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犬の歯に痛みがある?|歯が痛いサインや歯が痛む原因を獣医師が解説

2025.01.21

犬の歯に痛みがある?|歯が痛いサインや歯が痛む原因を獣医師が解説

笑っている柴犬

犬も人間と同じように歯が痛むことがあります。
経験がある飼い主様がいるかもしれませんが、歯が痛いままだと辛いですよね。

「食いつきが悪くなった」
「食べこぼしが増えた」
「食事中にうなるようになった」

これらは、歯の痛みのサインです。
歯が痛い状態が続くと、食事がうまく取れず体が弱ってしまいます。
原因によっては、顎の骨が折れてしまうことも。

痛みのサインが見られたら早めに動物病院に連れて行くことはもちろん、日頃からデンタルケアをして歯のトラブルを予防しましょう。

この記事では、愛犬の歯の痛みを心配されている飼い主様に向けて、

  • 歯が痛いときにはどんな症状が見られるのか
  • 歯が痛くなる原因
  • おうちでできるケアや予防法

を解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、愛犬のお口のケアにお役立てください。

 📍 目次

 ▼ 歯が痛いときに見せる行動の変化
 ▼ 歯が痛いときに考えられる病気
 ▼ 自宅でできるケアと予防法
 ▼ まとめ

 

歯が痛いときに見せる行動の変化

犬は歯が痛いときに、以下のような行動の変化を見せます。

  • 食欲がなくなる
  • ドライフードを食べない
  • 噛むおやつを食べない
  • 食べこぼしが増える
  • 食事中にうなる、キャンと鳴く

歯の痛みの原因によっては、よだれが増える、口がくさいなどの症状が見られることもあります。

歯が痛い状態が続き食事が取れないままだと、体重が減り、健康状態が悪くなることも。
歯の痛みのサインが見られたら、その原因に応じた適切な治療をするために、お早めに受診しましょう。

 

歯が痛いときに考えられる病気

犬の歯が痛む原因には、歯周病、歯の破損、乳歯の生え変わり、口腔内腫瘍などがあります。
人で歯が痛いと言えば虫歯ですが、犬が虫歯になることはほとんどありません。
ここから、犬の歯が痛むときに考えられる主な病気について、それぞれ解説していきます。

歯周病

歯が痛む原因として最も多いのが歯周病です。
犬は歯周病になりやすい動物で、3歳以上のほとんどが歯周病を患っていると言われています。

歯周病は、口の中で増えすぎた歯周病菌が、歯茎に感染して炎症を起こす病気です。
ほとんどの場合、歯石とそれに伴う口臭、歯茎の腫れや赤み、出血が見られます。

歯周病菌は、はじめは歯茎付近に感染しますが、徐々に歯の根本に感染を広げ、歯根膿瘍を起こします。

歯根膿瘍については、以下の記事もご覧ください。
https://circus-ah.com/wp/archives/2344

歯周病菌は歯の根元にある歯槽骨を溶かすので、歯周病が原因で顎の骨が折れてしまうこともあります。
重症化して歯周病菌が血管に入ると、敗血症や全身の臓器の炎症を起こし、命の危険な状態になることも。
最近では、歯周病は腸内環境の乱れにも関わっていることがわかっています。

歯の破損

歯の破損も、歯が痛む原因です。
犬の歯が破損する原因には、硬いものを噛んだ、事故などで歯に強い衝撃を受けた、物を長時間噛み続けて歯の表面がすり減った、などがあります。
歯周病菌が原因で歯が破損することもあります。

乳歯の生え変わり時期

犬の乳歯は生後4〜6ヶ月ごろに永久歯に生え変わります。
生え変わりの時期には、歯茎の痛みや違和感から一時的に食欲が落ちることがあります。
通常であれば、生え変わりの時期が終われば歯の痛みは治るため、特に治療は必要ありません。

乳歯の生え変わりについては、以下の記事もご覧ください。
https://circus-ah.com/wp/archives/1363

乳歯遺残

乳歯遺残は、乳歯から永久歯に生え変わる際に、乳歯が抜けずに残ってしまった状態です。
歯が生える向きがずれ、口の中が傷ついて感染や痛みの原因になることがあります。
歯並びが悪くなり、歯石が溜まりやすくなるため、歯周病のリスクも上がります。
乳歯遺残の犬に対しては、早期に抜歯することが大切です。

口腔内腫瘍

口の中に腫瘍ができ、その影響で感染や炎症が起こると歯が痛むことがあります。
腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)があります。
良性腫瘍は食事や呼吸に影響がなければ治療をせずに様子を見ることもありますが、悪性腫瘍は成長が早く、転移の恐れがあるため、外科手術による早期の摘出が必要です。
良性か悪性かの診断は外見だけではできませんので、早めの検査をおすすめします。

口内炎

口内炎が歯茎の近くや歯が当たる位置にあると、食事中に痛みを感じて歯が痛いときと同じ行動の変化を見せます。
口内炎の原因はさまざまありますが、全身の免疫が落ちるような病気や歯周病が原因になることもあります。

 

直接獣医さんに相談したい!この記事に関して詳しく知りたい!家族の健康を守りたい!ちょっと気になる?ぜひ一度ご相談ください。サーカス動物病院のご予約はこちら

 

自宅でできるケアと予防法

犬の歯が痛む原因として最も多いのは歯周病です。
歯周病の予防には、毎日の歯磨きが効果的です。

歯磨きには、歯周病菌と食べかすがペースト状になった歯垢を除去する効果があります。
歯垢にカルシウムなどが付着して歯石になると、もう歯磨きでは除去できません。
犬は歯垢から歯石に変化するスピードが早く、3日もあれば歯石になってしまいます。
毎日の歯磨きで、歯石を予防してあげましょう。

いきなり完璧に歯磨きをするのは難しいと思います。
飼い主様が気負うと愛犬も緊張してしまうので、スキンシップの一環として楽しみながらするのがポイントです。
口を触らせてもらうところから始め、歯磨きを当てる時間を徐々に増やしながら慣らしていきましょう。
具体的な方法やおすすめの歯磨きグッズについては、当院のスタッフにご相談ください。

歯磨きについては以下の記事もご覧ください。
https://circus-ah.com/dental/brushing/

歯磨きのメリットは、歯石予防だけではありません。
歯磨きを通して定期的にお口の中を観察することで、早くに口の中の異常に気づけるようになるでしょう。

定期的な受診も大切です。
歯周病にしろ他の病気にしろ、初期に治療をすることが大切です。
口の中の検査と、必要に応じた適切な処置により、お口の健康を守りましょう。

毎日歯磨きをしていても、歯石がついてしまうことはあります。
溜まってしまった歯石は、動物病院で麻酔をかけ、超音波スケーリングで除去しましょう。
超音波スケーリングでは、狭い部分の歯石や歯垢の除去や、歯周ポケット内の清掃も可能です。
歯石はスケーリング後もすぐに溜まりはじめますので、ご家庭での歯磨きは続けてください。

 

まとめ

今回は、犬の歯が痛むときの行動の変化と、考えられる病気、おうちでできるケアと予防法についてお話ししました。

犬の歯が痛む原因で最も多いのは歯周病です。
歯周病はお口だけのトラブルと思われがちですが、重症化すると顎の骨が折れたり、全身に菌が広がり命に関わったりする怖い病気です。
毎日の歯磨きは歯周病予防と口のトラブルの早期発見に役立つでしょう。

当院は歯科の診察に力を入れており、専用の機材を揃えた歯科治療室にて処置を行っております。
歯の痛みなど、お口のトラブルにお悩みの飼い主様は、ぜひご相談ください。

 

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