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猫の副腎皮質機能亢進症は皮膚が裂ける|犬とは違う症状や治療について解説

2024.09.17

猫の副腎皮質機能亢進症は皮膚が裂ける|犬とは違う症状や治療について解説

上から見下ろす猫

副腎皮質機能亢進症は通称クッシング症候群と呼ばれ、中高齢の犬の病気としてよく知られています。
では、猫に副腎皮質機能亢進症という病気があるということをご存知の方はどれくらいいるでしょうか?
実は猫の副腎皮質機能亢進症は犬の副腎皮質機能亢進症とは違う点がいくつかあります。
その代表的な例が皮膚が裂けるという恐ろしい症状があることですね。

今回は猫の副腎皮質機能亢進症について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の副腎皮質機能亢進症について知っていただけると幸いです。

 

 📍 目次

 ▼ 副腎って何?
 ▼ 猫の副腎皮質機能亢進症の症状
 ▼ 猫の副腎皮質機能亢進症の治療
 ▼ まとめ

 

副腎って何?

副腎は体の調子を整える様々なホルモンを分泌する臓器です。
体の左右の腎臓に付着するように位置していることから副腎と名付けられています。
副腎は副腎の外側である副腎皮質と副腎の内側である副腎髄質に分けられています。

今回ご紹介する副腎皮質機能亢進症はこの副腎皮質の病気ですね。
その名の通り、副腎皮質の機能が過剰に亢進する病気です。
副腎皮質の機能が過剰に亢進すると副腎皮質のホルモンが過剰に分泌されることで様々な症状が出ます。

 

猫の副腎皮質機能亢進症の症状

手先を毛繕いする猫

副腎皮質機能亢進症になると、一般的には犬と同じように以下の症状が出ます。

  • 食欲亢進
  • 飲水量が増える
  • 免疫力が下がり感染症にかかりやすくなる

しかし猫の場合はこれらの症状だけではなく、特徴的な症状が出ます。

ここでは猫に特徴的な症状について解説していきます。

皮膚が裂けるほど薄くなる

犬と同様に皮膚が薄くなりますが、猫の場合は症状が顕著で、引っ張ると裂けるほど薄くなります。
皮膚が裂けてしまった場合、その皮膚を縫おうとしても、その縫った針穴から裂けてしまうほど皮膚が薄くなります。
獣医師も皮膚が裂けている猫を見て「副腎皮質機能亢進症かも」と疑うほど特徴的な症状です。

糖尿病を発症する

副腎皮質機能亢進症になると犬と同様に糖尿病を発症することがあります。
その発症率は犬と比べて非常に高く、80%以上の猫で発症すると言われています。
しかも、副腎皮質機能亢進症から発症した糖尿病はインスリン抵抗性といって治療が困難な糖尿病です。
糖尿病を発症し、治療をしていたけど、全く治療がうまくいかないことから「副腎皮質機能亢進症かも」と疑うこともあります。

 

猫の副腎皮質機能亢進症の治療

ここまで説明してきたように猫の副腎皮質機能亢進症の症状は特に重篤な症状が出ることがあります。
副腎皮質機能亢進症と診断できたら必ず治療を行いたいですよね。
ここでは猫の副腎皮質機能亢進症の治療について解説します。

猫の副腎皮質機能亢進症の治療には外科療法、放射線療法、内科治療があります。
適応であれば外科療法、放射線療法を行うことがありますが、一般的には内科治療が選択されることが多いです。
内科治療には副腎皮質の機能を抑える薬が使用されます。
副腎皮質の機能を抑えることによって、副腎皮質から過剰に分泌されたホルモンにより生じた症状を抑えることができます。
しかし、この薬には副作用があります。
副腎皮質から分泌されるホルモンは本来は体に必要なホルモンです。
薬によって副腎皮質から分泌されるホルモンを抑え過ぎてしまうと、体に不調が生じます。
薬による副作用は副腎皮質機能低下症(アジソン病)の症状であり、

  • 嘔吐
  • 食欲廃絶
  • 元気消失
  • 震え

などの症状が出ます。
場合によっては、命に関わるほど重篤な症状が出ることがあるため、動物病院で獣医師の指示をよく聞きながら治療を行いましょう。

 

まとめ

あくびをする野良猫

猫の副腎皮質機能亢進症は予防する方法はなく、一度発症した場合は生涯に渡って投薬治療が必要になるケースがほとんどです。
場合によっては命に関わることもあります。
いくつかの特徴的な症状が見られた場合はすぐに動物病院で診察を受けましょう。
当院では皮膚科に力を入れていて、猫の特徴的な皮膚の症状の経験も豊富です。
この記事を通して疑わしい症状などがあればいつでもご相談いただけると幸いです。

 

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