猫の皮膚病である好酸球性肉芽腫群とは?│皮膚が赤く腫れてきたら要注意?
「猫の皮膚が赤く腫れててかゆそうです」
このようにお悩みの飼い主様も多いのではないでしょうか。
好酸球性肉芽腫群は猫でよくある皮膚病の1つです。
今回の記事では猫の好酸球性肉芽腫群について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき皮膚の健康にお役立てください。
📍 目次 ▼ 好酸球性肉芽腫群とは? ▼ まとめ |
好酸球性肉芽腫群とは?
好酸球とは白血球の一種でアレルギーや寄生虫感染に反応して増加します。
好酸球性肉芽腫群とは好酸球が過剰に反応し、肉芽腫を形成する疾患の総称です。
病変部位に好酸球が多数存在することが特徴です。
好酸球性肉芽腫群は
- 無痛性潰瘍
- 好酸球性プラーク
- 好酸球性肉芽腫
など病気の特徴によって分類されます。
好酸球性肉芽腫群の原因
好酸球性肉芽腫群はアレルギー反応の関与が原因の1つです。
アレルギーの原因としては
- 肉や乳製品などの食事
- ノミ
- ハウスダスト
- 花粉
など多岐にわたります。
その他にも
- ウイルス感染
- 虫さされ
- 免疫の異常
の関与も疑われています。
好酸球性肉芽腫群の症状
全身のさまざまな場所に皮膚の発赤やしこりができることが特徴です。
病気の分類によって症状が異なります。
無痛性潰瘍
無痛性潰瘍とは唇や上顎などの痛みやかゆみを伴わない潰瘍です。
潰瘍とは炎症により傷がえぐれたようになってしまう状態です。
炎症により赤っぽい液体が滲むこともあります。
好酸球性プラーク
プラークとは浅く平らに膨らんで盛り上がっている病変です。
全身のさまざまな部位で生じ、特に下腹部によく発生します。
好発部位は
- 腹部
- 太ももの内側
- 首
- 指の間
などであり、強いかゆみを伴うことが多いです。
かゆみにより舐めてしまうとさらに炎症がひどくなるため早期に治療を開始することが重要です。
好酸球性肉芽腫
肉芽腫とは炎症の後にできるしこりです。
表面は脱毛し、硬くなります。
- 太もも
- 脇腹
- 口腔内
などに肉芽腫を形成します。
比較的若齢の猫に多いです。
好酸球性肉芽腫群の検査
症状から好酸球性肉芽腫群が疑わしい場合は以下の検査を行います。
視診
病変の部位や見た目も好酸球性肉芽腫群の特徴です。
脱毛や潰瘍のある部位を確認します。
血液検査
血液検査で好酸球の増加を確認したり、アレルギーの原因を検査したりすることもあります。
皮膚検査
皮膚症状のある部位の被毛や滲んでいる液体を採取し、顕微鏡で観察する検査です。
皮膚にスライドグラスを押し付けて集まっている細胞を採取することもあります。
病理組織検査
必要に応じて皮膚の一部を採取して病理検査を行います。
好酸球性肉芽腫群の治療
原因がはっきりしている場合はその原因を取り除くことが一番の治療です。
できる限りアレルギーの原因を特定し、除去します。
薬剤による治療
炎症を抑えたり、かゆみを抑えるためにステロイド剤を使用することが多いです。
ステロイド剤は副作用があるため、用量を調整する必要があります。
ステロイド剤に加えて免疫抑制剤を併用することもあります。
ノミやダニの駆虫
アレルギーの原因の1つがノミやダニなどの外部寄生虫です。
外部寄生虫の治療ではまとめて駆除できる駆虫薬を使用します。
食事の変更
食事アレルギーが疑わしい場合はアレルギーに対応したフードに変更することが効果的です。
今まで食べてきたフードと異なる成分のフードを試す試験的治療を行うこともあります。
エリザベスカラーの着用
かゆみが強いとどうしても病変部位を舐めてしまい、さらに皮膚症状を悪化させてしまいます。
できるだけエリザベスカラーをすることで患部を守ることが大切です。
まとめ
かゆみや脱毛は悪化するまで意外と気づかないことも多いのではないでしょうか。
好酸球性肉芽腫群は早期に発見し、適切な治療を行うことで管理が可能です。
猫の皮膚の健康を守るため、こまめに皮膚をチェックしてみましょう。
皮膚の異変を見つけたら早めに当院までご相談ください。
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