犬の口腔内メラノーマ(口腔内悪性黒色腫)|症状と治療について解説
犬の口の中には腫瘍ができることがあります。
ご家族が犬とスキンシップをしている際に「犬の口の中に黒いできものがある!」と気づく場合や、
犬の口臭がひどいという症状から動物病院に来院され、口の中を見ると偶然腫瘍を見つけることもあります。
犬の口の腫瘍で一番多いのが悪性黒色腫です。別名メラノーマとも言われていますね。こちらの名前のほうが馴染みがあるのではないでしょうか。
「口の中のメラノーマも黒い見た目をしているの?」
「メラノーマになった時の寿命ってどのくらいなんだろう」
「メラノーマになったら痛くて苦しんでしまわないかな?」
といった疑問や心配事もあるかと思います。
そこで今回は犬の口腔内メラノーマについて詳しくご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の口腔内メラノーマについての理解を深めましょう。
📍 目次 ▼ 口腔内メラノーマとは |
口腔内メラノーマとは
悪性黒色腫とはメラニン色素をつくるメラノサイトが悪性化した腫瘍です。犬の悪性黒色腫は皮膚や口、指、眼球など体のさまざまな部位に発症します。
犬の口腔内メラノーマは歯肉、唇、舌、口の上方の硬い部分である硬口蓋などに発生します。
口腔内メラノーマの発症に性差はありません。また発症の平均年齢は約11歳と高齢で発症することが多い病気ですね
チャウチャウ、レトリバー種、コッカースパニエル、プードル、ダックスフンドなどが好発犬種と言われています。
皮膚と口にできるメラノーマを比較すると、口にできるメラノーマの方が悪性度が高いと言われています。
その理由には
- 他の臓器に転移する確率が高い
- 腫瘍の周りの骨に広がることがある
などが挙げられます。
メラノーマは色が黒いとは限らない点にも注意が必要です。中にはピンク色などのメラノーマもあります。
「この腫瘍は黒くないから病院に行かなくても大丈夫!」
と思わず、疑わしいものがあれば動物病院に連れていくようにしましょう。
口腔内メラノーマの症状
腫瘍が大きくなったり、腫瘍が転移することにより症状がみられます。以下は口腔内メラノーマの主な症状です。
主な症状
口腔内メラノーマの主な症状は
- よだれ
- 腫瘍からの出血
- 腫瘍の化膿
- 口臭がきつくなる
- 顔の腫れ
- 食べたり飲んだりすることが難しくなる
- 元気がなくなる
- リンパ節の腫れ
- 呼吸が苦しくなる
などがあげられます。
ある程度腫瘍が大きくならないと症状が出てこない場合もあります。歯磨きの時やお顔に触れるなど日々のスキンシップの際にできるだけ犬の口の中もチェックしましょう。
口腔内メラノーマの検査
口腔内メラノーマの診断は獣医師が下記の検査を組み合わせて行います。
主な検査
口腔内メラノーマの主な検査は
- 身体検査
- 血液検査
- 細胞診
- 病理検査
- 画像検査(レントゲン、CT、MRI)
などが挙げられます。
複数の検査を組み合わせないと、正確な診断や、病気がどのくらい進行しているかが判断できません。
口腔内メラノーマの治療
口腔内メラノーマになった時の寿命は、現在の腫瘍の悪性度やどのくらい進行しているか、腫瘍ができた位置、腫瘍の大きさなどで大きく異なります。
しかし、以下の治療を組み合わせることで寿命を延ばせる可能性があります。
主な治療
口腔内メラノーマの主な治療は
- 外科手術
- 放射線療法
- 化学療法
- 免疫療法
- 非ステロイド系抗炎症薬
などが挙げられます。
それぞれの治療法には残りの寿命や腫瘍による不快感を改善できる可能性があります。
しかし、外科手術で顎の骨を含めた大きな切除が必要な場合があったり、放射線療法による皮膚や骨に対するダメージがあったりと、リスクや副作用もあります。
犬の現在の状態から獣医師とご家族が相談して最善な治療を行います。
まとめ
犬の口腔内メラノーマは、悪性度が高く怖い病気だと感じられたかもしれません。
しかし一方で、犬の口腔内メラノーマの早期発見は治療方法の幅が広がり、犬の寿命を長くしたり、腫瘍による犬の不快感を改善できる可能性があります。犬の歯磨きや体を触るなどの日々のスキンシップは口の中の腫瘍を見つける上でとても大切です。日々の犬とのコミュニケーションに積極的に取り入れましょう。
犬の口の中にできものを見つけたらすぐに当院にご相談ください。
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