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ステロイドを犬の皮膚病に使うのに知っておくべきこと|ステロイドの副作用とは

2024.10.07

ステロイドを犬の皮膚病に使うのに知っておくべきこと|ステロイドの副作用とは

痒がる柴犬

「動物病院でステロイドを処方されたけど何の薬かわからない」
「副作用があると聞いたけどどんな副作用があるか知らない」
「長期間使っていて副作用が出ないか不安」
このように悩まれている犬の飼い主様も多いのではないでしょうか?
ステロイドはとても強い効果があるため、動物病院で広く使用されています。
ただし、その副作用には様々なものがあり、不安に感じられる方も多いです。

今回はステロイドの作用と副作用について解説し、どうしたらステロイドの副作用を最小限に留めることができるか解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、ステロイドに対する不安を払拭していただけると幸いです。

 📍 目次

 ▼ ステロイドとは
 ▼ ステロイドの適応疾患
 ▼ 皮膚病のステロイドの使用をなるべく減らすためには
 ▼ まとめ

 

ステロイドとは

ステロイドとは、体内で分泌されるホルモンの総称です。
一般的にステロイドというと、副腎皮質という臓器から分泌されるグルココルチコイドのことを指します。
グルココルチイドには様々な作用があるため、薬としても使われています。

ステロイドの作用

ステロイドには様々な作用があり、数多くの病気の治療に使われます。

ステロイドの作用の中では

  • 抗炎症作用
  • 免疫抑制作用

が最も有名ですね。
上記の2つの作用を期待して病気の治療に使われることが多いです。

ステロイドの副作用

ステロイドは様々な病気の治療に有効な作用がある反面、副作用にも様々なものがあります。
ステロイドを正しく使うためには、この副作用について正しく知ることが重要ですね。

全身への副作用

ステロイドが全身に及ぼす副作用には以下のものがあります。

  • 多飲多尿
  • 多食
  • お腹が張る(腹囲膨満)
  • 肝臓が大きくなる(血液検査で肝臓の値が上昇する)
  • 息遣いが荒くなる
  • 筋肉量が落ちる
  • 免疫力が低下し感染しやすくなる
  • 糖尿病になりやすくなる

他の薬と比べると副作用の数がとても多いことがわかりますね。
それだけステロイドは慎重に使わなくてはならないということです。

皮膚への副作用

ステロイドの副作用は全身に及ぼすものだけではなく、皮膚にも影響を及ぼすものがあります。
ステロイドの皮膚への副作用には以下のものがあります。

  • 毛が抜ける
  • 皮膚が薄くなる
  • 感染しやすくなる
  • 石灰沈着

ステロイドは皮膚病に使用することも多いです。
しかし
「皮膚病の治療にステロイドを使用していたら、副作用により皮膚の状況がさらに悪化した…」
なんてこともしばしば見られます。

 

ステロイドの適応疾患

痒がる黒い犬

ステロイドには

  • 抗炎症作用
  • 免疫抑制作用

の作用があります。
一般的にはこの2つの作用が有効な疾患にステロイドが使われます。
抗炎症作用が有効な病気は炎症性疾患ですね。
炎症により痛みや発熱を伴う疾患に有効です。
免疫抑制作用が有効な病気はアレルギーや自己免疫疾患ですね。
ワクチンのアレルギーなどが有名です。

皮膚病へのステロイドの適応

痒みは炎症によって引き起こされます。
強い痒みがある場合は抗炎症作用のあるステロイドを使うことがあります。
また、皮膚病の中にはアレルギーによって引き起こされるものが多いです。

  • 犬アトピー性皮膚炎
  • 食物アレルギー

などが代表的なアレルギー性疾患ですね。
これらのアレルギー性疾患には免疫抑制作用のあるステロイドの使用が有効です。
中にはステロイドの副作用が見られていても、症状がひどくステロイドを使用せざるをえない、という状況も皮膚のアレルギー性疾患には多いです。

 

皮膚病のステロイドの使用をなるべく減らすためには

ステロイドは様々な有用な作用がありますが、やはり副作用の観点からなるべく使用を少なくしたいところですよね。
ここではどうしたらステロイドの使用を減らせるかについて解説していきます。

代替できる薬を使う

ステロイドが皮膚病に使われる時は犬アトピー性皮膚炎のことが最も多いです。
犬アトピー性皮膚炎にはステロイド以外にも様々な薬があります。
代表的なものには

  • オクラシチニブ
  • ロキベトマブ
  • シクロスポリン

があります。
オクラシチニブは内服の薬で、犬アトピー性皮膚炎の痒みや炎症を抑える薬です。
犬アトピー性皮膚炎の症状緩和目的で広く使われています。
ロキベトマブは月に1回投与する注射の薬で、犬アトピー性皮膚炎の痒みや炎症を抑える薬です。
投与の回数の少なさから内服が困難な犬にとても有用な薬です。
シクロスポリンは内服の薬で免疫抑制作用がある薬です。
人では臓器移植などで使われる薬で、犬アトピー性皮膚炎にも使われます。

どの薬にもその薬の特徴があり、併用することでステロイドの副作用を軽減できます。

スキンケアを行う

ステロイドの使用量を減らすためには、スキンケアを行うことも有効です。
スキンケアにより皮膚のバリア機能が改善すれば、皮膚病の症状も緩和されたり、そもそも皮膚病になることが少なくなり、ステロイドのような強い治療を行う必要性が少なくなります。
例えばスキンケアには、体のベタつきを減らし、保湿するというものがあります。
皮膚がベタついている場合は、皮脂を食べる病原体が異常に繁殖することがあります。
シャンプーなどで皮脂を適切に除去し、保湿を行うことで、ベタつきを減らすことができます。
他にも皮膚の状態をよくするスキンケアには様々なものがあるので、動物病院で方法を聞き、日々のスキンケアを行うようにしましょう。

 

まとめ

痒がるマルチーズ

いかがでしたでしょうか?

ステロイドには確かに怖い副作用があります。
しかし、正しく副作用を理解し、なるべくステロイドの量を軽減するよう努力することができれば、過度に恐れる必要はありません。
動物病院でステロイドを処方された場合は、しっかりと獣医師とコミュニケーションを取り、正しくステロイドを使えるようにしましょう。

当院は皮膚科に力を入れていて、ステロイドを使った治療の経験も豊富です。
ステロイドについて不安なことがある場合は当院までご相談ください。

 

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