気をつけたい病気 case

【そのままでいいのかな?】咳が出る原因は?

その咳様子を見ても大丈夫?

犬も人間と同じように咳をしますが、いつもと様子が違うと心配になりますよね。
短時間に1~2回程度の咳をする場合は生理的範囲の可能性がありますが、ずっと続くような咳なら注意が必要です。

 

今回は咳が出る病気を5つピックアップしました。
愛犬の症状と照らし合わせながらチェックしてみてください。

 

 

①気管虚脱

ポメラニアン、トイプードル、チワワなどの小型犬や、短頭種に多い病気で、気管がつぶれて粘膜が擦れ、咳が出ます。

乾いた咳が続いたり、ひどくなると「ガーガー」と、ガチョウの鳴き声のような呼吸をするようになります。
重症化すると呼吸ができなくなって、酸素室が必要だったり、手術をしなければならなかったりすることがあります。

 

 

②僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁粘液腫様変性)

犬の心臓病で最も多く、僧帽弁という大事な弁がブヨブヨしてきて機能が低下し、血液の逆流が生じ、結果として心臓がポンプとしての役割を果たせなくなっていく病気です。血液が心臓に溜まってしまうために、心臓が肥大し、気管を圧迫して、カハッっという乾いた咳のあとに、ガハーッと、何かを吐き出すような咳が出ます。

チワワやキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、トイプードルなどの犬種に多く、また高齢の小型犬で多く見られます。診断にはレントゲン心臓の超音波検査が必要で、必要に応じて内服治療を行っていくことで咳症状が改善する可能性があります。

 

♦改善が見られたケースのご紹介♦

チワワ 11歳 ♂

何かが引っかかっているような咳をするということでサーカス動物病院の総合診療科を受診。
心臓のエコー検査とレントゲン検査を実施し、心臓疾患に起因する咳を疑い、治療を開始しました。

その後、約2ヶ月ほどの内科治療の結果、徐々に咳は改善し、現在はほぼ咳が出なくなりました。

エコー検査で心臓の大きさを計測しています
エコー検査で心臓の大きさを計測しています。
治療を行う前後での比較画像
治療を行う前後での比較画像

 

 

③ケンネルコフ

いわゆる犬の風邪で、免疫力の弱い子犬で多く見られます。

原因はウイルスや細菌ですが、引き金となるのは移動のストレスや、環境の変化などのストレスが多く、特にお家に迎え入れて1週間以内くらいの発症が多いです。

乾いた咳を頻繁にするようになり、悪化すると肺炎になることもあります。

 

④肺炎

ウイルスや細菌のほか、カビや寄生虫の感染、誤嚥などによっても起こります。

肺に炎症が起こると酸素を取り込めなくなり、酸素室での入院管理が必要になる可能性があります。
場合によっては死亡につながるため、直ぐに病院での治療が必要な疾患です。

 

⑤異物の誤飲

玩具や靴下のような消化できない物を誤って飲み込んでしまい、喉や食道に留まることで咳の原因になることがあります。

また、中毒の原因になるようなものを飲んでしまった場合は命に関わることもありますので、万が一異物を飲み込んだ場合は症状がなくても出来る限り迅速にご相談ください。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ひとくちに「咳」と言ってもいろいろな原因が考えられます。

 

前提として、身体の中の変化を外から見るだけで判別することは極めて難しいため、咳が出ている原因を見つけるためには、検査が必要です。

当院ではレントゲンや超音波検査、血液検査などを用いて、原因の探索を行うことが可能です。

 

ですがその前に、痛みも負担もなく出来る検査があります。
それは『聴診🩺』です。

 

もし愛犬に気になる様子があれば、念のため診察にいらしていただくことをお勧めします。

 

神奈川県藤沢市湘南台の動物病院

サーカス動物病院

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