今年も本格的な夏がやってきました。ご家族にとっても、ワンちゃん・ネコちゃんたちにとっても、厳しい暑さとの付き合い方がとても大切な季節です。
「なんとなく元気がない」「いつもよりよく寝ている」「ちょっと食欲が落ちたかも?」そんな小さな変化は、もしかすると夏バテのサインかもしれません。
今回は、見落としがちな「暑さによる体調の変化」について、 ごるにゃもちゃんたちと一緒に、総合診療科臨床部長の椛島先生に教えてもらいましょう!
その「いつもと違うかも?」が大切なサインに


解説
ワンちゃん・ネコちゃんは、人と比べて暑さに弱い生き物です。 体温調節の方法が限られており、特に湿度が高くなる夏場は、体への負担がより大きくなります。
「夏バテ」は、明確な病名ではありませんが、獣医学的には「慢性的な高温ストレスによる体調不良」として捉えられています。 食欲の低下や元気のなさが続くと、脱水や内臓機能の低下、さらには持病の悪化などを引き起こすこともあります。
こうした小さな変化を放っておくと、免疫力が落ちたり、他の病気を引き起こすきっかけになってしまうことも。
こんなときは要注意!

解説
特に夏場に見られやすい「夏バテ」の兆候は
- ごはんの量が減る
- 水をあまり飲まない
- 横になっている時間が長い
- 涼しい場所から動きたがらない
- 抱っこや遊びに反応が薄い
「元気がない=暑さのせいかな」と思ってしまいがちですが、 実は体が疲れていたり、内臓が弱っていたりすることも。とくに心臓や腎臓、消化器に持病を抱えている子は、暑さによる影響を受けやすいため、より慎重な観察が必要です。
夏バテを防ぐために大切な3つのポイント


解説
ポイント1:住環境の工夫
🔵室温は品種・年齢・健康状態・体格・被毛の量などによりますがワンちゃんは18-25度くらい、ネコちゃんは20-26度くらいを目安にすると良いでしょう
🔵湿度が高くなりすぎると暑さがこもりやすくなるため、50〜60%を目安に除湿を心がけましょう
🔵お留守番時もエアコンは切らずに運転継続を
🔵ネコちゃんがリモコンに乗ってスイッチを切ってしまうことも!
(リモコンの置き場所に注意しましょう)
🔵窓辺やベランダなど暑くなりやすい場所にベッド・ハウスを置かない
🔵冷感マットなどを活用し快適な寝場所を用意
ポイント2:水分補給の工夫
🔵新鮮なお水を複数箇所に設置
🔵ネコちゃん用に自動給水器を使うのも◎
🔵水をあまり飲まない子には、ウェットフードやスープの活用もおすすめ※脱水状態は腎臓への負担を高めるため、シニア期や腎疾患を抱える子は特にこまめな水分補給が大切です。
ポイント3:毎日の健康チェック
🔵食欲、飲水量、排泄の変化
🔵呼吸の様子や体温(触って熱く感じる部分)
🔵ふだんより元気がない、動きが鈍い
「なんとなく様子が違う気がする」その感覚は、ご家族様にしか気づけない、かけがえのない“サイン”です。
夏バテのような体調の揺らぎは、見た目には分かりにくいこともありますが、日々の気づきと環境づくりが、大切な命を守る何よりの力になります。
お盆も診療しています|急な体調変化もご相談ください
この夏も、ワンちゃん・ネコちゃんたちが元気に、そして心地よく過ごせるように、サーカス動物病院では、夏の体調管理に関するご相談をいつでも承っております。
本年はお盆期間中も診察を行います。急な体調不良がありましたら、いつでもご相談ください。
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