犬の歯科処置の麻酔は安全?|歯科処置時の麻酔の必要性とリスクについて解説
犬の病気の治療では、麻酔は切っても切り離せないものです。
特に手術や歯の処置などの大掛かりの治療を行う際は必ず麻酔を行うものですね。
人間と違って犬は処置中に動いてしまうからです。
「こんな小さな動物に麻酔をかけても大丈夫なのか?」
そんなふうに考えられる飼い主様もいらっしゃいます。
今回は犬の歯科処置の麻酔について解説します。
麻酔に対して不安を感じられている飼い主様は、今回の記事を通して不安を解消していただけると幸いです。
📍 目次 ▼ 犬の麻酔について |
犬の麻酔について
犬の麻酔には様々な方法があります。
大きく分類すると全身麻酔と局所麻酔ですね。
それぞれの解説をしていきます。
全身麻酔
全身麻酔はその名の通り
- 全身を動かなくする
- 全身の痛みを感じにくくする
- 意識も消失させる
という麻酔です。
犬の麻酔では最も一般的な方法で、簡単な避妊去勢手術から、骨折や開胸手術などの難しい手術まで広く用いられています。
全身麻酔は体のあらゆる部位の処置に対応できるのがメリットですが、処置を行わない部位にも麻酔が効いてしまい、副作用を生じるのがデメリットですね。
例えば全身麻酔薬の影響で心臓の機能が弱くなったり、腎臓の血流が悪くなることなどが挙げられます。
局所麻酔
局所麻酔薬はその名の通り、効かせたい部位(局所)にだけ麻酔をかける方法です。
全身を動かなくしたり、意識を消失させる効果はないですが、局所での痛みを感じさせないことができます。
全身麻酔と違って、処置を行う部位に特化して麻酔を効かせることができるため、副作用が少ないというメリットがありますが、体が動いたり、意識を消失させることができないというデメリットがあります。
犬は麻酔をかけずに全く動かないようにすることは困難なため、多くの手術では局所麻酔だけでの処置は困難ということですね。
麻酔リスク
全ての麻酔薬には副作用があります。
特に心臓、脳、肺、腎臓に与える影響は大きいと言われています。
また、麻酔薬へのアレルギーを生じるリスクもあります。
一般的に、健康な犬が麻酔を原因として死亡してしまう割合は約0.17~0.65%と言われていますね。
麻酔をかける時は、リスクに対して十分に高い効果が得られるかということを常に考え、治療を行う必要があります。
歯科処置の麻酔
歯科処置は、以下の理由から一般的に全身麻酔で行います。
- 犬が動かないようにし、怪我や事故を防止するため
- 奥歯や歯周ポケットの歯石も除去するため
- 誤嚥を予防するため
- 処置を一度で終わらせるため
また、歯肉には痛みを感じる神経がたくさん通っているので、その神経に対して局所麻酔をすることも多いです。
歯科処置は歯を抜くことも多く、一般的には強い痛みを伴うイメージが多いですが、動物病院では全身麻酔と局所麻酔を組み合わせることで、犬に痛みをなるべく感じさせずに処置を行っています。
歯科処置を行う犬は高齢のことが多く、全身疾患を持病に抱えていることが多いです。
そのため、一般的な麻酔よりもリスクが高いと言えます。
処置前に慎重に健康状態をチェックし、麻酔をかけるかを検討する必要がありますね。
麻酔後のトラブル対処法
麻酔後には様々なトラブルが起こることがあります。
歯科処置の後に起きるトラブルには
- 感染症
- 急性腎障害
- 覚醒しない
などが挙げられます。
麻酔後すぐに異変があった場合は、獣医師が入院下での適切な処置を行いますが、中には麻酔後しばらく経ってから異変が生じることもあります。
自宅に帰ってから異変が生じた場合は飼い主様が気づかなければいけません。
- 普段よりぼーっとしている。
- 元気や食欲がない
- 尿が少ない
などの異常が見られた場合はすぐに動物病院に連れていくようにしましょう。
まとめ
今回は犬の歯科処置の麻酔について解説しました。
動物病院では麻酔の事故が起きないように細心の注意を払いながら麻酔をかけますが、それでも不慮の事故で犬が麻酔で命を落としてしまうこともあります。
麻酔をかける前に健康状態をチェックし、麻酔をかけて処置を行うべきかどうかしっかり考えましょう。
当院では犬の歯科疾患に力を入れています。
「歯科処置を勧められたけど麻酔が心配…」
「麻酔をかけてまで歯科処置をする必要があるか相談したい」
などのお悩みがある方はぜひ当院までご相談ください。
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