犬の歯石を溶かすことはできる？｜犬の歯石を除去する方法と予防法を解説！

犬の健康を守るためには歯や口のケアが欠かせません。特に、歯石は犬にとって深刻な問題となることがあります。

「犬の歯石を溶かす方法はないの？」

このような疑問をお持ちの方も多いと思います。

今回は犬の歯石を溶かすことができるかどうかや、歯石ができた場合の対処法などを詳しく解説します。

犬の歯石にお悩みの方は、最後までお読みいただき、今後の歯石対策にお役立てください。

📍 目次

▼ 犬の歯石とは
▼ 犬の歯石を溶かすことはできるの？
▼ 歯石を予防するためのホームケア
▼ まとめ

犬の歯石とは

あくびをする犬

歯石とは、歯垢（プラーク）が石灰化したものです。歯垢は犬の口の中に存在する細菌が食べ残しや唾液と結びつくことで形成されます。

歯垢が歯の表面に長時間付着していると、唾液中のミネラル成分によって石灰化が進行し硬い歯石となります。

犬の歯石は口臭などの口の中だけの問題ではありません。歯石は歯周病の原因になり、心臓や腎臓などの全身に悪影響を与えます。

犬は歯石ができやすい？

犬は人間と比べ、歯石ができやすいとされています。小型犬は顎が小さく歯が密集しているため、大型犬と比べ、より歯石ができやすい傾向にあります。

歯石が形成されるまでの期間は人は2週間程度、犬は3〜5日です。

犬は唾液のpHが高い（アルカリ性）ため、歯垢が石灰化しやすいと言われています。

pHが高いことで歯周病菌にとっても好条件で、増殖が活発になります。

犬の口は歯石が付着しやすく、歯周病になりやすい環境ということですね。

犬の歯石を溶かすことはできるの？

犬の口の中を見る獣医師

残念ながら、一度形成された歯石を溶かすことはできません。市販されている歯磨き粉やデンタルケア用品の中には「歯石を溶解する」と謳った商品も存在します。しかし、これらの商品はあくまで歯垢の付着を防いだり、歯石の形成を抑制する効果が期待できるものであり、すでに硬くなった歯石を溶かして落とすことはできません。

歯石はブラッシングや歯磨きでも落とすことができません。歯石を取り除くためには、獣医師による専門的な歯科処置が必要不可欠です。

獣医師による歯石除去

歯石を安全かつ確実に取り除くためには、動物病院での歯科処置が必要です。

歯科処置は一般的には、以下の手順で行います。

スケーリング
超音波スケーラーという専用の器具を用いて歯石を丁寧に除去していきます。
歯の表面だけではなく、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の間のスペースの歯石もしっかりと除去することができます。
ポリッシング
スケーリングで表面がザラついた歯を研磨し、再び歯垢や歯石が付着しにくくします。
フッ素塗布
歯の表面にフッ素を塗布し歯垢の付着を予防し、歯を健康に保てるようにします。

歯科処置は上記の手順で行いますが、犬が処置中に動くと怪我をすることがあるので、全身麻酔が必要です。

全身麻酔をかける際は血液検査などを行い、事前にリスクを評価することが大切です。

犬の歯科処置を検討する場合は、歯科処置のメリット・デメリットを獣医師に確認しておきましょう。

歯石を予防するためのホームケア

動物病院で歯石除去を行った後は、家でも日常的にデンタルケアを行いましょう。

デンタルケアを行わないと、すぐに歯石が形成されてしまいます。

以下のような取り組みを行い、歯石を予防しましょう。

歯磨き
犬用の歯ブラシと歯磨き粉を使用して、定期的に歯磨きを行います。歯磨きは歯垢の蓄積を防ぐのに効果的です。
デンタルガム・おもちゃ
デンタルガムやおもちゃを噛むことで歯垢の付着を防ぎます。ただし、硬すぎるものは犬の歯を傷つける可能性があるため、飼い犬に合ったものを選びましょう。デンタルガムの与えすぎは肥満の原因になるので注意が必要です。
食事の工夫
硬いフードを与えることで、噛む回数が増え、歯垢の蓄積を減らすことができます。
歯垢の蓄積を抑えるために特別に作られたフードを与えることも効果的です。
フードは獣医師と相談しながら適切なものを選びましょう。