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猫の尻尾の付け根がベタつくスタッドテイル|去勢をしていない猫で多い?

2024.09.14

猫の尻尾の付け根がベタつくスタッドテイル|去勢をしていない猫で多い?

 

階段にいる猫の背中

猫は自分で毛繕いをする清潔な動物というイメージが強いですよね。
そんな猫の尻尾の付け根に、ワックスを塗ったようなベタつきが生じるスタッドテイル(尾腺過形成)という病気があります。

今回はこのスタッドテイルがどういう状況で発生しやすいか、その治療方法について解説していきます。
スタッドテイルの予防方法についても解説するので、症状に心当たりのある猫の飼い主様だけではなく、猫を飼い始めた方も、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

 📍 目次

 ▼ スタッドテイルは悪化すると皮膚がボコボコになる
 ▼ スタッドテイルは去勢していない猫で多い?
 ▼ スタッドテイルの治療
 ▼ まとめ

 

スタッドテイルは悪化すると皮膚がボコボコになる

尻尾の付け根には脂を分泌する尾腺という分泌腺が存在しています。
スタッドテイルはこの尾腺から脂が過剰に分泌されることで引き起こされます。
尾腺から皮脂の分泌が過剰になると、尻尾の付け根がベタベタになります。
そのまま症状が進行すると、次第に色が黄ばんでいき、黒ずんでいきます。
さらに悪化すると、細菌感染が起こり炎症を引き起こし、ボコボコに腫れていきます。
このボコボコに腫れている様子が鋲に似ているため、スタッド(鋲)テイルと呼ばれているのですね。

 

スタッドテイルは去勢していない猫で多い?

黒猫のお尻

多くの動物病院では若いときに猫の去勢手術の実施を勧めています。
動物病院で話される去勢手術の主な意義は以下の通りです。

  • 発情行動を抑えられる(マーキングなど)
  • 発情中のストレスを抑えられる
  • 性格が穏やかになる
  • 精巣に関わる病気を予防できる

実はスタッドテイルは去勢していない猫で多いと言われています。
しかし、あまり一般的な病気ではないことから、去勢手術をする意義として動物病院で説明されないことが多いです。
スタッドテイルは去勢していない猫以外にも以下の特徴の猫に多いです。

  • 長毛種
  • 洋猫(ペルシャ猫、シャム猫、ソマリなど)
  • あまりグルーミングをしない

以上の特徴のある猫はスタッドテイルの予防という観点からも去勢手術を考えると良いでしょう。


スタッドテイルの治療

ここまでお伝えしたようにスタッドテイルを予防するなら去勢手術が有効です。
しかし「スタッドテイルは去勢手術をしたら治る」というのは間違いです。
スタッドテイルを発症してから去勢手術をしても症状の進行を遅らせるだけで、治るわけではありません。
ここでは実際にスタッドテイルを発症した猫に対する治療法について解説します。

 

患部を清潔にする

スタッドテイルの治療で一番大事なことは患部を清潔にすることです。
患部をシャンプーでキレイすることが有効でしょう。
シャンプーは普通のもではなく脱脂作用といって、脂を取り除く作用のあるシャンプーが有効です。
しかし、猫は濡れたりシャンプーをされることを嫌がります。
汚れがつきにくくするために毛刈りをすることも考慮しましょう。
スタッドテイルは尾腺の皮脂が過剰なことで引き起こされるので、患部を清潔にしても治るわけではありません。
患部を清潔にするだけでは再発する可能性が高いことは知っておかなければいけませんね。

薬を使う

スタッドテイルにより患部が不衛生な状況が続くと細菌感染を起こします。
細菌感染がある場合は消毒薬を使って拭いたり、抗菌薬を使うことも有効です。
細菌感染が重度になると炎症により皮膚がボコボコします。
この状況になるとステロイドの使用が有効な場合があります。


まとめ

爪研ぎをしている猫の背中

スタッドテイルは去勢手術によりある程度予防可能な病気です。
しかし、現実には去勢手術ができなかったなどの理由でスタッドテイルを発症することもあります。
再発が多く、治療が困難なことも多いですが、もしスタッドテイルを発症しても諦めずに治療をしましょう。

当院では猫のスタッドテイルなどの皮膚科治療に力を入れています。
猫の尻尾の付け根がベタついているなどの症状に心当たりのある方はいつでも当院にご相談ください。

 

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