「最近、うちの子が物によくぶつかる…」
「暗い場所で動きがぎこちないような気がする」
「もしかして、目が見えていない?」
このような変化を感じたことはありませんか?
そんなときに疑われる病気のひとつが、「進行性網膜萎縮症」です。
今回は、犬の進行性網膜萎縮症について、その原因や症状、診断・治療の考え方までわかりやすくご紹介します。
愛犬の目の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
📍 目次 ▼ 犬の進行性網膜萎縮症とは? |
犬の進行性網膜萎縮症とは?
進行性網膜萎縮症(PRA:Progressive Retinal Atrophy)は、網膜の細胞が徐々に変性し、視力が低下していく遺伝性の病気です。
網膜は、眼球の奥にある光を感じ取る大切な組織で、カメラでいうフィルムのような役割を担っています。
進行性網膜萎縮症では、この網膜の細胞が少しずつ働かなくなることで、視覚情報を脳に伝えることができなくなり、結果として徐々に見えなくなってしまいます。
進行性網膜萎縮症は基本的に両眼になりやすく、最終的には失明してしまう可能性がある病気です。
どんな犬種に多いの?
進行性網膜萎縮症は、特定の犬種に遺伝的に起こりやすいことが知られています。
代表的な犬種には以下のようなものがあります。
- ミニチュア・ダックスフンド
- トイ・プードル
- ゴールデン・レトリーバー
- ラブラドール・レトリーバー
- パピヨン
- 柴犬
発症時期や進行のスピードは犬種や個体によって異なりますが、早ければ2〜3歳で症状が出ることもあります。
見逃しやすい初期症状
進行性網膜萎縮症は、ゆっくりと進行する病気のため、初期は見逃されやすい傾向があります。
特に多い初期のサインとしては、
- 夜になると動きが鈍くなる
- 暗い場所で物にぶつかる
- 慎重に歩くようになる
- 階段を怖がる
などがあります。
特に夜の散歩などの暗い場所で動きに違和感がある場合には早めに動物病院を受診しましょう。
病気が進行すると、明るい場所でも物にぶつかるようになり、最終的には視力を失ってしまいます。
進行性網膜萎縮症の検査は?
進行性網膜萎縮症の診断には、眼科的な専門検査が必要です。
以下のような検査を組み合わせて、診断を行っていきます。
- 眼底検査(網膜の状態を直接観察)
- 視覚反応のチェック
- 網膜電図(ERG):網膜の電気的な反応を測定する検査
- 遺伝子検査
早期に発見できれば、視覚を失う前に生活環境を整えたり、進行を遅らせるためのサポートが可能になります。
進行性網膜萎縮症になったら
残念ながら、進行性網膜萎縮症は根本的な治療法が確立されていない病気です。
サプリメントやビタミンの投与で進行を遅らせる可能性がありますが、確実に効果があるとは言えません。
しかし、適切な管理によって犬の生活の質を向上させることは可能です。
具体的には、家の中で犬が安全に過ごせるような生活環境を整えてあげましょう。
- 段差を減らす
- 家具の位置をシンプルにする
- 隙間を塞ぐ
- 餌や水の位置を変えない
などの工夫で目が見えにくくても家の中で安全に生活できます。
たとえ失明してしまったとしても、犬は嗅覚や聴覚が非常に優れているため、生活に大きく支障をきたすとは限りません。安心して過ごせる環境づくりをしていきましょう。
まとめ
進行性網膜萎縮症は、遺伝的に起こることの多い目の病気で、徐々に視力が落ち、最終的には失明に至る可能性があります。
特に初期は気づきにくいため、暗い場所で見えにくそうだなと思ったら、早めの眼科診察が大切です。
サーカス動物病院では、眼科にも力を入れた診療体制を整えており、進行性網膜萎縮症の早期発見や適切なケアにも対応しています。
少しでも気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
神奈川県藤沢市湘南台の動物病院
サーカス動物病院
⏰ 診察時間
📞 電話番号
📱 WEB予約
💡 予約状況が確認でき、24時間いつでも受付可能なWEB予約がオススメです。