「最近、犬の咳が増えた気がする」
「犬の呼吸が少し苦しそうに見える」
犬の飼い主様でこのような症状を経験したことのある方はいるのではないでしょうか。
これらの症状は呼吸器系の病気のサインであり、特に高齢犬で注意が必要なのは肺腫瘍です。
今回は肺腫瘍の中でも、肺そのものに発生する腫瘍である原発性肺腫瘍について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の健康を守りましょう。
📍 目次 ▼ 犬の原発性肺腫瘍について |
犬の原発性肺腫瘍について
犬の原発性肺腫瘍とは肺そのものから発生する腫瘍であり、高齢の犬で見られることがあります。
犬で原発性肺腫瘍の発生は比較的まれとされていますが、ほとんどが悪性です。
もっとも一般的なのは肺腺癌という腫瘍であり、原発性肺腫瘍の約80%を占めています。
肺腫瘍の症状
犬の肺腫瘍は初期段階では無症状であることが多いです。
進行するにつれて、
- 咳がでる
- 呼吸が早くなる
- 疲れやすくなる
- 舌が紫色になる
などの症状が現れます。
これらの症状が出た時には、肺腫瘍が大きくなっていたり、数が増えていることがあります。
さらに進行すると、呼吸困難で命を落とすケースもあるので要注意です。
肺腫瘍は症状が出る前に発見することが大切です。
犬の肺腫瘍の治療
肺腫瘍の治療では腫瘍の大きさや進行度、犬の全体的な健康状態によって方針を決定します。
ここでは肺腫瘍の治療について詳しく解説します。
外科手術
肺腫瘍が局所的であれば、腫瘍ができている肺を切除する外科手術がもっとも一般的な治療法です。
腫瘍の大きさや位置によっては、肺の一部を切除する部分切除が行われることもあります。
進行してしまった肺腫瘍では手術が適応外になることもあるので、早期発見が大切ですね。
化学療法
肺腫瘍が複数存在する場合や、すでに転移を起こしている場合は抗がん剤などの化学療法が考慮されることがあります。
化学療法は、腫瘍の進行を抑えるために使用されることが多いですが、犬に対する副作用があるため、獣医師と相談の上で行う必要があります。
放射線療法
放射線療法は、腫瘍が手術で完全に除去できない場合や、転移がある場合に使用されることがあります。
特に、痛みの緩和や腫瘍の縮小を目的とする場合に有効です。
犬の肺腫瘍の予後
犬の肺腫瘍は予後は、
- 腫瘍のサイズ
- 悪性度
- 転移の有無
- 症状の有無
などによって異なります。
腫瘍が小さく、リンパ節転移がない場合は外科手術で摘出することで長期生存が期待できます。
犬の肺腫瘍は症状が出る前に早期発見をし、適切な治療につなげることが予後を改善するために非常に重要です。
肺腫瘍を早期発見するには
ここまで解説したように、犬の肺腫瘍は症状が出る前に見つけることが大切です。
肺腫瘍は症状が現れにくいために、定期的な健康診断を受けることが重要です。
特に高齢の犬は、年に2回以上の定期的な健康診断が推奨されます。
健康診断で胸部のレントゲン検査を行うことで、肺の状態を確認し、腫瘍の早期発見につながることがあります。
また、日頃から犬の呼吸の様子や行動の変化に注意を払い、少しでも異変を感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬の肺腫瘍は、早期発見が難しい病気ですが、定期的な健康診断や日常的な観察を通じて見逃さないことが大切です。
早期発見と治療により、犬の生活の質を維持し、予後を改善することができますね。
当院では、健康診断を積極的に実施しているので、お困りのことがあれば、ぜひご相談ください。
この記事が皆様の愛犬の健康管理のお役に立てれば幸いです。
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