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犬のマラセチア性皮膚炎ってどんな病気?|犬の皮膚が臭うようになるマラセチア性皮膚炎について解説

2024.09.07

犬のマラセチア性皮膚炎ってどんな病気?|犬の皮膚が臭うようになるマラセチア皮膚炎について解説

 

皆さんは犬の皮膚の匂いが気になったことはありませんか?

犬はある程度体臭があるものと思われていますが、

  • 他の犬に比べて変な匂いがする
  • 皮膚がベタベタして毛がいつも湿っている
  • 夏になると皮膚炎が出来て痒そう

など、お家の犬の皮膚に違和感を感じたことがある場合は、マラセチア皮膚炎にかかっている可能性があるかもしれません。
今回はそんなマラセチア皮膚炎について、原因や治療法など詳しく解説します。
「もしかしてうちの子もマラセチア性皮膚炎に罹っているかも…」と思われた方はぜひ、最後まで読んでいただき、早めに対策をしてあげましょう。

 

 📍 目次

 ▼ マラセチア性皮膚炎とは
 ▼ マラセチアが増えてしまう原因って?
 ▼ マラセチア性皮膚炎になってしまったらどんな症状が出る? 
 ▼ マラセチア性皮膚炎の治療 
 ▼ まとめ

マラセチア性皮膚炎とは

マラセチアとは、カビの一種です。
健康な犬の皮膚や口の粘膜、外耳道などに存在し、皮脂を利用して生活しています。
マラセチアは普段は炎症を起こすことはありません。
しかし、なんらかの原因により異常に増えると、マラセチアの成分などに体が反応することで皮膚炎を起こします。

耳をかいているチワワ

 

マラセチアが増えてしまう原因って?

普段犬の皮膚で常在しているマラセチアが異常に増えてしまう原因とはどんなものがあるのでしょうか。
マラセチアの特性から考えていきましょう。

皮脂が過剰に出ている

マラセチアにとっての栄養である皮脂が増えると、マラセチアは増殖し始めます。
皮脂が過剰に増えるのは、脂漏症やアトピー性皮膚炎などの皮膚の疾患がある場合やもともと皮脂の多い犬種である場合があります。
もともと皮脂が多く、マラセチア皮膚炎の好発犬種となるのは以下の犬種です。

  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • シー・ズー
  • ミニチュア・シュナウザー
  • トイ・プードル
  • ビーグル
  • ボストン・テリア など

皮膚のバリア機能の低下

普段は犬の皮膚でトラブルを起こすことのないマラセチアですが、皮膚のバリア機能が低下している時には、皮膚炎を起こしてしまうことがあります。
加齢やホルモンの病気、アレルギー性皮膚炎などでも皮膚のバリア機能は低下します。
また、シャンプーや耳掃除といったスキンケアの頻度ややり方が不適切な場合も、皮膚のバリア機能が低下し、マラセチア皮膚炎の原因となるので注意が必要です。

温度や湿度などの環境変化

高温多湿な梅雨や夏には、皮膚がジメジメしやすくなるため、皮脂が蓄積しやすくなります。
そのため、マラセチア性皮膚炎は、1年の中でこの時期は特に発症することが多いです。
夏になると皮膚の状態が悪化し、冬になると自然に良くなるというのを毎年繰り返しているという犬が多いのはこのためですね。

顎をかいている柴犬

 

マラセチア性皮膚炎になってしまったらどんな症状が出る?

マラセチア性皮膚炎の症状で犬で最も多いのは、「痒み」と「赤み」です。
この症状は、皮膚が炎症を起こしている時によく見られます。
これらの症状が長く続くと、皮膚が黒くなったり分厚くなってふけが出たりするようになります。
これだけだと、他の皮膚炎と区別がつきにくいですよね。
他にも、マラセチア皮膚炎には「皮膚がベタベタして湿っぽい」「独特な匂いがする」といった特徴的な症状があります。
皮膚炎のできる部位も、皮膚が重なっていたり、通気性の悪くじっとりして皮脂が多くなりやすい部位が多いのもマラセチア性皮膚炎の特徴です。

  • 耳の中
  • 足の指の間
  • 首の内側
  • 脇の下
  • 内腿
  • 外陰部
  • 肛門周囲
  • 顔の皺

 

マラセチア性皮膚炎の治療

マラセチア性皮膚炎の治療には飲み薬などの全身療法と、シャンプーなどの外用療法があります。
マラセチア性皮膚炎に罹ってしまった場合、どのような治療を選択するべきか、獣医師と相談して決めるために、知っておきましょう。

全身療法

マラセチア性皮膚炎の全身療法には、痒み止めや抗真菌薬といった内服薬を使います。
症状が全身に広く発症しているときや、マラセチア性皮膚炎の症状が犬の生活に大きく影響しているときなどに特に有効です。
これらの薬は長期間で使うとトラブルが発生することもあるので、薬で皮膚の状態が良くなってきたら、シャンプーなどのスキンケアで皮膚の状態を維持していく方法に移行していきます。
また、原因となっているホルモンの病気やアレルギー性皮膚炎などがはっきりしているときは、その治療を行うことで、根本的な問題の解決が期待できます。

外用療法

マラセチア性皮膚炎の症状が局所的である場合や軽症の場合は、薬用シャンプーや塗り薬などで治療していきます。
マラセチア性皮膚炎に対して、特に有効な薬用シャンプーは、クロルヘキシジンという消毒薬やミコナゾールという抗真菌薬の入ったものが使われます。
このようなシャンプーはマラセチア性皮膚炎には効果的ですが、少し刺激が強いため、シャンプー後に皮膚が乾燥しすぎてしまったり、皮膚が赤くなってしまうこともあります。
そのような場合には、保湿剤を併用すると効果的です。
マラセチア性皮膚炎が良くなったら、このシャンプーは使用をやめて、過剰な皮脂の分泌を抑える成分の入ったシャンプーに変更することで、マラセチア性皮膚炎の再発を抑えたり、コントロールがしやすくなります。

泡を頭に乗せているトイプードル

 

まとめ

マラセチア性皮膚炎は、繰り返すことの多い皮膚病の一つです。
その性質からか「うちの子は元々ベタベタした皮膚質だから…」「皮脂の多い犬種だから仕方ない」と諦めてしまってはいませんか?
ここまで読んでいただき、マラセチア性皮膚炎を発症する原因は様々で、原因に合った治療を選ぶことが重要ということをご理解いただけたのではないでしょうか。
原因を考えた治療をすることで、次に再発しにくくなったり、慢性化して治療が難しくなることを避けることもできるかもしれません。
愛犬の皮膚のことでお悩みのことがあれば、ぜひ当院にご相談いただき、一緒にその原因を考えていきましょう。

 

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