犬の健康を守るためには、さまざまな病気のリスクを理解し、早期に対処することが重要です。
その中でも、肝臓腫瘍は高齢の犬に発生することがある注意すべき疾患です。
肝臓は人間でも「沈黙の臓器」と呼ばれるように病気が進行するまで症状が現れにくいとされています。
そのため、愛犬の異変に気がついた時には病状がかなり進行しているケースも少なくありません。
今回は犬の肝臓腫瘍について詳しく解説し、なぜ早期発見が大切なのかをお伝えします。
特に愛犬の健康状態が気になる方は、ぜひ最後までお読みいただき、肝臓腫瘍の知識を深めましょう。
📍 目次 ▼ 犬の肝臓腫瘍とは |
犬の肝臓腫瘍とは
肝臓は栄養素の合成や貯蔵、有害物質の分解や解毒などを行う重要な臓器です。
肝臓腫瘍には大きく分けて2つの種類があります。
1つは「原発性肝臓腫瘍」と呼ばれるもので、これは肝臓そのものからできる腫瘍です。
原発性肝臓腫瘍の中でもっとも多いものは肝細胞癌という腫瘍で、犬の肝臓腫瘍の約70%を占めています。
肝細胞癌は進行が比較的ゆっくりなので、症状が出にくいという特徴がありますね。
もう1つは「転移性肝臓腫瘍」と呼ばれるものです。
転移性肝臓腫瘍は、肝臓以外の場所にできた腫瘍が血液やリンパ液の流れに乗って肝臓に広がったものを指します。
転移性肝臓腫瘍は、原発巣となった腫瘍の種類によって症状や進行速度が異なります。
クッシング症候群が肝臓腫瘍のリスク因子に?
クッシング症候群とは体内でコルチゾールというステロイドホルモンが過剰になる疾患です。
ステロイドホルモンの過剰は肝細胞の変性を引き起こし、肝細胞癌のリスクが増加すると言われています。
犬がクッシング症候群を患っている場合、肝臓の状態を定期的に評価することが重要です。
犬の肝臓腫瘍の症状
肝臓腫瘍は初期段階では、ほとんど症状が現れないことが多く、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。
しかし、腫瘍が大きくなると、次のような症状が現れることがあります。
- 嘔吐や下痢をする
- お腹が膨れてくる
- 腹水がたまる
- 皮膚や白目が黄色くなる
これらの症状は、肝臓腫瘍に特異的なものではなく、他の肝臓病でも見られることがあります。
異変を感じたら、すみやかに動物病院を受診することが大切ですね。
肝臓腫瘍を放置するとどうなる?
肝臓腫瘍は症状に気づきにくいですが、放置してしまうとさまざまな深刻な問題が発生します。
肝臓腫瘍が大きくなることで、周囲の臓器を圧迫したり、腫瘍自体が破裂することがあるので注意が必要です。
腫瘍が破裂すると出血によりショック症状を起こし、命を落とす可能性もあります。
また、悪性腫瘍の場合は、肺やリンパ節などの他の臓器に転移してしまうこともあります。
肝臓腫瘍が転移を起こすと、治療が困難になることがあるので注意しましょう。
肝臓腫瘍を早期発見するためには
犬の肝臓腫瘍を早期に発見するためには、定期的な健康診断が重要です。
進行した肝臓腫瘍は血液検査でも異常が検出されることが多いです。
しかし、初期段階ではレントゲン検査や超音波検査などを実施しないと肝臓腫瘍を見逃すことがあります。
健康診断で画像検査を行うことで腫瘍の存在や進行状況を把握することができますね。
肝臓腫瘍は症状が現れにくいため、年齢や体調に応じた検査計画を立てることが推奨されます。
早期発見により、手術による治療が可能となり、愛犬の健康を守ることができます。
肝臓腫瘍の治療は?
犬の肝臓腫瘍の一般的な治療は外科的切除です。
特に肝細胞癌の場合、腫瘍を完全に切除することで完治が期待できます。
肝臓腫瘍が大きくなると外科的切除が難しくなることがあるので、早期発見・早期治療が大切ですね。
肝臓は再生能力が高いため、手術後も元の大きさに戻ることが多いです。
手術が難しい場合や腫瘍が転移している場合には、放射線治療や緩和治療が行われることもあります。
まとめ
犬の肝臓腫瘍は早期に発見し、適切な治療を行うことで予後を大きく改善できる病気です。
愛犬の健康を守るために、日常的な観察や早期発見のための健康診断を怠らず、気になる症状が現れたらすぐに獣医師に相談することが重要です。
当院では定期的な健康診断をおすすめしています。
愛犬の健康状態が気になる方は、ぜひ健康診断を受診しましょう。
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