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犬の歯から出血がある?|歯から出血している時に考えられる病気について

2024.11.14

犬の歯から出血がある?|歯から出血している時に考えられる病気について

「犬の口から出血している?!」と驚かれた経験のある飼い主様は多いのではないでしょうか。愛犬の口から出血があると慌てますよね。

  • 愛犬の遊んでいた物に血液がついているけどどこからの出血かわからない
  • 口から出血していたが止まったかどうか不安
  • 口からの出血を何度か繰り返している

犬の口の中は、なかなかしっかり観察することが難しい部位です。そのため、何か異常があっても発見するのが遅れる傾向にあります。
犬の歯からの出血は問題ないこともあれば、恐ろしい病気の合図である可能性もあるため注意が必要です。

今回は、犬の歯からの出血がある時に考えられる原因について解説いたします。
犬の歯からの出血を見たことのある飼い主様はぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康管理に活かしましょう。

 📍 目次

 ▼ 外傷
 ▼ 口腔内腫瘍
 ▼ 乳歯の生え変わり
 ▼ 歯根膿瘍の治療
 ▼ 口内炎・舌炎
 ▼ まとめ

 

歯肉炎・歯周炎

犬は、歯周病になることが非常に多い動物です。
人間の唾液は酸性であるのに対し、犬の唾液はアルカリ性です。
そのため、虫歯になることは稀ですが、歯周病菌が発生しやすく細菌の塊である歯石が溜まりやすい口内環境です。
それに加えて、口を触ることを嫌がる犬は多く、人間のようにしっかりと歯磨きをすることはとても難しいですよね。
歯周炎とは、食べ物のかすが長時間歯に付着することで、歯石となり歯や骨を溶かしていく病気です。
歯周病では、出血以外の症状として口臭や歯肉の腫れがあるだけでなく、痛みを生じます。
重症化して歯の根元の顎の骨が溶けると、上顎の場合は鼻と口がつながってしまったり、頬の皮膚に穴が空いてしまうこともあります。
下顎の場合は骨が折れて口を閉じられなくなってしまうこともあるので、恐ろしいですよね。

治療は、全身麻酔をかけて抜歯や歯石除去を実施することになります。軽度であれば、毎日の歯磨きをしっかりと行うことで重症化するのを防ぐことができます。

青い空と犬

 

外傷

犬は口腔内を怪我することが多いです。外傷の原因は喧嘩や事故であることもありますが、最も一般的な口腔内の外傷の原因は、硬いおもちゃです。
牛の皮や馬の蹄など、犬は硬いものをかじるのが好きですよね。喜ぶ姿が可愛くてついつい与えてしまうという飼い主様も多いのではないでしょうか。
硬いものをかじること自体は、適切な頻度と適切な硬さのものであれば歯周病予防にも繋がる良い側面もあります。
しかし、長時間かじっていたり、犬にとって硬すぎるものは、口の中に切り傷や擦り傷を作ってしまうため注意が必要ですね。
犬自身はおもちゃで遊んでいる時は夢中になっていて外傷に気が付かないこともあるので、ご家族がしっかりと管理してあげましょう。

舌の外傷は、犬が興奮したりパニックになったときにうっかり噛んでしまうことで起こることが多いです。
軽症の場合は特に治療を加えなくても自然治癒しますが、重症の場合は、全身麻酔を行い、傷を縫合する場合もあります。

おもちゃを噛んでいるトイプードル

 

口腔内腫瘍

口からの出血で、高齢の犬の場合は要注意なのが口腔内腫瘍です。
口腔内腫瘍は、悪性度の高い腫瘍の発生が多く、良性腫瘍でも非常に大きくなる危険性があるため注意が必要です。

悪性腫瘍は自壊と言って、大きくなる過程で表面がはじけて出血することがあります。良性腫瘍でも、大きくなると噛んでしまうことによる外傷が出血につながります。
犬の口腔ない腫瘍で発生頻度の高いものには以下のような腫瘍があります。

  • メラノーマ(悪性黒色腫)
  • 扁平上皮癌
  • 線維肉腫

これらの腫瘍ができると口からの出血だけでなく、口臭や食べ方に変化が出たり、ものを飲み込みづらくなることもあります。
口腔内腫瘍の治療方法は主に外科治療や放射線治療です。
外科治療では、悪性度の高いものは、腫瘍細胞を体に残さないようにするため舌や顎ごと切除する場合もあります。

口を開けている柴犬

 

乳歯の生え変わり

子犬では大体生後4〜6ヶ月くらいで乳歯が生え替わります。
乳歯が抜けるこの時期は、口腔内から微量の出血があることがあります。
歯の根本の骨に埋まっている部分が溶け始めることで乳歯は抜けていきます。そのため、この時期は歯も折れやすくなります。
歯が折れて根元の部分が残ってしまっても、そのまま自然に吸収されて、永久歯が生えてくるので大きな問題はありません。
乳歯の抜け替わりの際の出血はすぐに止まることが多いです。
犬も口をくちゃくちゃさせて気にすることはありますが、激しく痛がることはほとんどありません。
乳歯の生え変わりの出血は、正常に成長している証拠なので、治療は特に必要ありません。

 

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口内炎・舌炎

口内炎や舌炎が原因で出血していることもあります。口内炎は口の中の粘膜に、舌炎は舌に、潰瘍ができてただれたようになります。
口内炎や舌炎ができると、強い痛みが生じることが多く、涎が出たり、犬が口を気にして前足で口を拭うような仕草をすることもあります。
原因はさまざまで、

  • 歯周炎
  • 免疫介在性疾患
  • 尿毒症
  • 外傷
  • 感染症

などがあります。このように口内炎の原因は多岐にわたるので、そのほかの症状もある場合は、全身的な検査が必要です。
治療はそれぞれの基礎疾患の治療が基本となります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は口からの出血の原因となる病気について解説しました。
口腔内の病気は意外と多く、初期に気づかれにくいため発見時すでに重症の場合もあります。
重症になると、治療も犬の体にダメージが大きくなることも多いです。

日頃の犬の様子を見てあげるだけでなく、健康診断でしっかり観察を行うことも重要です。
犬の口から出血があった場合は、なるべく早く当院へご相談いただき、早期発見・早期治療に役立てましょう。

 

神奈川県藤沢市湘南台の動物病院

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