犬の淡色被毛脱毛症とは|グレーの犬の脱毛はもしかしたら遺伝かもしれません
淡色の被毛をもつ犬に発症する皮膚病で淡色被毛脱毛症(別名:カラーダイリューションアロペシア)という病気があります。
薄い色の毛の犬を飼われているご家族のなかには
「淡色被毛脱毛症ってどんな病気?」
「淡色被毛脱毛症は遺伝するの?」
「淡色被毛脱毛症って治る?」
といった疑問や心配事を持たれている方もいらっしゃるかと思います。
今回はこの淡色被毛脱毛症について詳しくご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、淡色被毛脱毛症についての理解を深めましょう。
📍 目次 ▼ 淡色被毛脱毛症とは |
淡色被毛脱毛症とは
淡色被毛脱毛症とは、脱毛を主な症状とする犬の皮膚病です。
ブルー、グレー、シルバーなど淡色の毛をもつ犬に発症することが特徴的です。
中でもドーベルマン・ピンシャーに重度な症状が生じることで知られています。
他の犬種としてはヨークシャー・テリア、ダックスフンド、シュナウザー、チワワ、スタンダード・プードルなどでも報告があります。
大型犬、小型犬関係なくあらゆる犬種でみられるんですね。
発症は通常生後4〜18ヶ月から始まりますが、3〜6歳まで症状がわからないこともあります。
この病気は、被毛一本一本の中でメラニンが適切に広がらなくなることが原因で起こります。
メラニンとは被毛の色を決めている色素のことで、紫外線から被毛を保護する役割があります。
メラニンが広がらず毛包の中で溜まってしまうと毛の発育障害を起こしたり、毛がちぎれやすくなったりするんですね。
また淡色被毛脱毛症は親から子へ遺伝します。
つまり、淡色被毛脱毛症の遺伝子をもつ犬の繁殖は、子にも発症する可能性があるということになります。
淡色被毛脱毛症の症状
淡色被毛脱毛症の主な症状は脱毛や皮膚の乾燥ですが、進行とともに脱毛以外の症状もみられます。
皮膚の症状として
- 脱毛
- 乾燥
- 赤み
- かゆみ
- ぶつぶつができる
- 膿んでいる
- 脂っぽい
などが挙げられます。
脱毛は体幹から脇腹にかけて広がります。
進行して皮膚や毛穴に炎症や感染症を伴うような場合には皮膚にかゆみや赤みなどを生じている場合があります。
淡色被毛脱毛症の検査
淡色被毛脱毛症には、脱毛の症状を示すよく似た病気がいくつかあります。
皮膚の病気の他に、毛の発育に関わるホルモンがうまく出せなくなる甲状腺や副腎の病気から脱毛することもあるのです。
それらの病気を除外するために、獣医師が下記の検査を組み合わせて診断を行います。
淡色被毛脱毛症の主な検査には
- 身体検査
- 血液検査
- 皮膚検査
- 病理検査
などが挙げられます。
複数の検査を組み合わせないと、正確な診断や、病気がどのくらい進行しているか、他の病気を除外できるかが判断できません。
淡色被毛脱毛症の治療
淡色被毛脱毛症には明確な治療方法はありません。
しかしながら、毛の成長を刺激したり、病気の進行を遅らせたりする薬は存在します。
以下は淡色被毛脱毛症の内服治療です。
淡色被毛脱毛症の内服治療には
- メラトニン
- レチノイド
などが挙げられます。
また硫黄サリチル酸シャンプーでの定期的な洗浄は余分な皮脂を取り除くことができるため有効です。
犬の状態から最善な治療を考えることが大切になります。
また過度なグルーミングやシャンプーがこの病気の悪化要因になることがあります。
グルーミングは短時間で済ませて、保湿作用のあるシャンプーやクリームなどを合わせて使用するなど、被毛を保護することは病気の悪化を予防する上で大切になりますね。
淡色被毛脱毛症は完治するの?
淡色被毛脱毛症は命には関わりませんが、治すことか難しい病気です。
その上淡色被毛脱毛症は、親から子へ受け継いでしまう遺伝病です。
犬が淡色被毛脱毛症になった時には繁殖を避けるなどして、病気を子孫に残さないようにすることが大切ですね。
まとめ
淡色被毛脱毛症は淡色の被毛をもつ犬が脱毛してしまう遺伝病です。
命には関わりませんが、美容的な問題の他に皮膚病を伴ったりと犬にも苦痛を伴います。
繁殖予防が、病気を子孫に繋げない上で大切になりますね。
淡色被毛脱毛症は、時に他の皮膚疾患と区別することが難しい場合があります。
当院は皮膚科診療に力を入れています。もしなかなか治らない脱毛があったり繰り返す皮膚病がおありでしたら、ぜひ当院にご相談ください。
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