犬の目が小さく見える気がしたことはありませんか?
特に、片目だけが明らかに小さい・萎んで見えるという場合には、「小眼球症(しょうがんきゅうしょう)」という目の発育異常が関係している可能性があります。
今回は、犬の小眼球症について、原因や症状、治療の有無、家庭で気をつけたいことまでわかりやすく解説いたします。
ぜひ最後までお読みいただき、「目に異常があるかも」と思ったときの参考にしてください。
📍 目次 ▼ 犬の小眼球症とは? |
犬の小眼球症とは?
小眼球症とは、眼球の大きさが通常よりも小さい状態のことを指します。
片目だけ小さい「片側性」のケースが多いですが、まれに両目に生じることもあります。
ほとんどの場合は先天的(生まれつき)で、発育途中の異常によって眼球の成長が止まったと考えられています。
見た目としては、以下のような特徴が見られることがあります。
- 片方の目が明らかに小さい
- 目が開きづらそうに見える
- 目の奥に引っ込んでいるように見える
- 白目やまぶたの位置が左右で違う
- 片目だけ視線が合わない・反応がない
特に子犬の頃から目の大きさに差があった場合は、小眼球症の可能性が高くなります。
犬の小眼球症の原因
小眼球症の主な原因は胎児期の眼の発達異常です。
遺伝的な要因が疑われることもありますが、はっきりとした原因がわからないことも多くあります。
その他、以下のような要因が関連していると考えられています
- 子宮内感染(ヘルペスウイルスなど)
- 妊娠中の母体の栄養不良や中毒
- 遺伝的素因や近親交配の影響
また、先天性の小眼球症は、以下のような他の眼の異常と併発することが多い点も特徴です。
- 角膜の異常(小角膜など)
- 視神経低形成(視力が弱い・ない)
- 白内障
- 虹彩や水晶体の形成不全
- 無眼球症(まったく眼球が形成されない)
飼い主様が気づく症状
小眼球症そのものは痛みを伴うことが少ないため、犬が不快感を訴えることはほとんどありません。
そのため、見た目の違和感や視力の反応の違いから飼い主様が気づくケースが多いです。
- ボールやおもちゃを片側から投げると反応しない
- 明るい光を当てても片目だけ反応しない
- お皿や壁によくぶつかる
- 片方の目が開かないまま成長する
小眼球症は放置していても進行する病気ではありません。
しかし、他の眼のトラブルも併発していることがあるため油断は禁物です。
治療はできる?
小眼球症は、眼球そのものの大きさが未発達である状態なので、眼球を正常なサイズに戻す治療は存在しません。
しかし、以下のような対応が取られる場合があります。
- 角膜乾燥の予防のための点眼
- 炎症がある場合は消炎薬の使用
- 見た目の改善目的で義眼手術が行われることも
視力がなく、眼球の位置異常や眼圧の異常がある場合は、眼球摘出が勧められることもあります。
これは、慢性的な違和感や二次感染を防ぐための選択です。
飼い主様が気をつけたいこと
小眼球症が起こっている眼が見えていない場合は、犬を驚かせないようにしましょう。
ぶつかりやすい方向がある場合は、家具の配置や段差を工夫して安全な環境を作ってあげてください。
小眼球症ではドライアイや角膜の損傷が起こりやすいため、点眼などのケアは欠かさずに行うようにしましょう。
小眼球症の犬は光に対する反応が不完全なことが多いため、室内での行動パターンを観察することでケガなどを防ぐことが大切ですね。
まとめ
犬の小眼球症は、見た目の異常がはっきりしていることもあり、飼い主様にとっては驚きや不安を感じやすい状態です。
ただし、視力が完全に失われているわけではない場合もあり、生活上の工夫やサポート次第で快適に過ごすことは可能です。
まずは正確な診断を受け、他の眼の異常や視力の有無を確認することが大切です。
「目の大きさが左右で違う」「片目だけ反応がない」など、少しでも気になるサインがあれば、早めの受診をおすすめします。
当院では、眼科の診療にも力を入れており、小眼球症を含めた先天性眼疾患の診断・管理にも対応しております。
目に関する違和感がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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