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猫のノミによるアレルギー|ノミが見つからなくてもノミアレルギーの可能性がある

2024.10.17

猫のノミによるアレルギー|ノミが見つからなくてもノミアレルギーの可能性がある

日向ぼっこをしている猫

猫の飼い主様の中には、動物病院で
「ノミの予防しましょうね」
と言われ
「めんどくさいけどやっておくか」
と思ったことのある方もいるのではないでしょうか?
ノミは飼い主様が考えられるよりも恐ろしい症状を出すことがある生き物です。

今回はこのノミによって起こる猫の病気について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、猫のノミの予防にお役立ていただけると幸いです。

 📍 目次

 ▼ 猫の感染するネコノミ
 ▼ ノミアレルギー性皮膚炎
 ▼ まとめ

 

猫の感染するネコノミ

猫に寄生するノミの中で最も一般的なのは、ネコノミという寄生虫です。
1.5mm前後の小さな寄生虫で、主にその名の通り猫に寄生しますが、犬にも寄生します。
最近では

  • 屋内飼育の猫が増えている
  • ノミの予防率の向上している
  • 住まいの高層化、気密化している

ということからノミが感染しているのを見ることも少なくなってきましたね。
それでも以下の環境で生活している猫は感染することがあります。

  • 屋外飼育
  • 多頭飼育
  • 温度や湿度の高い室内での飼育
  • 草むらや土に接触している環境
  • 定期的にノミ予防を行っていない
  • 適切なノミ予防をしていない(市販のノミ取りシャンプーやノミ取り首輪など)

 

ノミアレルギー性皮膚炎

仲のいい2匹の猫

ノミによって引き起こされる病気にはノミ刺咬症とノミアレルギー性皮膚炎の2つがあります。
ノミ刺咬症はノミによって咬まれる物理的な刺激によって起こる皮膚炎のことです。
ノミアレルギー性皮膚炎と混同されがちな病気ですね。
ノミアレルギー性皮膚炎と比べて症状が軽度なことが多いです。
一方ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミからの物理的な刺激ではなく、飲みの唾液に含まれるタンパク質に反応して引き起こされる過剰な免疫反応のことです。

ノミアレルギー性皮膚炎の症状

症状が軽度な場合は軽度なかゆみや皮膚がブツブツする丘疹が発生します。
症状が重度になると強いかゆみを伴って腰背部に広範囲に丘疹としてみられる、粟粒性皮膚炎という症状が典型的です。
また病変の中にはノミが走っているのが観察できたり、黒いノミの糞が観察できたりします。

ノミアレルギー性皮膚炎を診断する方法

ノミアレルギー性皮膚炎には「これをすれば診断できる」というものが存在しません。
これから紹介する方法を組み合わせ、複合的に診断しましょう。

ノミがいた痕跡を探す

ノミアレルギー性皮膚炎の場合はノミが被毛の中を走っていることがあります。
実際に肉眼的に確認したり、ノミ取りくしを使って確認するのも良いでしょう。

ノミアレルギー性皮膚炎はノミの寄生が1匹でもアレルギーを発症することがあります。
1匹の寄生の場合は見つけることができないこともあるし、猫がグルーミングによってノミを排除してしまっていることもあります。
ノミそのものを確認するのではなく、ノミ糞を確認することでノミがいたことを証明することもできますね。
ノミ糞は黒い粒のようなもので、濡らすと赤く血が滲むという特徴があります。
ノミ糞かどうかの判断に迷った時は濡らしてみて確認してみましょう。
ノミがいたとしても、ノミアレルギー性皮膚炎を証明していることにはならず、ノミがいなかったとしてもノミアレルギー性皮膚炎ではないことの証明にはならず、あくまでノミアレルギー性皮膚炎を疑う材料にしかならないことを知っておきましょう。

アレルゲン特異的IgE検査

ノミに咬まれると、ノミ唾液抗原特異的IgEが産生されます。
血液を調べることでアレルゲン特異的IgEを調べることができます。
陽性反応があれば過去にノミが感染していた可能性が高くなります。

試験的治療

ここまで解説したようにノミアレルギー性皮膚炎と正確に診断することは難しいです。
そのため、もしノミアレルギー性皮膚炎が疑われた場合には、試しに治療をしてみる試験的治療を行うことが有効です。
もし治療をして2ヶ月ほどで症状が緩和されればノミアレルギー性皮膚炎が疑わしくなります。

ノミアレルギー性皮膚炎の治療

ノミアレルギー性皮膚炎の治療のメインはノミを駆虫剤により駆除することです。
しかしノミを駆除するためには、症状を示している猫に対してノミの駆虫剤を使うだけではいけません。

  • 生活環境を清潔にし、環境中にいるノミを駆除する
  • 同居動物も同時に駆虫剤を投与する

ということを行いましょう。
ノミの駆除と並行して、ノミアレルギー性皮膚炎に対して、皮膚の炎症やかゆみを止めるためにステロイドの投与を行うこともあります。
必要があれば抗菌薬の投与の投与も行うこともあります。
原因となっているノミ駆除が行われ、痒み止めなどの適切な対症療法が行われるなら、ノミアレルギー性皮膚炎はすみやかに治癒することが多いです。

 

まとめ

外を散歩する猫

ノミアレルギー性皮膚炎は場合によっては重度な症状が見られ、猫の外見にも大きな影響を与えることがあります。
「ノミの予防をしてなかっただけでこんなひどいことに…」
ということが起こらないように、定期的な予防を行い続けましょう。

当院はノミアレルギー性皮膚炎を含めた皮膚病の治療に力を入れてます。
疑わしい症状のある猫を飼われている方はいつでもご相談ください。

 

神奈川県藤沢市湘南台の動物病院

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