犬に人間の歯磨き粉は危険!|犬の歯磨きに使うべき歯磨き粉とは?
「犬の歯に歯石がついてしまっているが、歯磨きはしたほうがいいの?」
「犬の歯磨きをしているが、歯磨き粉を使った方がいいの?」
「犬の歯磨きをするときは人間用の歯磨き粉を使ってもいいの?」
このように犬の口の健康について悩んでいませんか?
人間と同じように犬にとっても歯を健康な状態で保つことは大切です。
今回の記事では、犬の歯磨きの必要性や人間の歯磨き粉を使うことのリスクなどを詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の日常のデンタルケアにお役立てください。
📍 目次 ▼ 犬の歯周病について |
犬の歯周病について
犬の歯周病は歯垢(プラーク)に含まれる細菌が原因で歯ぐき(歯肉)に炎症を起こす病気です。
初期は歯ぐきの腫れや出血が見られ、症状が進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちることもあります。犬の歯周病の主な症状には以下のようなものがあります。
- 口臭
- 歯肉の赤みや腫れ
- 歯肉からの出血
- 食欲不振
- よだれの増加
- 歯のぐらつき
歯周病は口腔内の問題にとどまらず、歯周病菌が血液に入り込むことで、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
2歳までの犬の80%、5歳以上の犬のほとんどが歯周病に罹患していると言われています。
歯周病を予防するためには早期からのデンタルケアが重要ですね。
犬に歯磨きは必要?
犬の健康を守るためには歯磨きが重要です。毎日歯磨きを行うことが望ましいですが、最低でも週に2〜3回は行うことをおすすめします。
歯磨きは歯垢を落とすことで歯周病を予防する効果的な方法です。
犬の口の中は人と違い、アルカリ性であり、歯周病菌にとって繁殖しやすい環境とされています。
歯垢は時間が経つと歯石になります。歯石形成までの期間も犬は3〜5日と人よりも早いため、毎日の歯磨きで歯垢を落としましょう。
すでに歯周病が進行している場合は、歯周病の治療が優先されることもあります。心配事があれば歯磨きを始める前に獣医師に相談しましょう。
犬用の歯磨き粉について
犬用の歯磨き粉は人間用とは異なり、犬の口腔環境に適した成分で作られています。
「犬に歯磨き粉は必要?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
犬用の歯磨き粉には以下のような特徴や効果があります。
- 研磨剤
歯の表面についた汚れを落とす効果 - 抗菌作用
歯周病の原因となる細菌の増殖を抑える効果 - 消臭効果
口臭の原因となる物質を吸着・分解する効果
犬用の歯磨き粉は犬が好むチキンなどのフレーバーや無香料の物など、さまざまな種類があります。
犬が好むフレーバーの歯磨き粉を使うことで、犬に歯磨きが楽しいというイメージを持たせることにも役立ちます。
歯磨き粉はいろいろなタイプがあるので犬の好みに合わせて選びましょう。
人間の歯磨き粉を使ってもいいの?
人間の歯磨き粉を犬に使用することは絶対に避けましょう。
人間の歯磨き粉に含まれる成分の中には犬にとって有害なものがあります。
特に注意が必要なものが「キシリトール」です。キシリトールは犬に中毒症状を起こします。
犬の歯磨きを行う際は犬専用の歯磨き粉を使いましょう。
キシリトール中毒とは?
キシリトールは人間用の歯磨き粉やガムなどに含まれる人工甘味料です。
人間はキシリトールを摂取しても問題ないですが、犬にとってはキシリトールは危険な物質です。
ここでは犬がキシリトールを摂取してしまった場合の症状や対処法を解説します。
症状
キシリトールは犬では血糖値を下げるホルモンであるインスリン分泌を刺激し、急激な低血糖を起こします。
低血糖の症状は以下のものが挙げられます。
- 倦怠感
- ふらつき
- 発作
- 昏睡(意識がもうろうとする)
低血糖の症状はキシリトール摂取後に1時間以内に起こることが多いです。
キシリトールは肝臓に深刻なダメージを与えることもあります。
肝機能障害の代表的な症状は以下の通りです。
- 嘔吐
- 黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)
- 血液凝固異常(皮膚にあざのようなものがでる)
- 黒色便
肝臓の障害はキシリトールを摂取後2〜3日後に出る場合もあるので、犬がキシリトールを食べてしまった時は注意しましょう。
対処法
犬がキシリトールを摂取してしまった場合はすみやかな対応が必要です。
症状の重症度に応じて以下のような対処法があります。
- 催吐処置
犬がキシリトールを摂取してまもなくで、症状が出ていなければ催吐処置を行います。
キシリトールをなるべく体外に排出させ、中毒症状が出ることを防ぎます。 - 糖の投与
犬が低血糖を起こしている場合は糖の投与が必要です。
血糖値をモニタリングしながら、血糖値が安定するまで治療を行います。 - 点滴や肝保護剤の投与
肝機能障害を起こしている場合は集中的な治療が必要です。
点滴や肝保護剤の投与を行い、肝臓の障害が重篤化しないようにします。 - 輸血
血液凝固異常では貧血を起こす場合があります。貧血が重度の場合は輸血が検討されます。
犬がキシリトールを摂取してしまった場合はすみやかに動物病院を受診しましょう。
キシリトール中毒は重篤化すると命を落とす危険性があるので注意が必要です。
まとめ
犬の歯の健康を守るためには、適切な歯磨きなどのデンタルケアが不可欠です。
人間の歯磨き粉を使うなどの間違った方法で歯磨きをすると犬の健康を害する可能性があります。
当院では犬のデンタルケアに関する専門的なアドバイスやそれぞれの犬に適した歯磨き指導も行っております。
早めに正しいケアを始めることで、飼い犬との楽しい生活を続けることができるでしょう。
歯磨きの仕方や適切なデンタルケアについて不安がある方は、ぜひ当院にお越しください。
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