フィラリア症をご存知の方は多いと思いますが、実は猫に感染するということは知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
フィラリア症はフィラリアの幼虫をもっている蚊が吸血する時に感染し、
ワンちゃんの場合は心臓に寄生して(主に肺動脈)、咳がでたり、散歩を嫌がるようになったり、右心不全により腹水が溜まったりして、そのままにしておくと命に関わることがあります。
猫ちゃんの場合は、同じように蚊に刺されて感染すると、主に肺動脈から先の肺の方に寄生するため、心臓病の症状よりは、呼吸器症状が出ることが多いです。具体的には、咳や呼吸困難などがありますが、それ以外の症状には食欲不振、元気消失、嘔吐など、見た目にはわかりにくい症状が多いです。また、突然死の原因にもなり得ます(突然死の1割はフィラリア症と言われています)。
しかし、感染しているかどうかの診断は難しく、生前に診断がつくことはほぼありません。
一方で、予防薬は犬同様効果がしっかりあるため、月に1回予防すれば確実に防げます。
ゾエティス社院内掲示ポスターを引用
神奈川県内では横浜市と相模原市で感染報告があります。
サーカス動物病院はちょうど挟まれた位置にあり、現時点では報告はありませんが、感染の可能性は十分にあります。生前診断が難しい事を考えると、原因不明で亡くなってしまった子の中には、フィラリア症が原因だった子もいるかもしれません。
2010年の報告では室内外問わず、10匹に1匹の猫ちゃんがフィラリア幼虫に感染していたという報告があります。
また、感染している個体の4割は室内飼育というデータや、マンション10階でも感染したという報告もあります。
決して、家の中にいるから大丈夫、高層階に住んでるから大丈夫とは言えないと分かりますね。
フィラリア症から守るためにも5月から12月までしっかりと予防することをおすすめいたします。
まとめ
猫のフィラリア症は、犬より重篤な症状があるにもかかわらず、症状が他の病気と類似していたり、診断も難しいため、見逃されがちな病気です。しかし、犬と同じように、月に1回予防薬を投与(猫ちゃんの場合は首に垂らすお薬です)すれば、確実に防げる病気です。
しっかりに予防して、愛猫ちゃんの健康を守りましょう。
神奈川県藤沢市湘南台の動物病院
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