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犬の黒色被毛形成異常症について|黒い毛が抜けてしまう遺伝病とは?

2024.10.04

犬の黒色被毛形成異常症について|黒い毛が抜けてしまう遺伝病とは?

 

「子犬なのに被毛が薄くなるなんて何かの病気でしょうか?」
このようにお悩みの方はいませんか?
幼少期に突然脱毛が始まる症状は「黒色被毛形成異常症」と呼ばれる遺伝病の可能性があります。
黒色被毛形成異常症は黒い毛だけが脱毛する珍しい疾患です。

今回の記事では黒色被毛形成異常症について解説します。
脱毛にお悩みの方は最後まで記事をお読みいただき、ぜひ参考にしてみてください。

 📍 目次

 ▼ 黒色被毛形成異常症とは
 ▼ 黒色被毛形成異常症の好発犬種
 ▼ 黒色被毛形成異常症の原因
 ▼ 黒色被毛形成異常症の診断
 ▼ 黒色被毛形成異常症の治療
 ▼ まとめ

 

黒色被毛形成異常症とは

白黒のセター

黒色被毛形成異常症とは2色以上の被毛で構成される犬で黒色の毛のみ脱毛してしまう疾患です。
黒い毛の部分のみが徐々に薄くなることで気がつくことが多いです。
かゆみや赤みは基本的には伴わず、脱毛のみが症状として現れます。

 

黒色被毛形成異常症の好発犬種

以下の犬種は黒色被毛形成異常症が好発であると報告されていますが、どの犬種でも罹患する可能性があります。

  • ダックスフンド
  • ビーグル
  • ジャックラッセルテリア
  • ボーダーコリー
  • キャバリア
  • パピヨン

 

黒色被毛形成異常症の原因

被毛の色を決定する色素はおもにメラニン色素です。
メラニン色素はメラノソームと呼ばれる部位に貯蔵され、表皮や被毛にメラニン色素を運びます。
黒色被毛形成異常症ではメラノソームに関連する遺伝子に異常が生じ、メラニン色素の輸送が障害されます。
メラニン色素の受け渡しがうまくできず、メラニン色素が部分的に蓄積した毛は非常に脆いです。
脆くなった被毛が物理的に折られると肉眼的には脱毛が生じます。

 

黒色被毛形成異常症の症状

白黒の犬の目元

黒色被毛形成異常症は3〜12か月齢までに以下の症状が現れることが多いです。
感染が併発していなければ基本的にはかゆみはありません。

脱毛

特徴的な症状は黒色被毛部の脱毛です。
被毛が脆くなることが原因であるため、特に物理的な力を受けやすい肘やかかとから症状が始まります。
よく頭を撫でている場合は頭頂部にも脱毛が見られます。
よく見てみると脱毛している部分と毛が折れて短くなった部分があるのが特徴です。

毛包炎

被毛が毛穴の中で折れることで毛穴の炎症である毛包炎が併発することが多いです。
脱毛に加えて毛穴が赤く盛り上がってきたり、膿が溜まってしまうこともあります。

 

黒色被毛形成異常症の診断

身体検査や症状から黒色被毛形成異常症が疑われる場合は被毛や皮膚の検査に進みます。
かゆみや赤みが伴う場合はその他の皮膚の疾患の検査も必要です。

被毛の顕微鏡検査

毛を一部採取して顕微鏡でメラニン色素を確認します。
メラニン色素が毛の中で不均一に分布することが特徴です。

皮膚の病理検査

確定診断には皮膚を一部採取し、病理検査を行います。

 

黒色被毛形成異常症の治療

皮膚炎が併発していなければ特別な治療は行いません。
適切なお手入れを行いましょう。

完治は可能?

現在、黒色被毛形成異常症の有効な治療法は存在していません。
お手入れや日々の生活の中で工夫し、うまく付き合っていく必要があります。

お手入れの注意点

ピンクのパーカーを着ているキャバリア

物理的な力で被毛が簡単に折れてしまうため、過度なシャンプーやブラッシングは避けることが望ましいです。
基本的に黒色被毛形成異常症は進行性の疾患であり、脱毛部位が広がっていく可能性があります。
脱毛が生じている部位は外部刺激や紫外線に対してデリケートであるため洋服を着せて保護しましょう。
また、乾燥しやすくなるため保湿剤などを用いてこまめにスキンケアを行う必要があります。

 

まとめ

黒色被毛形成異常症は有効な治療法がないため、上手に付き合っていくことが重要です。
皮膚の感染や身体の不調が原因ではないため基本的には普段通りの生活で構いません。
黒色被毛形成異常症以外にも脱毛を引き起こすさまざまな疾患があります。
脱毛などの皮膚のトラブルにお困りの方は早めに当院までお越しください。

 

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