犬のまぶたにできる腫瘍を眼瞼腫瘍といいます。
眼瞼腫瘍は多くが良性といわれていますが、大きさや腫瘍の成長速度によって視界を妨げたり痛みを伴うこともあります。
「犬が頻繁に目を気にしている。」
「犬のまぶたに何かできものができている。」
このようなお悩みをお持ちの飼い主様も多いのではないでしょうか。
今回は犬の眼瞼腫瘍について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の目の健康を守るための知識を深めていただければ幸いです。
📍 目次 ▼ 犬の眼瞼腫瘍の特徴 |
犬の眼瞼腫瘍の特徴
犬の眼瞼腫瘍の70〜80%が良性といわれています。
どちらかというと上瞼に発生しやすく、好発犬種も存在します。
犬の眼瞼腫瘍の好発犬種は
- ビーグル
- イングリッシュセッター
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- シベリアンハスキー
- プードル
などです。
また性別によっての発生率に差はなく、高齢になるにつれて発生率が高くなります。
犬の眼瞼腫瘍の種類
犬の眼瞼腫瘍には良性と悪性があります。
良性の眼瞼腫瘍には
- マイボーム腺腫
- 扁平上皮乳頭腫
- 良性メラノーマ
- 組織球腫
- 線維腫瘍
- 線維乳頭腫
- 脂肪腫
などがあります。
悪性の眼瞼腫瘍は
- マイボーム腺癌
- 悪性メラノーマ
- 肥満細胞腫
- 基底細胞癌
- 扁平上皮癌
などです。
良性のものであれば腫瘍の成長速度が遅く、腫瘍が崩れるような様子や出血がみられないことが多いです。
悪性のものは腫瘍の成長速度が速く、1ヶ月で倍くらいの大きさになることもあります。
悪性の腫瘍は見た目としても悪そうなものが多く、脆かったりボコボコしていたりすることもあります。
悪性のものを含め、眼瞼腫瘍が他の臓器に転移することはほとんどありません。
犬の眼瞼腫瘍の中で最も多い腫瘍
犬の眼瞼腫瘍の中でも最も多くみられるのはマイボーム腺腫です。
マイボーム腺腫は皮脂を分泌するマイボーム腺の腫瘍です。
マイボーム腺腫は良性の眼瞼腫瘍で主にまぶたの縁に形成されますが、まぶたの裏側や表面にも発生することもあります。
まぶたの裏側にマイボーム腺腫が発生すると眼球を傷つけてしまい、様々な症状を示します。
犬の眼瞼腫瘍の症状と併発疾患
犬の眼瞼腫瘍の症状は
- 涙が増える
- 目をショボショボさせる
- 目が充血する
- 目の周りを引っ掻く
などです。
眼瞼腫瘍が直接眼球を刺激したり、腫瘍がまつ毛の生え方に影響を及ぼして眼球が刺激されることで症状が出ることがあります。
犬が眼瞼腫瘍を気にして引っ掻くことで眼球に傷がついて炎症を起こすこともありますね。
これらのことが原因で併発する目の病気もあります。
眼瞼腫瘍や引っ掻き行動が原因で引き起こされる目の病気は
- 結膜炎
- 角膜炎
- 角膜潰瘍
などです。
これらの病気は痛みや痒みを伴います。
犬が苦痛を感じる時間を少なくしてあげるためにも眼瞼腫瘍の早期発見と早期の治療が大切です。
犬の眼瞼腫瘍の検査
眼瞼腫瘍が発生したときは
- 腫瘍の大きさ
- 腫瘍の位置
- 腫瘍の形
- 目の炎症や傷の有無
などを確認します。
ある程度大きさのある腫瘍であればどんな種類の腫瘍かを調べるために針を刺して細胞診を行います。
より詳しく調べたい場合は組織生検が必要です。
組織生検は腫瘍の組織の一部を採取して病理検査を依頼するものです。
腫瘍の位置によっては目を傷つけるリスクが高いこともあるため検査自体が不可能な場合もあります。
犬の眼瞼腫瘍の治療
犬の眼瞼腫瘍では外科手術で腫瘍を切除することが第一選択です。
犬の眼瞼腫瘍の外科手術には
- 外科切除
- 冷凍外科切除
- レーザー治療
などがあります。
多くの場合は外科切除が選択されます。
再発率も外科切除が最も低いという報告がありますね。
なるべく腫瘍が小さい早期のうちに外科切除をしたほうが負担が少ないです。
眼瞼腫瘍の早期の外科切除は犬が苦痛を感じる時間を減らす効果も期待できます。
犬の眼瞼腫瘍を発見したときはなるべく早く動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
犬の眼瞼腫瘍はほとんどが良性といわれていますが、悪性の場合もあります。
犬の眼瞼にできものを発見したら油断はせずになるべく早く動物病院を受診しましょう。
当院は眼科診療に力をいれています。
眼瞼腫瘍に対する外科治療も対応可能です。
「犬が目を痛そうにしている。」
「最近愛犬の涙の量が増えた。」
「犬のまぶたになにかできものがある気がする。」
このようなお悩みがありましたらお気軽に当院にご相談ください。
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