犬の耳が腫れ上がる耳血腫は耳に穴を開けると治る?|耳血腫の治療を解説
「愛犬の耳が腫れている2倍に腫れている…」
そんなことがあったら飼い主様はびっくりされますよね。
この症状は耳血腫という病気かもしれません。
耳血腫は治る病気ではありますが、治った後に耳の形が一生変わってしまうかもしれない恐ろしい病気です。
今回は犬の耳血腫がどんな病気なのか、耳血腫の最善の治療はなんなのか解説していきます。
この記事を通して、耳血腫を発症した愛犬の耳をきれいに治せるよう、正しい知識をつけていただけると幸いです。
📍 目次 ▼ 耳血腫とは? |
耳血腫とは?
耳血腫とは耳の中に血が溜まってしまう病気です。
耳の中と言っても耳の穴の中ではありません。
耳の皮膚と耳介軟骨という耳の中の軟骨の間に血が溜まってしまいます。
そのため、外から見た時に耳が腫れ上がって見えるという恐ろしい病気ですね。
耳血腫は耳介軟骨と皮膚の間にある血管が破れて血が溜まることで発症します。
血管が破れるのは物理的な刺激によるものが多いですね。
例えば
- 耳を何度もかく
- 床に耳を擦り付ける
- 頭を振る
- 強くぶつける
など耳に繰り返し刺激が与えられる状況で発症しやすくなります。
人間では、柔道やラグビーをやってて強い衝撃を繰り返し受けている人で耳血腫を発症することがありますね。
耳に繰り返し刺激が与えられる状況は、耳に何かしらの病気があることが多いです。
一番多いのは外耳炎でかゆくて耳をかき続けた結果、耳血腫を発症するというシチュエーションです。
外耳炎の発症には以下の原因が考えられます。
- アレルギー
- 細菌
- マラセチア
- ミミダニ
他にも外傷や中耳炎や内耳炎で耳血腫が発症することもあります。
中には耳の内視鏡検査や、CT検査などの全身麻酔をかけた検査を行わないと原因がわからないこともあります。
耳血腫は、耳血腫そのものを治療するだけではなく、耳血腫の原因となる病気をしっかり調べて治療することも重要ですね。
耳血腫の治療は耳に穴を開けること?
耳血腫の治療には様々なものがあります。
中には一言で言うと「耳に穴を開ける」という一見すると怖い治療法も存在します。
ここでは耳血腫をどのように治療したら良いのかについて解説していきます。
原因疾患の治療
原因疾患の治療は最も大事なことですね。
いかに耳血腫の治療がうまくいっても再発してしまっては元も子もありません。
再発を防ぐためには耳血腫の原因となっている病気を予防することが重要です。
原因疾患を探すということを忘れてはいけませんね。
内科治療
耳血腫が軽度な場合は耳に溜まった液体を抜いて、抗菌薬やステロイドなどの薬で治療する方法があります。
ほとんどの場合は、一回液体を抜いてもすぐに溜まってくるので、溜まらなくなるまで何度も液体を抜きます。
しばらくすると液体は溜まらなくなるため、その段階で治療終了となります。
内科治療は「液体が貯留しなくなる」という意味では治ると言えるでしょう。
しかし、治った時にはカリフラワーのようにボコボコとした形の耳になってしまいます。
柔道やラグビーをされていて耳血腫を発症した方で、耳が餃子耳やカリフラワー耳と表現されるのと同じですね。
耳がカリフラワーのような形になると、見た目の問題だけではなく、皺に汚れが溜まりやすくなったり、炎症が引き起こされやすくなります。
外科治療
治癒後の再発リスクや耳の形の変化を防ぐためには外科治療を行うことが有効です。
外科治療にも様々なものがありますが、
- 耳に穴を開け、常に液体が外に排出されるような状況を作ること
- 耳の内側と外側を縫い合わせて液体が溜まるスペースを減らすこと
は共通しています。
耳に穴を開ける方法は、耳に切れ込みを入れる方法や、皮膚をくり抜く手術器具で耳に数ヶ所丸く穴を開ける方法などがあります。
どちらを行うか手術を行う施設によって異なります。
手術を行うには全身麻酔のリスクはありますが、再発リスクの少なさや耳の形の変化を防げるという観点から一考してみても良いでしょう。
まとめ
耳血腫は一見すると前兆なく発症するものに見えます。
しかし、耳血腫には原因となる病気が存在し、その原因となる病気の治療を行っていれば耳血腫の発症を予防できる可能性があります。
普段から愛犬の様子を観察し、耳血腫を引き起こしそうな症状がないか見ておくと良いでしょう。
当院では皮膚科治療に力を入れていて、耳血腫の手術にも対応しています。
もし愛犬が耳血腫を発症してしまった場合は当院までご相談ください。
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