犬の皮膚組織球腫とは|皮膚にできている赤いできものの正体は?
犬の皮膚にできる腫瘍として、皮膚組織球腫というものがあります。
犬を飼われているご家族の中には
「皮膚組織球腫ってどんな病気?」
「皮膚組織球腫って治るの?」
「腫瘍ってことは命に関わる?」
という疑問や心配事を持たれている方もいらっしゃるかと思います。
今回は犬の皮膚組織球腫について詳しくご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、皮膚組織球腫について理解を深めてください。
📍 目次 ▼ 皮膚組織球腫とは |
皮膚組織球腫とは
皮膚組織球腫とは、犬の皮膚組織にできる腫瘍の一種です。
猫などの動物には存在しない少し変わった腫瘍で、ほとんどの場合良性です。
一般的な腫瘍とは違い、3歳前後の若い犬で多くみられます。
皮膚の表面にできることが多いため、ご家族が気づいて来院されることが多いです。
好発犬種として
- ボクサー
- ミニチュアダックスフンド
- シェットランドシープドッグ
- ブルテリア
などが挙げられます。
純血種に多いと言われていますが、雑種に発生しないわけではありません。
皮膚組織球腫の症状
皮膚組織球腫は
- 赤いドーム型
- 表面に毛がない
- 滑らか
という特徴があります。
上記のような特徴のできものが、
- 頭部(顔面)
- 指
- 耳
- 胸
などの皮膚の表面にできることが多いです。
ほとんどは単独で発生して、急速に大きくなり、2cm程度の大きさに成長します。
皮膚組織球腫は、急速に大きくなるため悪性腫瘍と勘違いされやすいです。
しかし、悪性腫瘍の特徴とされる転移を起こすことはなく、良性の腫瘍に分類されます。
時にできものの表面部分に出血が見られることがありますが、痒みや痛みは伴いません。
皮膚組織球腫は大抵の場合、2ヶ月程度で自然と小さくなっていきます。
皮膚組織球腫の検査
皮膚組織球腫は
- 若齢での発生
- 独特な形状
- 身体検査
でも予想することもできます。
ただ、犬の皮膚にできる腫瘍はいくつかあります。
犬の皮膚にできる腫瘍には悪性のものも多いため、検査をして鑑別することが重要です。
検査では、針を使って腫瘍の細胞を採取して顕微鏡で観察する細胞診を行います。
判別が難しい場合は、腫瘍部分を切除する病理組織検査が必要な場合もあります。
皮膚組織球腫の治療
皮膚組織球腫は良性腫瘍で自然と小さくなっていくことが多いため、基本的には投薬や外科治療は行いません。
ほとんどは3ヶ月以内に小さくなっていきます。
あまりにも大きくなっていたり、犬が気にして出血してしまったりする場合は手術で外科的に切除します。
3ヶ月様子を見ていても腫瘍が小さくならない場合も、外科的に切除します。
自然と小さくなった場合も外科的に切除した場合も、再発することは稀で予後は良好です。
皮膚組織球腫の予防
皮膚組織球腫は発生の原因が解明されていないため、これといった予防方法が存在しません。
そのため普段から定期的な健康診断と皮膚のチェックを行うことが重要となります。
犬の顔や体を注意深く触ったり観察したりすることで、できものが出来ていないか確認しましょう。
まとめ
皮膚組織球腫は犬にできる皮膚の良性腫瘍です。
命に関わることはほとんどありませんが、他の腫瘍と区別がつかないこともあります。
ご家庭で犬の顔や体にできものを発見した場合は、できる限り早く病院に行って検査をしてもらいましょう。
皮膚組織球腫と診断された後も経過をよく観察し、できものが増えたりどんどん大きくなったりする場合はすぐ病院に相談してください。
当院は皮膚科診療に力を入れています。
小さくてもできものがある場合や、気になることがある場合はぜひ当院にご相談ください。
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