
「最近、猫の目が赤い気がする」
「目やにが多くて、何度拭いても出てくる」
「まぶたの裏が赤く腫れていて心配」
このような症状が猫に見られたとき、考えられる病気のひとつが結膜炎です。
結膜炎は猫でよく見られる目の病気であり、放っておくと他の目の病気を引き起こすこともあるため注意が必要です。
今回は、猫の結膜炎について原因や症状、治療法、そして放置した場合のリスクまで詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の目に異変があったときの参考にしてください。
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📍 目次 ▼ 結膜炎とは? |
結膜炎とは?
結膜炎とは、まぶたの裏側や白目の表面を覆う「結膜」が炎症を起こす状態を指します。
炎症によって赤みや腫れ、目やに、涙の増加などが見られます。
猫はもともと涙の量が少ないため、結膜に異常が起きるとすぐに乾燥や目やにといった症状が目立つようになります。
また、結膜炎は片目だけでなく両目に同時に起こることもあります。
結膜炎の主な症状
猫に結膜炎が起こると、次のような症状が現れることがあります。
- 白目やまぶたの裏が赤くなる
- 涙が増える
- 目やにが多くなる
- 目が開けづらそうになる
- 前足で目をこすろうとする
- しょぼしょぼと目を細める
結膜炎の症状は、片目に出ることもあれば、両目に出ることもあります。
炎症の程度や原因によって軽症〜重症までさまざまです。
猫の結膜炎の原因とは?
猫の結膜炎にはいくつかの原因があり、代表的なものは以下の通りです。
ウイルス感染(猫ヘルペスウイルス・カリシウイルス)
猫の結膜炎で、もっとも多い原因の一つがウイルス感染です。
原因となるウイルスには猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスなどがあります。
とくに猫ヘルペスウイルスによる感染症は、子猫や多頭飼育環境で広がりやすいのが特徴です。
ウイルスによる感染を起こすと、くしゃみや鼻水といった風邪症状と同時に結膜炎を引き起こします。
これらのウイルスは飛沫などで簡単にうつるため、同居猫や保護猫の集団などで一斉に発症するケースもあり注意が必要です。
細菌感染
結膜が傷ついた部位に細菌が感染して結膜炎を起こすこともあります。
中でも猫クラミジアは結膜炎を起こしやすい細菌です。
特に子猫などで免疫が落ちていると、細菌が二次感染しやすくなるため、注意が必要です。
異物の混入や外傷
ホコリや猫砂などの異物が目に入ったり、ほかの猫とのじゃれ合いやケンカで目に傷がつくと、結膜に炎症が起きやすくなります。
また、鼻の低い猫は日常生活で、ものが目に当たりやすくなるため注意しましょう。
アレルギー反応
猫はハウスダストや花粉の成分などに過敏に反応して、アレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギー反応によって結膜に炎症を起こすケースも。

放置するとどうなる?結膜炎のリスク
猫の結膜炎を「少し赤いだけだから」と軽く見て放置してしまうと、次のようなトラブルが起きる可能性があります。
- 慢性結膜炎に移行し、治療に時間がかかる
- 角膜炎や角膜潰瘍など、視力に関わる病気に進行する
- 猫ヘルペスウイルスなどが潜伏し、再発を繰り返す
- 目の周囲の皮膚炎や涙やけがひどくなる
- 他の猫に感染を広げる
とくにウイルス性結膜炎は、再発のリスクが高く、ストレスや体調の変化をきっかけに何度も目のトラブルを引き起こします。
一度悪化すると、視力の低下や慢性的な痛みを伴うこともあるため、早めの対応が大切です。
また、ウイルスや細菌感染の結膜炎はほかの猫にうつるおそれもあるため、早めに動物病院を受診しましょう。
また、慢性的な結膜炎を繰り返すと、結膜が分厚くなったり色素沈着を起こすこともあります。ウイルス性結膜炎は、目だけでなく鼻や喉にも炎症を広げることがあり、くしゃみや鼻づまりなどの呼吸器症状を併発するケースも見られます。こうした場合には、結膜炎単独ではなく「猫ウイルス性鼻気管炎」として包括的に治療する必要があります。
結膜炎の治療法
猫の結膜炎では、原因に応じて以下のような治療が行われます。
目の洗浄
猫が結膜炎になっている場合には、目の洗浄を行います。
目に異物などが入っている場合には、洗浄で取り除くことも可能です。
点眼薬・点眼軟膏
細菌性の場合は抗菌薬、ウイルス性の場合は抗ウイルス薬やインターフェロンの点眼などが使われます。
また、痛みや炎症が強いときには、炎症を抑えるためにステロイド点眼薬も併用します。
内服薬
ウイルスや細菌による重度の感染や、全身症状がある場合には、抗ウイルス薬や抗生物質の内服薬での治療を併用することもあります。症状によって必要な内服薬が違うので、必ず獣医師の判断のもと投薬していきましょう。
環境の改善
ご自宅や飼育方法の環境の改善も治療の一つです。結膜炎の原因となるアレルギー物質などがある場合は、取り除くことで結膜炎の改善にもつながります。
自宅でのケアと注意点
治療中や予防のためには、次のような自宅でのケアも大切です。
- 目の周囲を清潔なガーゼなどで優しく拭く
- アレルギーがある場合はアレルゲンの除去
- 他の猫と接触させる際には感染防止に配慮する
- 目薬の使い方や回数は獣医師の指示に従う
- ワクチン接種を行う
目やにをこまめに拭き取ったり、ホコリや刺激物の少ない環境を整えることで、結膜炎の予防にもつながります。猫の生活空間は常に清潔に保ち、ホコリのたまりやすいカーテンやカーペットなども定期的に掃除を行いましょう。空気清浄機の使用や、アレルゲンになりやすい芳香剤・タバコの煙などを避けることも、アレルギー性結膜炎の予防に役立ちます。
猫を外で飼っていると、感染症や結膜炎のリスクが高くなります。
猫は室内で飼うようにして、外にいる猫との接触は控えましょう。
また、猫が結膜炎になっていると自己判断して、市販の目薬や人用の目薬を使用すると、症状が悪化することもあります。
逆に症状が治ったと思って自己判断で治療を辞めてしまうのも、再発や悪化の原因になります。
必ず動物病院で診察を受けたうえで、適切な治療を行いましょう。

まとめ
猫の結膜炎はよくある目のトラブルですが、原因によっては長引いたり、視力に影響する病気に発展することもあります。
とくにウイルスや細菌による感染が背景にある場合には、放置せず早期の治療が重要です。
早期に治療を始めることで、猫の目の状態は良好に保ちやすくなります。普段から目の様子をチェックし、少しでも「おかしいな」と感じたときには、無理に我慢させず動物病院へご相談ください。
当院では猫の目の病気についても丁寧に診察し、再発防止のアドバイスも行っております。
目に関するお悩みがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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