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猫に寄生するニキビダニとは?|治らない皮膚病はダニが原因かも

2024.10.30

「ニキビダニ」というダニをご存知でしょうか?
犬や猫に皮膚病を引き起こすダニの一種です。
「うちの猫は外に出ないから大丈夫!」
実はそうとも言いきれません。
人間が家を出入りしているとニキビダニに感染するリスクはゼロではありません。

今回は猫のニキビダニ症について解説していきます。
猫の皮膚病について心当たりのある方はぜひ最後までお読みいただき、参考にしてみてください。

 📍 目次

 ▼ 猫のニキビダニ症とは?
 ▼ ニキビダニ症はうつるの?
 ▼ 猫のニキビダニ症の原因
 ▼ ニキビダニ症を悪化させる要因
 ▼ 猫のニキビダニ症の症状
 ▼ 猫のニキビダニ症の診断
 ▼ 猫のニキビダニ症の治療
 ▼ まとめ

 

猫のニキビダニ症とは?

猫のニキビダニ症は毛包虫症とも呼ばれ、名前の通り被毛の根の部分に感染します。
猫では非常にまれな病気です。
ニキビダニの感染によってかゆみや脱毛などの皮膚トラブルが起こります。

 

ニキビダニ症はうつるの?

「ニキビダニ症は同居の猫にもうつるの?」
このように不安に思う方もいるのではないでしょうか。
基本的に十分な免疫力がある健康な猫にはうつりません。
また、基本的に猫のニキビダニは人や犬に対してうつりません。
不衛生な環境はニキビダニの増殖を促すため、環境を清潔に保つことで感染の拡大を防ぎましょう。

 

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猫のニキビダニ症の原因

ニキビダニ症の原因は健康な猫の体にも存在する「ネコニキビダニ」が原因です。
ニキビダニはダニの一種であり、体長0.2〜0.3mm程度です。
とても小さいダニであるため肉眼では見つけられません。
ニキビダニは毛穴から分泌される皮脂を餌に成長し、繁殖します。

 

ニキビダニ症を悪化させる要因

健康な猫でも体表にニキビダニはいるのになぜ発症しないのでしょうか?
その差は免疫力です。
免疫力が低下する要因があることでニキビダニ症の引き金になります。

ウイルス感染

FIVと呼ばれる猫エイズやFeLVと呼ばれる猫白血病の感染は猫の免疫力を低下させてしまいます。
猫エイズや猫白血病は猫同士の接触で感染が広がるウイルス性の病気です。
外へ出る猫ではウイルス感染の機会があるため要注意です。

内分泌疾患

甲状腺の病気や糖尿病などの内分泌疾患でも免疫力の低下が起こります。
病状が悪化し、コントロールがうまくいかないとより感染性疾患の発症の危険が高まります。
定期的に検査を行い、しっかりと治療を行いましょう。

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。
免疫がうまく働かないため外部寄生虫の感染に弱くなってしまいます。
自己免疫疾患に罹患した猫ではニキビダニだけでなくさまざまな疾患の危険性が高まります。

 

猫のニキビダニ症の症状

ニキビダニに感染するとどのような症状が出るのでしょうか。
ニキビダニ症では

  • 足の先
  • 頭部
  • 耳介

に左右非対称に発赤や脱毛が起こることが多いです。

脱毛

病変部位に部分的な脱毛が起こります。
猫の脱毛は被毛が生えにくくなることもあるため注意が必要です。

皮膚炎

毛根周囲に発赤や発疹などの炎症が起こり、強いかゆみを伴います。
かゆみにより病変部位を引っかくことでさらに皮膚炎が周囲に広がります。
ニキビダニ症に続いて細菌感染が生じることもあるため、早めに対処することが重要です。

 

猫のニキビダニ症の診断

猫でかゆみや脱毛を引き起こす疾患はたくさんあります。
ニキビダニ症の診断は病変部位からニキビダニを検出することで行います。

皮膚の検査

ニキビダニは皮膚の毛穴に寄生するため皮膚の深い部分の検査が必要です。
そこで行う検査が皮膚掻把検査です。
「鋭匙」という特殊な器具を用いて皮膚の深い部分まで検体を採取し、検査を行います。
皮膚から出血するまで深く皮膚を擦るため、やや侵襲性が高いです。
出血がある検査にはやや抵抗感があるかもしれませんが、確実にニキビダニを検出するためにはもっとも有効な方法です。
採取した検体は顕微鏡で観察し、ニキビダニの虫体を検出します。

被毛の検査

皮膚掻把検査よりも検出率は落ちますが、出血を伴わず侵襲性の低い検査です。
皮膚掻把検査が難しい部位や病変の痛みが強い部位で適用になります。
被毛検査では複数箇所で多くの検体を採取することが重要です。
被毛に感染する「皮膚糸状菌」というカビの1種についても合わせて検査を行い、感染がないかを確認します。

 

猫のニキビダニ症の治療

猫のニキビダニ症は非常に珍しいため、治療に関する報告は少ないです。
基本的には原因を取り除き、免疫力を上げる治療を行います。

駆虫薬の投与

ニキビダニに対する駆虫薬を投与します。
一般的なノミダニの駆虫薬はニキビダニには効果がないことが多いので注意が必要です。
塗り薬や注射薬があり、猫の状態に合わせて使い分けます。

シャンプーや薬浴

皮膚の状態を健康に清潔に保つことでニキビダニに負けない皮膚環境を作ることができます。
水が苦手な猫も多いため、いきなり水に濡らすのではなく少しずつ慣れさせていきましょう。
猫のトリミングサロンに相談してみるのも1つの方法です。

基礎疾患の治療

免疫を低下させる病気を持っている猫では基礎疾患の治療も並行して行います。
ニキビダニ症の再発を防ぐためにも免疫力を高めておくことは重要です。

 

まとめ

「もしニキビダニ症になってしまったら」
と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
ニキビダニ症は適切に治療すれば経過は良好であることが多いです。
日々の生活の中でこまめに皮膚をチェックし、早期発見、早期治療を心がけましょう。
皮膚トラブルについてお困りの方はぜひ当院までご相談ください。

 

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