皆さんの愛猫はお口のトラブルを抱えていませんか?
- 口が臭う
- 歯が汚い
- 口や歯を触ると痛がる
- 食べ方がおかしい
- 乳歯が残っている
- 歯が折れた
愛猫にこんな症状がある方は注意が必要です。
我々は知らず知らずのうちに病気が進行してしまった動物たちを数多く見てきました。
「もっと早く診察に来たら良かった…」
とご家族は必ず悔やまれます。
残念ながら、お口のトラブルはそのままにしておいても、改善することはありません。
多くの場合、これらのトラブルの原因を取り除くためには歯科治療が必要となります。
これらの症状に気づいた時は、できるだけ早いタイミングで歯科診察にいらしてください。
お口の健康を損なう可能性をグッと低くすることができます。
歯石予防するにあった大事なこととは?
歯石は歯に付着した歯垢が石灰化して固まったものです。
一度歯垢が歯石になってしまうと、全身麻酔をかけた上での歯石除去以外で歯石を取ることができなくなります。
そのため歯石を予防するためには、できるだけ歯石になる前に歯垢を除去することが大切です。
歯石になる前に歯垢を除去するために最も有効なのは歯磨きです。
人間の口の中で歯垢は、約20日かけて歯石に変化します。
対して猫の口の中で歯垢は、たったの2〜5日で歯石に変化します。
適切な方法と頻度で歯磨きを行わないと、すぐに歯石が付着してしまうということですね。
当院では歯科診療の経験が豊富な獣医師による歯磨き指導を行なっています。
当院の特徴
歯科を専門とした獣医師による歯科治療
当院では口腔外科や歯科処置の経験豊富な獣医師による診察や手術を提供しています。
歯のことでお困りの動物や飼い主様の疑問に的確にお答えすることが可能です。
高度な処置にも対応できる専門機器の充実
当院では歯科用レントゲン装置を含む高度な歯科用の専門機器を導入しています。
他院で治療困難と言われた病状にも対応可能です。
安全性の高い麻酔処置
歯科の処置は麻酔が必要になるケースが多いため、麻酔の安全性が重要となります。
当院では細やかな麻酔モニタリングにより麻酔中の体の変化に迅速に対応できるよう体制を整えています。
また、技術顧問として獣医麻酔専門医との連携があるほか、麻酔認定医も在籍しているため、麻酔のリスクの高い症例に対しても対応が可能です。実際にシニアと言われる年齢の子の処置は日常的に実施しており、麻酔事故も開業から現在まで生じておりません。
安心感、透明性のある歯科治療
一般的な歯科処置は入院下で行うことが多く、飼い主様は立ち会うことができず、不安に感じられるでしょう。
当院では専用のガラス張りの歯科処置室があり、飼い主様も処置の様子を安心してご覧になることが可能です。
また歯科処置後のアフターケアとして、2回までの歯のチェックとデンタルケア指導を無料で行なっています。
代表的な歯科の疾患例
猫の歯肉口内炎
猫の歯肉口内炎の原因は明確にはわかっていません。
以下の要因が絡み合って発症すると考えられています。
- ウィルス感染(猫カリシウィルス、猫白血病ウィルス、猫免疫不全ウィルス)
- 歯周病
- 慢性腎臓病
- 免疫の異常
猫の歯肉口内炎が悪化すると口の痛みから食事を取れなくなることがあります。
歯肉口内炎は症状に応じて治療を選択しています。
軽度な症状であれば内科治療や全身麻酔下での口腔内を清浄化します。
重度な症状であれば全臼歯抜歯や全顎抜歯という複数の歯を抜くという治療を検討します。
猫の歯周病
猫は高齢になるほど歯周病にかかりやすくなります。
歯周病は食べ物の残りかすなどからできる歯垢が原因で発症します。
歯垢に細菌が繁殖して炎症が起こることでなる病気です。
歯周病になると
- 歯茎が赤くはれる
- 口臭が出る
- よだれが多くなる
などの症状が出ます。
さらに歯周病が進行すると
- 歯がぐらぐらする
- 歯が抜け落ちる
- 食欲がなくなる
といったように口の中の環境が悪化して、痛みを伴い非常に強いストレスになってしまいます。
猫の歯周病の治療法は、全身麻酔をかけて歯石や歯垢を取り除き、ぐらついている歯は抜歯するなどの処置で口腔内を洗浄することです。
抗生剤や鎮痛薬などの内服薬を使用して痛みや炎症を和らげることもあります。
歯周病は歯磨きをすることで防ぐことができる病気です。
歯周病を予防するためには日ごろから猫のお口のチェックと合わせて、歯磨きをする習慣を身につけましょう。
歯周病は症状が軽ければ軽いほど治療も早く済みます。
気になる症状がある場合は早めに当院へご相談ください。
口腔内腫瘍
猫の口の中に腫瘍ができることがあります。
口の中に腫瘍ができると
- 口臭がする
- よだれが多くなる
- 口から出血がある
- 口の中にできものが見えている
- 食欲の低下
- 体重の減少
などの症状がでてきます。
猫の口腔内腫瘍で多いのは扁平上皮癌と繊維肉腫という腫瘍です。
扁平上皮癌と繊維肉腫は他の臓器へ腫瘍細胞が移ってしまう転移を起こす悪性腫瘍であることが多いです。
治療をせずに放置すると命に関わることがあります。早期発見早期治療が重要になりますね。
猫の口腔内腫瘍の治療は全身麻酔をかけて外科手術で腫瘍を取り切るのが第一選択です。
手術で取り除くのが難しい場合や、転移がある場合には放射線治療によって腫瘍細胞を破壊する治療を行います。
腫瘍の種類によっては抗がん剤治療による化学療法を行うこともあります。
腫瘍の種類の診断やどの治療を行うかについては獣医師としっかり相談しましょう。
日ごろから猫の口の中をチェックしたり、変わった様子がないかを観察したりするのが重要ですね。
猫の乳歯遺残
猫の乳歯は、生後6か月前後で永久歯に生え変わります。
永久歯は乳歯が抜け落ちてから生えてくるのが通常です。
猫の乳歯遺残は、抜け落ちるはずの乳歯がそのまま残り永久歯が生えてきてしまうことを言います。
猫の乳歯遺残が起こると
- かみ合わせが悪くなる
- 歯並びが悪くなることで口腔内を傷つけてしまう
- 歯垢がつきやすくなり歯周病になりやすくなる
といったデメリットが出てきます。
猫の乳歯遺残は全身麻酔をかけて残っている乳歯を抜歯することで治療します。
乳歯遺残を放置すると他の口のトラブルが出てきてしまい治療に時間がかかってしまうので、早期発見早期治療を心がけましょう。
乳歯かどうかわからない場合や、乳歯が残っているかもしれないと思った場合はぜひ当院へご来院ください。
歯科診療の施術の流れ
1.問診票の記入
当院を初めて受診される愛犬・愛猫のカルテを作成致します。
同居動物が既に受診されている場合でもお手数ですが、問診票の記入をお願いします。
初めて当院にご来院される患者様は問診票を印刷・記入してご用意頂けると待ち時間が短縮し、病院が苦手なわんちゃん・ねこちゃんの病院滞在時間を短くすることができます。
※印刷が困難な場合、当院でも問診票をご用意しております。
2.問診、診察
まず口の中などのチェックを行い、その子の生活環境や食事内容、歯磨きの様子や今までのデンタルケア歴などをお聞きします。その後、口の中を中心に診察します。歯石やぐらつきなどの歯の状態や、歯肉炎などの歯茎の状態、口臭などを確認します。
3.検査
歯や周りの組織の状態の把握のためにレントゲンの検査を行います。それにより肉眼では見えない歯根や歯の周りの歯槽骨の状態を評価します。その結果全身麻酔や鎮静下での処置が必要と判断された場合、術前検査として血液検査などを行い、麻酔をかけられる状態かどうかの確認を行います。
4.処置
全身麻酔や鎮静下での処置は原則予約制になります。手術当日は食事を抜いた状態で来院して頂き、専用の歯科処置室にて処置を行います。なおこちらの処置室はガラス越しに処置の様子をご覧になっていただくことが可能です。麻酔をかけて初めて把握できる歯の状態もあるため、飼い主様と相談しながら治療方針を決定する事が可能となります。(特に歯を抜くかどうかの相談が多いです。)
5.お返し
侵襲(負担)の大きい処置の場合麻酔からの目覚めが悪い場合は入院の可能性もございますが、歯科処置は基本的に日帰りとなります。お返しの際には実際の処置の様子を写真を交えてご説明させて頂き、今後のホームケアや病院でのアフターケアについてご説明させて頂きます。
6.病院での処置後
歯科処置が終わったら治療が終了ではありません。むしろここからが本番といっても過言ではありません。当院では、歯科処置を行った方を対象にスタンプカード(右写真)をお渡ししています。 3回まで無料で歯のチェックとデンタルケア指導を行っており、飼い主様と協力してワンちゃん猫ちゃんの口内環境の維持に努めていきます。
歯科処置が終わったら治療が終了ではありません。むしろここからが本番といっても過言ではありません。当院では、歯科処置を行った方を対象にスタンプカード(右写真)をお渡ししています。 3回まで無料で歯のチェックとデンタルケア指導を行っており、飼い主様と協力してワンちゃん猫ちゃんの口内環境の維持に努めていきます。