犬の口腔内扁平上皮癌|症状と治療について解説
犬の口の中には腫瘍ができることがあります。
ご家族が犬とスキンシップしている際に
「口の中にじゅくじゅくしたできものがある!」
と気づく場合や、健康診断のために動物病院にいらっしゃった際に、偶然口の中に腫瘍を見つけることもあります。
犬の口の腫瘍でメラノーマにつづき2番目に多いのが、扁平上皮癌です。
「口の中にできる扁平上皮癌ってどんな見た目をしているの?」
「口の中にできる扁平上皮癌の症状は?」
「口の中にできた扁平上皮癌の余命は?」
といった疑問や心配事もあるかと思います。
今回は犬の口にできる扁平上皮癌について詳しくご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の扁平上皮癌についての理解を深めましょう。
📍 目次 ▼ 口の中にできる扁平上皮癌とは |
口の中にできる扁平上皮癌とは
扁平上皮癌は扁平上皮細胞の癌です。
扁平上皮は皮膚や口、食道、肛門といった部分の表面を覆っています。
口の中にできる扁平上皮癌は、口腔内あらゆるところに発生しますが、下顎の口先に多いとされています。
腫瘍はカリフラワー状で、赤色の見た目をしています。また腫瘍の表面に炎症を起こしてえぐれている場合もあります。
発症は8〜10歳といった中高齢の発症が多いとされています。
特に中型犬から大型犬に多いですね。性差は発症に関係ないとされています。
また腫瘍は、顎の骨を含めた腫瘍の周りにまで大きく広がったり、切除した部分に再発することが多いです。
腫瘍が転移する確率は、腫瘍ができた位置によって大きく異なります。たとえば喉の奥の方にある扁桃や舌にできた扁平上皮癌は転移する確率が高く、一方口先にできた扁平上皮癌は転移する確率が低いです。ご家族も普段から口の中全体をしっかり確認したほうが良いでしょう。
口の中にできる扁平上皮癌の症状
口腔内扁平上皮癌は、腫瘍が大きくなったり、腫瘍が転移することにより症状がみられます。
以下は口腔内扁平上皮癌の主な症状です。
主な症状
口腔内扁平上皮癌の主な症状には
- よだれ
- 口臭
- 腫瘍からの出血
- 腫瘍の化膿
- 元気がなくなる
- 食べたり飲んだりが難しくなる
- 顔が腫れる
などが挙げられます。
ある程度腫瘍が大きくならないと症状が出てこない場合や腫瘍ができものの形をしておらず、炎症のような見た目をしていることもあります。
歯磨きやお顔に触れるなど、日々のスキンシップの際にできるだけ犬の口の中の異常をチェックしましょう。
口の中にできる扁平上皮癌の検査
口腔内扁平上皮癌の診断は、獣医師が下記の検査を組み合わせて行います。
主な検査
口腔内扁平上皮癌の主な検査には
- 身体検査
- 血液検査
- 細胞診
- 病理検査
- 画像検査(レントゲン、CT、MRI)
などが挙げられます。
複数の検査を組み合わせないと、正確な診断や、病気がどのくらい進行しているかが判断できません。
口の中にできる扁平上皮癌の治療
口腔内扁平上皮癌の死亡原因は、肺などへの転移や腫瘍そのもの、腫瘍があった部位での再発によります。そのため早期発見早期治療が大切になります。
以下は主な口腔内扁平上皮癌の治療です。
主な治療
口腔内扁平上皮癌の主な治療には
- 外科手術
- 放射線治療
- 化学療法
- 消炎鎮痛剤
などが挙げられます。
口腔内扁平上皮癌の余命は
- 扁平上皮癌のタイプと年齢
- 腫瘍が完全に取り切れたかどうか
- 転移していないかどうか
などで大きく異なります。
上記のそれぞれの治療法には残りの寿命や腫瘍による不快感を改善できる可能性があります。しかしその一方で、治療にもリスクや副作用が伴います。
口腔内扁平上皮癌の治療のリスクや副作用には
- 外科手術で顎の骨を含めた大きな切除が必要な場合がある
- 放射線療法による皮膚や骨に対するダメージ
- 化学療法と消炎鎮痛剤の併用による臓器障害
などが挙げられます。
犬の現在の状態から獣医師とご家族が相談して最善な治療を行います。
まとめ
口腔内扁平上皮癌は、見た目が口内炎の様であったり、できものの形をしていない場合があります。そのため、普段の生活の中ではご家族の発見が難しいかもしれません。
しかし口腔内扁平上皮癌は、早期発見、早期治療で完治が目指せる病気です。
犬の歯磨きや体を触るなどの日々のスキンシップは口の中の異常を見つける上でとても大切です。日々の犬とのコミュニケーションに積極的に取り入れましょう。
犬の口の中に異常を見つけたらぜひ当院にご相談ください。
神奈川県藤沢市湘南台の動物病院
サーカス動物病院
⏰ 診察時間
📞 電話番号
📱 WEB予約
💡 予約状況が確認でき、24時間いつでも受付可能なWEB予約がオススメです。
◾️関連記事
犬の唾液腺嚢胞について|犬の顔周りや首のあたりが腫れたら唾液腺嚢胞かも?