猫の耳のかゆみに悩んだことのあるご家族はいらっしゃいますか?
猫が耳をかゆがることはあっても、病的にかゆいのか、日常の仕草の範疇なのか、わからないことが多いですよね。
猫の耳のかゆみは、放置しておくと重症化することもあります。
病的な場合は早めの対処が必要です。
今回は、猫の耳のかゆみについて詳しく解説していきます。
猫の耳のかゆみについて詳しく知ることで、愛猫の皮膚の健康維持に役立てましょう。
📍 目次 ▼ 猫は耳がかゆい時どんな行動をする? |
猫は耳がかゆい時どんな行動をする?
猫は耳がかゆいとき、「とっても耳がかゆい!」とご家族に伝えることができません。
そのため我々は猫の仕草を見て、耳をかゆがっているのか判断する必要があります。
では、猫は耳がかゆい時にどのような仕草をするのでしょうか。
猫は耳がかゆいとき、
- 耳を手や足でひっかく
- 耳を壁や床に擦り付ける
- 頭を何度も振る
- 違和感があるように顔を傾けている
- ご家族が耳を触ったとき、足が体をかくときのように動く
- 耳を触ると怒る
のような仕草をします。
このような仕草が頻繁に見られる場合は、猫がかゆみを感じていることが多いです。
猫の外見の変化としては、
- 耳の周りの毛が薄くなる
- 悪臭のする耳垢が出る
- 耳が赤く腫れる
という変化が出ることもあります。
このような状態があれば、早めに病院を受診しましょう。
猫の耳のかゆみの原因
猫の耳のかゆみの原因には、何があるのでしょうか?
原因として考えられる病気について解説していきます。
ミミダニ症
猫のミミダニ症は、猫の外耳炎の中で最も原因として多いもののひとつです。
ミミダニ症は、ミミヒゼンダニという寄生虫が猫の耳の中に寄生することで発症します。
比較的大きなダニが耳の中をウロウロと歩き回っているところを想像してみてください。
猫のミミダニ症では、かなり激しい耳のかゆみが出ることが多いです。
ペットショップからお迎えしたばかりの猫や外に出る機会のある猫が耳をかゆがる場合は、ミミダニ症の可能性が高いので、注意が必要です。
細菌性・マラセチア性外耳炎
耳の中には、細菌やカビは通常の状態でも存在します。
しかし猫の免疫が低下したり、皮膚の状態が悪化するようなことが起こると、細菌やカビが過剰に増殖し猫の耳に炎症を起こすことがあります。
これらの原因は、耳の外傷や全身の病気である可能性もあるので、きちんとした診断や治療が重要です。
アメリカンカールなどもともとの猫の耳の構造が独特で、どうしてもこれらの外耳炎を繰り返しやすい猫種もいます。
細菌やカビが増殖すると、臭いがきつい耳垢が出たり、かゆみが出たりします。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎の症状が耳だけに出る、ということも猫の場合は比較的珍しくありません。
猫のアレルギー性皮膚炎には、原因によって食物アレルギーや、猫アトピー性皮膚炎などがあります。
かゆみの程度やその他の好発部位など、まだ研究が進んでいない部分もある疾患ですが、これらの病気の場合は、かゆみを繰り返すことが多いので、注意が必要です。
耳道内腫瘍
高齢の猫で片方の耳だけをかゆがっている、という場合には、耳道内腫瘍も考えておかなければいけません。
比較的珍しいケースですが、耳の中の皮膚に腫瘍ができると、耳垢の排出がうまくできなくなったり耳の皮膚の状態が悪化するため、かゆみが出ます。
耳道内腫瘍が疑われる場合は、耳鏡検査やCT検査を行い、腫瘤の存在を確認する必要があります。
耳道内異物
外で遊んで帰ってきた猫が急に耳を激しくかゆがるようになったというケースなどは、最も疑われるのが耳道内異物です。
異物は、ノギなどの小さな草が、風に乗って耳に入ってきてしまうことで、かゆみを引き起こします。
耳道内異物による耳のかゆみは、突然発症し、強いかゆみを引き起こすという点が特徴的です。
猫の耳のかゆみを放置すると…
猫の耳の異常は、なかなか気が付きにくいことも多いです。
猫が耳をかゆがっていることに気が付かず、重症化するとどうなってしまうのでしょうか?
耳血腫
耳血腫とは、耳の皮膚の下に血液のような液体が溜まる状態です。
見た目に耳が腫れ上がり、液体が溜まった水風船のような触り心地になります。
動物が耳を激しくひっかいて耳の中にある軟骨を傷つけてしまった場合に発症します。
耳血腫ができた場合、早急に中の血液を吸引して抜去します。
治療が遅れると、耳が変形してしまうことが比較的よくあるので、注意が必要です。
中耳炎
猫では比較的稀ですが、続発性に中耳炎を起こすことがあります。
猫の中耳炎で最も多い原発性中耳炎はウイルス感染症によるものですが、続発性中耳炎は、先にご紹介した感染や異物などによる外耳炎から発症するものです。
外耳炎が重症化し、鼓膜に穴が開いてしまって、中耳にまで炎症が波及することで中耳炎を発症します。
続発性中耳炎の症状は、耳の痛みや神経症状などです。
神経症状では、平衡感覚に異常が発生し首が捻じれてしまったり、ぐるぐる旋回するようになったりします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は猫の耳の痒みについて解説しました。
猫のかゆみの治療は比較的難しく、時間がかかることも多いです。
痒みを放っておくのは、人間でもとてもストレスを感じますよね。
そのため、重症化する前に早めに気がついて、早めに治療開始することが重要です。
愛猫の耳に異変を感じたらすぐに当院までご相談ください。
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