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犬の耳の汚れを放置すると手術になる可能性も?|犬の外耳炎の手術について解説

2024.10.02

犬の耳の汚れを放置すると手術になる可能性も?│犬の外耳炎の手術について解説

 

「犬の耳を定期的にチェックしていますか?」
耳の汚れは耳の炎症や感染が原因であることもあり、適切な治療が必要です。
耳の炎症が長引いてしまうと外科的な手術が必要になってしまうこともあります。

今回の記事では外耳炎の基礎的な知識に加えて外科手術について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき犬の耳の健康にお役立てください。

 📍 目次

 ▼ 犬の外耳炎とは
 ▼ 外耳炎の診断
 ▼ 外耳炎の内科的治療
 ▼ 手術が必要になる外耳炎とは?
 ▼ 外耳炎の外科的治療?
 ▼ 家での耳のケアの方法
 ▼ まとめ

 

犬の外耳炎とは

耳を開かれているバセットハウンド

外耳炎とは耳の鼓膜より外側の通り道での炎症です。

  • 耳をよくかゆがる
  • 頭を振る
  • 耳が臭う
  • 耳垢が増加する
  • 耳垢の色が黒っぽくなる
  • 耳が赤く腫れる

といった症状が特徴です。

原因は

  • ブドウ球菌やマラセチアの感染
  • 耳ダニ
  • 異物の侵入
  • 食物アレルギー
  • アトピー性皮膚炎

など多岐にわたります。
垂れ耳で湿気がこもりやすいなど耳の形状が原因で外耳炎になることもあります。
外耳炎の原因がいくつか混在していることもあり、注意が必要です。

 

外耳炎の診断

症状や身体検査から外耳炎が疑わしい場合は以下の検査に進みます。

耳垢検査

耳垢をみることで何が感染しているのかを検査します。
外耳炎でもっとも一般的な検査です。
耳垢検査では

  • ブドウ球菌
  • マラセチア
  • 耳ダニ

などを検出します。

耳鏡検査

耳鏡という耳の中を覗く器具を用いて耳道内を観察する検査です。
耳道内の汚れや発赤に加えて鼓膜も確認します。

オトスコープ

オトスコープは耳の内視鏡です。
治療のうまくいかない症例では耳の中に何か原因がないかを観察します。
耳鏡よりも鮮明に耳道内の観察が可能です。

 

外耳炎の内科的治療

ペロリと口元を舐めるシュナウザー

外耳炎の最初の治療は洗浄と点耳薬です。
耳は非常にデリケートな部位であるため、犬に合わせて可能な範囲で治療を行います。

外耳道の洗浄

外耳炎の犬では耳垢によって耳が汚れていることが多いです。
耳垢には細菌や汚れが無数に存在しているため、きれいに洗浄することが重要です。
専用の洗浄液を用いて耳をもみ洗いし、表面を優しく拭います。
耳掃除にはいくつか注意点があるため、お家で耳掃除をしたい方は一度当院までご相談ください。

飲み薬や点耳薬

耳がきれいになったら液体タイプの点耳薬を耳に塗布します。
毎日お家で差すタイプと一定期間持続するタイプがあるため、犬の性格に合わせて点耳薬の種類を獣医師と相談してみてください。
点耳薬では不十分な時は飲み薬の治療も追加することがあります。

 

手術が必要になる外耳炎とは?

外耳炎は基本的には点耳薬や飲み薬を使った内科治療を行います。
内科的な治療ではコントロール出来ない場合は外科手術が必要です。
手術が必要になる理由には以下のものが挙げられます。

外耳炎が進行し構造的な問題が生じる場合

慢性的に耳での炎症が続くと外耳道が硬くなり石灰化してしまったり、閉塞してしまったりするなど耳道内の環境が悪化してしまいます。
不可逆的に耳道内が狭くなると点耳薬が届かなくなってしまい内科治療が困難になります。

外耳道内に腫瘤がある場合

外耳炎が治らない犬で耳道を観察してみると腫瘤が耳道を塞いでいることがあります。
その場合、腫瘤を切除して耳道を開かないと根本的な解決にはなりません。
腫瘤の切除に加えて、耳道も同時に切除することもあります。

 

外耳炎の外科的治療

耳が片耳垂れている茶色のボーダーコリー
犬の外耳道は外側から垂直耳道と水平耳道に分けられます。
水平耳道の奥が鼓膜であり、鼓膜の内側が中耳です。

犬の耳の構造の模式図

耳道の閉塞や肥厚がどの部位で起こっているかによって以下の3つの術式が選択されます。

外側耳道切除

外側耳道切除とは耳道の外側の壁のみを切除する手術です。
垂直耳道の一部を切除します。
外側に病変が限局している場合に行い、耳道内の通気性を改善します。

垂直耳道切除

垂直耳道を全て切除する手術です。
水平耳道が直接外側に開口します。
外側耳道切除では対応しきれない場合は垂直耳道切除を選択します。

全耳道切除

鼓膜より外側の耳道を全て切除する手術です。
水平耳道に病変がある場合に行います。
比較的侵襲性が高く、近くを通る神経を傷つけてしまうことによる神経の麻痺に注意が必要です。

 

家での耳のケアの方法

家で耳掃除をやり過ぎてしまうと耳道を傷つける原因になり、逆に外耳炎のリスクを上げてしまいます。
基本的に月に1回、汚れが付いている場合のみ軽く拭き取る程度で問題ありません。
耳垢が異常に増えてしまい汚れを落としきれない場合は早めに動物病院を受診しましょう。

 

まとめ

外耳炎は早期に治療し、内科的にコントロールすることが望ましいです。

垂れ耳の犬では特にこまめに耳をチェックしましょう。

耳の汚れだけだと思っていて放置していると、外科手術が必要な段階まで進行してしまうかもしれません。

耳の病変について心当たりのある方は症状の軽いうちに当院までお越しください。

 

神奈川県藤沢市湘南台の動物病院

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