犬の歯周病になると心臓病が増える?|歯周病と心臓病の関連性を解説
「人間は歯周病になると心臓病になりやすいって聞いたけど、実際はどうなのか気になる」
「歯石除去を動物病院でやろうとしたけど、心臓病があるから麻酔リスクがあると言われた…」
などとお悩みの方は多いのではないでしょうか?
犬の歯科疾患と心臓病は切っても切り離せない関係があります。
今回は
- 犬の歯周病と心臓病の関係
- 心臓病の歯石除去の際の麻酔リスク
- 歯周病と心臓病の予防方法
について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康寿命を延ばすことに役立てていただけると幸いです。
📍 目次 ▼ 犬の歯周病は心臓病の発生率を上げる? |
犬の歯周病は心臓病の発生率を上げる?
人間では
「1日1回未満しか歯磨きをしない人は、1日2回歯磨きをする人と比べて心臓病になる確率が1.7倍も上がる」
と言われています。
歯垢と呼ばれる細菌の塊が歯肉の血管を通って、心臓まで到達し、炎症を引き起こすからですね。
では犬の場合はどうでしょうか?
実は犬の場合でも人間と同様に、歯周病と心臓病との関連性が論文により発表されています。
心臓病は犬の寿命に影響を与える病気なので、歯周病も寿命に影響を与えてしまう病気ということになりますね。
歯石除去の麻酔リスク
「歯周病が心臓病の発生率を上げるなら、急いで歯石除去をしなければいけない」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際に歯周病を治すためには、歯石を除去することで口腔内環境を清潔にし、その後は歯磨きなどでその口腔内環境を維持することが有効です。
しかし、歯石除去は以下の理由から全身麻酔をかけて行う必要があります。
- 犬が動かないようにし、怪我や事故を防止するため
- 奥歯や歯周ポケットの歯石も除去するため
- 誤嚥を予防するため
- 処置を一度で終わらせるため
一般的に、健康な犬が麻酔を原因として死亡してしまう割合は約0.17~0.65%と言われています。
確かに歯周病を治すためには歯石除去が有効ですが、麻酔で死亡するリスクと天秤にかけて、実際に歯石除去を行うかを決める必要があります。
高齢犬の麻酔リスク
歯石除去が必要になる犬の年齢は中高齢期で病気を持っていることが多いです。
場合によっては、中高齢期特有の持病が麻酔リスクにかかわってきます。
特に麻酔リスクを上げる持病として挙げられるのが、心臓病です。
歯周病が原因となっていようがなっていなかろうが、心臓病は麻酔リスクに大きく関わります。
全身麻酔をかけると血圧に大きな変動があります。
血圧の変動により、心臓病が悪化し、心不全に至る犬もいます。
重症度によって違いはありますが、一般的には心臓病の場合は全身麻酔を避けるべき、と言われていますね。
心臓病を悪化させないためにできること
歯周病が心臓病の発生率に関連していることから、普段から歯のケアに取り組み、歯周病の予防をしましょう。
特に歯磨きは幼い頃から慣れさせ、毎日欠かさず行うことが大事ですね。
また、心臓病の悪化を防ぐためには早期発見、早期治療が最も有効です。
日頃から動物病院で健康診断を受けることを習慣にしましょう。
「犬の1年は人間にとっての4年である」と言われています。
健康診断は1年に2回は受けるのがおすすめです。
歯周病と心臓病どちらも予防していくことで愛犬の健康を維持することができます。
まとめ
歯周病は、心臓病の発生と関連性があり、寿命に影響を与える疾患です。
日頃から歯のケアを行うこと、心臓病の早期発見に努めることを意識しましょう。
当院では歯磨き指導や心臓病を早期発見できる血液検査を実施しています。
愛犬の歯と心臓の健康を守るためにぜひ活用していただけると幸いです。
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