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猫はストレスで過剰なグルーミングをすることがある?|猫のストレスによる皮膚炎について解説

2024.09.22

猫はストレスで過剰なグルーミングをすることがある?|猫のストレスによる皮膚炎について解説

 

みなさんは猫のグルーミングと聞いて何を思い浮かべますか?
グルーミングは、猫を飼っているご家庭では1日に何度も見る姿ですよね。
そんなグルーミングもやりすぎると、猫の体に皮膚炎を起こすことがあります。

今回は、猫の過剰グルーミングによる皮膚炎についてご説明します。
最後まで読んでいただき、猫のグルーミングが過剰になっている場合は、悪化する前に気づいて対策をしてあげましょう。

 📍 目次

 ▼ グルーミングって何のためにするの?
 ▼ 猫のグルーミングも過剰になると皮膚炎を起こします
 ▼ グルーミングが過剰になってしまう原因とは?
 ▼ ストレスによる過剰なグルーミングを防ぐには
 ▼ まとめ

腕を舐めている猫

 

グルーミングって何のためにするの?

グルーミングとは「毛づくろい」のことで、猫の場合は自分の体を舐めることを指します。猫のグルーミングにはいくつかの役割があります。

毛玉ができるのをを防ぐ

猫は、細く抜けやすい毛質であることが多く、毛玉ができやすい動物です。
高齢の猫で関節が痛んでグルーミングができなくなると、毛玉が増えるのもこのためですね。
毛玉ができると毛が引っ張られることにより皮膚炎を起こしたり、感染症にかかることもあります。

愛情表現

猫が同居の猫にグルーミングをしたり、母猫が子猫をグルーミングしている姿を見たことがある方は多いのではないでしょうか。
これはグルーミングが猫にとって愛情表現のひとつであるためです。
猫はグルーミングをすると、セロトニンという幸福感を感じるホルモンが出ると言われています。
そのため、猫がリラックスしたいときに自分にグルーミングすることで、安心感を得ることができます。

 

猫のグルーミングも過剰になると皮膚炎を起こします

猫のグルーミングは、適切な頻度で行われる場合は必要なものですが、過剰になると皮膚炎の原因になります。
猫の舌はざらざらした構造をしているため、何度も同じところを舐め続けることで皮膚が削れてしまい、皮膚が炎症を起こしたり脱毛したりしてしまいます。
猫の過剰グルーミングによる皮膚炎は、「舐性皮膚炎」や「舐め壊し」と言われることもあり、室内飼いや多頭飼育をしている家庭の猫で生じやすいです。
発症部位としては腹部、背中の腰付近などが多く、ひどい場合は感染症を起こして化膿したり出血したりすることもあります。

仰向けで腕を舐めている猫

 

グルーミングが過剰になってしまう原因とは?

猫の過剰なグルーミングによる皮膚炎の最も大きな原因は「ストレス」です。猫はとても繊細で、生活環境の中の様々なものにストレスを感じる生き物です。
猫はストレスを感じると自分を安心させるために、しつこくグルーミングをするようになります。しつこくグルーミングをすることで皮膚が傷つくと、その部位からエンドルフィンという快感、鎮痛作用のあるホルモンが分泌されます。
そのため同じ場所を何度も何度も舐めるという悪循環に陥ってしまうのです。
他にはきっかけとして、感染症やアレルギーなどで痒みがある場合や、その場所に痛みがある場合などもあります。
このような原因がないか、しっかり検査を行い、適切な治療を行うことで過剰なグルーミングを減らすことが期待できる場合もあります。

 

ストレスによる過剰なグルーミングを防ぐには

問診や検査で、猫の過剰なグルーミングの原因がストレスであることが疑わしい場合、その治療には猫がストレスを感じない環境で過ごすことが一番重要です。
言葉を話さない猫が、何にストレスを感じているか原因を特定するのはとても難しいですよね。
我々が、ストレスによる過剰グルーミングから猫の皮膚を守るためにできることは何があるのでしょうか。

生活環境を見直す

室内飼育の猫にとって、おうちの環境はとても重要です。猫にはそれぞれお気に入りのトイレや水飲み場があることが多いです。
同居の猫がいる場合は複数トイレや水飲み場を用意し、それぞれ離して設置してあげるとお気に入りのものを見つけて使いやすくなるでしょう。
警戒心の強い猫には、身を隠せる場所や高いところから広く見渡せるキャットタワーなどがあると安心することができます。
室内で飼っている猫の多くは運動や刺激が不足していることが多いです。
知育玩具を使って頭を使う遊びや、狩猟本能を掻き立てるような遊びをしてあげるのも良いでしょう。

フェロモン製剤やサプリメントを使用する

猫のストレスを軽減するために、猫の気持ちを落ち着かせる成分の入ったフェロモン製剤やサプリメントを使用するというのも治療の一つです。
生活環境の改善がどうしても難しい場合や、猫がストレスを感じるイベントの前などに補助的に使うことが多いです。
猫の安心できる成分の入った療法食もありますが、食事の変更は猫にとってストレスになることもあるので、症状が悪化しないか気をつけて見守りましょう。

物理的に皮膚を保護する

猫が物理的に皮膚を舐められないように、エリザベスカラーや皮膚を保護するための猫用の服を着せることもあります。
首にエリザベスカラーをつけることや、服を着ること自体は猫にとってストレスを感じることですが、舐めるという行動ができなくなるため、皮膚炎は落ち着いていきます。
ストレスの原因を解決するのに時間がかかる場合や皮膚炎がかなりひどい場合に一時的に使うことが多いです。

腕を舐めている黒猫

 

まとめ

猫の過剰なグルーミングは、猫がストレスを感じているという合図かもしれません。
猫のストレスの原因は様々で、特効薬はありません。
そのため、猫のストレスによる過剰なグルーミングは、根本的な治療が難しいことが多いです。
気になる症状がある場合はぜひ当院に相談していただき、お家の猫が何にストレスを感じているのか、原因を一緒に見つけて改善していきましょう。

 

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