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犬の性ホルモン関連性皮膚症|脱毛が治らない犬の飼い主さん、避妊や去勢はお済みですか

2024.09.28

犬の性ホルモン関連性皮膚症|脱毛が治らない犬の飼い主さん、避妊や去勢はお済みですか

見上げる犬

犬の性ホルモンが原因で発症する皮膚病に性ホルモン関連性皮膚症という病気があります。
動物病院に通って色々な検査や治療をしてもよくならない脱毛は、もしかしたら犬の卵巣や精巣から出る性ホルモンが悪さをしているかもしれません。
犬を飼われているご家族の中には
「性ホルモン関連性皮膚症ってどんな病気?」
「性ホルモン関連性皮膚症はどんな犬が発症するの?」
「性ホルモン関連性皮膚症って治る?」
といった疑問や心配事を持たれている方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は性ホルモン関連性皮膚症について詳しくご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、性ホルモン関連性皮膚症についての理解を深めましょう。

 📍 目次

 ▼ 犬の性ホルモン関連性皮膚症とは
 ▼ 性ホルモン関連性皮膚症の症状
 ▼ 性ホルモン関連性皮膚症の検査
 ▼ 性ホルモン関連性皮膚症の治療
 ▼ まとめ

犬の性ホルモン関連性皮膚症とは

犬の性ホルモン関連性皮膚症とは、その名の通り性ホルモンに関連して発症する皮膚病です。
性ホルモンには脱毛する作用があります。
性ホルモンが過剰に出る病気には卵巣と精巣の腫瘍があります。
多くの犬では避妊去勢をしており卵巣と精巣がすでにないため腫瘍になることもありません。
しかし、避妊去勢手術をしていない犬が高齢になると卵巣や精巣は腫瘍化しやすいのです。
中でも潜在精巣をもつオス犬は精巣が腫瘍になりやすいです。
精巣は、生まれた後にお腹の外にある陰嚢という袋に降りてくるのが普通です。
しかし精巣がお腹の中に残ってしまうことがあります。
このことを潜在精巣といいます。
お腹の中にあるままだと精巣が高温になりすぎて腫瘍になりやすいんですね。

卵巣と精巣の腫瘍には以下が挙げられます。

メスであれば

  • 卵巣嚢腫
  • 顆粒膜細胞腫

オスであれば

  • セルトリ細胞腫
  • 間細胞腫
  • 精細胞腫

といった病気が挙げられます。
これらの病気から出る

  • エストロゲン
  • アンドロゲン

という性ホルモンにより皮膚に脱毛などを生じます。

 

性ホルモン関連性皮膚症の症状

性ホルモンに起因した症状には皮膚のほかに全身的な症状もみられます。

皮膚の症状には

  • 脱毛
  • 色素沈着
  • 痒み
  • 脂っぽい
  • 被毛が綿毛状になる
  • 乾燥

などが挙げられます。
脱毛は腹部や尻尾、生殖器の周囲、肛門の周囲、体幹部、首元に発生し、左右対称性に広がります。
これらの症状は発情周期に合わせて悪くなったり戻ったりを繰り返します。
全身性の症状には、放出される性ホルモンの種類によって様々なものがあります。
メスでは

  • 乳腺や陰部が腫れる
  • 妊娠してないのに乳房がはったりお乳がでたりする
  • 顎や肢先が大きくなる
  • 貧血になる
  • 子宮に膿がたまる

オスでは

  • 乳房が発達する、お乳がでる
  • メスのような姿勢でおしっこをする
  • 包皮が下垂する
  • 前立腺が大きくなる
  • 肛門の周りがボコボコしてくる

などがあげられます。
全身性の症状の中には、貧血になったり、血液の中の免疫に関わる成分が少なくなったりして命に関わることもあります。
皮膚の症状のほかにこのような全身性の症状がみられた場合はこの病気が疑わしくなりますね。

 

性ホルモン関連性皮膚症の検査

犬のエコーを撮る獣医師

性ホルモン関連性皮膚症には、脱毛の症状を示すよく似た病気がいくつかあります。
皮膚の病気の他に、甲状腺や副腎の病気から脱毛することもあるのです。
それらの病気を除外するために、獣医師が下記の検査を組み合わせて診断を行います。
性ホルモン関連性皮膚症の主な検査には

  • 身体検査
  • 血液検査
  • 皮膚検査
  • 画像検査(レントゲン、超音波検査など)

などが挙げられます。

性ホルモン関連性皮膚症の原因となる病気には卵巣や精巣の腫瘍が挙げられます。
腫瘍の場合、卵巣や精巣の状態と他の臓器に転移していないかを画像検査で確認することが大切です。
複数の検査を組み合わせないと、正確な診断や、病気がどのくらい進行しているか、他の病気を除外できるかが判断できません。

 

性ホルモン関連性皮膚症の治療

性ホルモン関連性皮膚症の治療は避妊、去勢手術になります。性ホルモン関連性皮膚症が原因の脱毛であれば、避妊や去勢手術の後、約3ヶ月以内に改善します。
性ホルモン関連性皮膚症は卵巣や精巣が腫瘍化して発症し、命に関わる他の症状を伴っていることもあるので、早めに手術を考えてあげた方が良いですね。

 

まとめ

笑っているポメラニアンたち

性ホルモン関連性皮膚症とは性ホルモンが原因で脱毛してしまう犬の皮膚病です。
根本的には卵巣や精巣の腫瘍から発症しているので、避妊や去勢手術を早めに検討してあげるとよいですね。
性ホルモン関連性皮膚症は、時に他の皮膚疾患と区別することが難しい場合があります。

当院は皮膚科診療に力を入れています。
もしなかなか治らない脱毛があったり繰り返す皮膚病がおありでしたら、ぜひ当院にご相談ください。

 

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