歯の炎症によって痛みが出る
などの症状が出ます。
歯周病の発生は口腔内の環境の悪化によってさらに悪化すると言われています。
慢性腎臓病から歯周病が引き起こされる理由
犬が慢性腎臓病になると、腎機能が低下し、老廃物を多く含んだ濃い尿を作ることができなくなり、老廃物が少なく水分量の多い薄い尿が作られるようになる、と解説しました。
その影響で慢性腎臓病になった犬は脱水し、常に喉が渇いた状態になります。
歯周の粘膜では潤った環境より乾燥した環境の方が歯周病原菌が増殖しやすいと言われています。
そのため、犬は慢性腎臓病になると歯肉炎が増えるのですね。
慢性腎臓病だと歯科処置ができない?
歯肉炎の治療で最も有効とされるのが歯科処置です。
歯科処置を行うと歯についた歯垢や歯石を歯周病原菌ごと除去することができます。
しかし、歯科処置を行うためには全身麻酔をかける必要があります。
一般的に健康な犬でも、全身麻酔をかけた時に麻酔を原因として死亡してしまう割合は約0.17~0.65%と言われています。
慢性腎臓病になると、健康な犬と比べて元々の全身の状態が悪いため、麻酔のリスクがさらに上がると言われています。
慢性腎臓病になると麻酔のリスクから歯科処置をするのが躊躇われるということですね。
しかし、慢性腎臓病でも絶対に歯科処置ができないというわけではありません。
麻酔のリスクをメリットが大きく上回る場合は、全身麻酔をかけて歯科処置を行うことがあります。
慢性腎臓病の犬で歯科処置を行うかどうかは動物病院でよく相談して判断する必要がありますね。
慢性腎臓病でも歯肉炎にならないようにする
慢性腎臓病になると口腔内が乾燥し、歯周病原菌が増殖しやすくなります。
予防をしなければ、遅かれ早かれ歯肉炎になるでしょう。
慢性腎臓病の時の歯肉炎の予防には以下のものがあります。
水分補給
脱水することにより口腔内は乾燥します。
水分補給を欠かさず行うようにしましょう。
ドライフードよりもウェットフードの方がフードの水分含有量が高いため、水分補給には適しています。
場合によっては点滴を行い、水分補給することも有効です。
デンタルケア
歯垢に付着した歯周病原菌を除去するために歯磨きを行いましょう。
最低でも3日1回はしましょう。毎日食後に行うことがおすすめです。
まとめ
慢性腎臓病は一般的には高齢の犬で発症する病気です。
高齢になるまでデンタルケアをしたことがない犬の場合は元々歯石が多数付着しています。
慢性腎臓病になってしまうと、その歯石に付着していた歯周病原菌が増殖し、さらに歯周病が進む傾向にあります。
今回の記事では慢性腎臓病になってから歯肉炎を予防する方法も解説しましたが、若齢の時からデンタルケアに取り組み歯肉炎を予防する方が重要です。
当院では歯科の治療やデンタルケアの指導に取り組んでいます。
お困りの際はいつでもご相談ください。
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