お知らせ news

猫の皮膚肥満細胞腫について解説|猫の皮膚のしこりは小さくても要注意!

2024.09.11

猫の皮膚肥満細胞腫について解説|猫の皮膚のしこりは小さくても要注意!

「猫の皮膚にしこりがあるけど、小さいから様子を見ている」
このような飼い主様はいるのではないでしょうか。
猫の皮膚にできものがある場合は小さくても要注意です。
もしかすると、それは肥満細胞腫という腫瘍かもしれません。
皮膚肥満細胞腫は高齢の猫でよく見られる病気です。

今回は猫の皮膚肥満細胞腫について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の皮膚肥満細胞腫について理解を深めましょう。

 📍 目次

 ▼ 猫の肥満細胞腫とは
 ▼ 皮膚肥満細胞腫の症状
 ▼ 猫の皮膚肥満細胞腫の診断
 ▼ 皮膚肥満細胞腫の治療
 ▼ 皮膚肥満細胞腫になったらどれくらい生きられるの?
 ▼ まとめ

 

猫の肥満細胞腫とは

寝そべっている猫

猫の肥満細胞腫は、肥満細胞ががん化することで発生する悪性腫瘍です。
「肥満細胞腫は肥満だとなりやすいの?」
このように思われる方もいると思いますが、肥満細胞は肥満とは関係ありません。
肥満細胞は免疫細胞の一種で、アレルギー反応などに関与していますね。
肥満細胞腫にはおもに以下の2つのタイプがあります。

皮膚型肥満細胞腫

猫の皮膚に発生し、虫刺されのような小さなできものとして現れることが多いです。
しこりは小さいことが多く、飼い主様は気づきにくかったり、気付いたとしても単なる虫刺されなどと放置されることもあります。
頭部や耳にできることが多いので、その付近にしこりを見つけたら注意しましょう。

内臓型肥満細胞腫

おもに脾臓や消化管に発生します。皮膚型肥満細胞腫と違い、肉眼で見つけることができないので発見が遅れやすいです。
内臓型肥満細胞腫は皮膚型肥満細胞腫と比べ、転移しやすく予後が悪いことが多いです。

 

皮膚肥満細胞腫の症状

猫の皮膚にできる肥満細胞腫の症状は他の皮膚の病気と似ています。
猫に以下のような症状が現れたら、肥満細胞腫を疑いましょう。

小さなしこり・できもの

肥満細胞腫は頭部や頸部に多いですが、皮膚のどの部位にも発生する可能性があります。
白っぽく平なできものであることが多いですね。
1つだけでなく、複数できている場合もあるので、しこりを見つけたら体をよくチェックしましょう。

かゆみや脱毛

肥満細胞腫ができてから時間が経つと、かゆみや脱毛などの症状が現れます。
他の皮膚の病気でもかゆみが出るので見分けることは難しいです。

炎症や腫れ

肥満細胞腫は内部にヒスタミンやヘパリンといった成分を含んでいます。
これらの成分が分泌されることで皮膚に炎症や腫れを引き起こします。

肥満細胞腫は皮膚だけでなく、全身へ転移することで食欲の低下などの全身状態の悪化を引き起こすこともあるので注意しましょう。
皮膚の症状を見つけたら、早めに動物病院で見てもらうことが大切ですね。

 

猫の皮膚肥満細胞腫の診断

猫を診察している獣医師

「猫の肥満細胞腫はどのように他の皮膚病と見分けるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
猫の皮膚にできる肥満細胞腫は見た目だけでは診断が難しいことが多いです。
確定診断には「細胞診」が必要になります。細胞診とは細い針をしこりに刺して細胞を採取する検査ですね。
細胞診で細胞が取れたら、それを顕微鏡で観察し、肥満細胞の有無を確認します。肥満細胞腫は多くの場合、細胞診のみで診断が可能です。
また、皮膚に肥満細胞腫ができた場合は内臓からの転移の可能性もあります。
皮膚の肥満細胞腫を見つけたら、レントゲン検査や超音波検査で脾臓や消化管などに異常がないか確認することも大切です。

 

皮膚肥満細胞腫の治療

猫の皮膚肥満細胞腫の治療はタイプや進行度によって以下のように行われます。

外科治療

皮膚にできた肥満細胞腫の場合は外科切除が基本的な治療法です。
腫瘍だけでなく、周囲の正常組織も含めてできるだけ広く切除します。
腫瘍を取り切ることができれば、完治が可能なことが多いです。
ただし、多発している場合や転移がある場合は腫瘍を取りきれないこともあります。

化学療法(抗がん剤治療)

腫瘍が手術で取りきれない場合は抗がん剤治療が行われることがあります。
しかし、猫の肥満細胞腫における抗がん剤の効果は十分に証明されていません。

分子標的薬

分子標的薬は、がん細胞に多く発現している特定のタンパク質や酵素を標的として作用する新しいタイプの抗がん剤です。
従来の抗がん剤と比べ、正常細胞へのダメージが少なく、副作用が軽度だと言われています。
猫の皮膚肥満細胞腫では切除不能な症例や術後の転移抑制を目的に使用されることがあります。

放射線療法

大学病院など設備の整った一部の施設で行われることがあります。
しかし、広範囲への照射は正常組織への障害が懸念されるため、適応は限定的です。
また、麻酔の必要性や高額な費用の問題もあります。

 

皮膚肥満細胞腫になったらどれくらい生きられるの?

飼い主に可愛がられる猫

猫の皮膚型肥満細胞腫は外科切除によって完治することが多いです。
ただし、以下のような場合は予後が悪くなる傾向があります。

  • 多発性の皮膚肥満細胞腫
  • 内臓への転移がある肥満細胞腫

猫の皮膚肥満細胞腫の予後は腫瘍の種類や進行度合いによって大きく異なります。
皮膚のしこりを見つけたら、早期診断・早期治療が重要ですね。

 

まとめ

猫の皮膚肥満細胞腫は放置すると全身へ転移を起こす可能性がある怖い病気です。
皮膚炎だと思っていたら肥満細胞腫だったということもあります。

肥満細胞腫は早期に治療を行うことで完治を目指せる腫瘍です。
当院では皮膚科の診察に積極的に取り組んでいます。猫に気になる症状があれば、気軽にご相談ください。

神奈川県藤沢市湘南台の動物病院

サーカス動物病院

⏰ 診察時間

📞 電話番号

  0466-52-7541

 

📱 WEB予約

💡 予約状況が確認でき、24時間いつでも受付可能なWEB予約がオススメです。