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猫の心臓病って意外と多い?|猫に多い肥大型心筋症について解説します

2025.01.17

猫の心臓病って意外と多い?|猫に多い肥大型心筋症について解説します

猫を飼っている皆さまは、猫の心筋症についてどのくらいご存知ですか?

実は、猫は心筋症を発症することが多いです。
猫は病気を隠す傾向にあることもあり、発症していても症状がはっきりしないこともあるため、なかなか気が付かれないこともあります。
しかし、放置しておくと命に関わることもあるため、注意が必要です。

今回は、猫の肥大型心筋症について解説いたします。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の健康管理に役立てましょう。

 📍 目次

 ▼ 猫の肥大型心筋症とは
 ▼ 猫の肥大型心筋症の症状
 ▼ 猫の肥大型心筋症の検査
 ▼ 猫も健康診断を受けましょう
 ▼ まとめ

テーブルで寝ている猫

 

猫の肥大型心筋症とは

猫で最も多い心臓病は、肥大型心筋症です。
肥大型心筋症とは、心臓を構成する筋肉である心筋が分厚くなってしまう病気です。
心臓は全身の血液を集めて肺に送り、肺で酸素化した血液を全身にまた送る、ポンプのような働きを担っています。
そのため心臓は、ほとんど筋肉でできていて絶え間なく拍動してます。
肥大型心筋症では、この心筋が肥大し、心臓の動きが悪くなる疾患です。原因は遺伝であることが多いと言われていますが、末端肥大症という成長ホルモンの病気や高齢の猫で多い甲状腺機能亢進症などが原因である場合もあります。
猫の肥大型心筋症は決して珍しい病気ではなく、7歳以上の猫で約3割の猫が罹患していると言われています。
猫の肥大型心筋症は若くても罹患していることがあるため注意が必要です。

 

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猫の肥大型心筋症の症状

猫の肥大型心筋症の症状は、
「何となく元気がない」「痩せて来た気がする」
などはっきりしないことが多いです。
毎日一緒に生活していると、このような変化には気がつきにくいですよね。

そのため、肥大型心筋症の診断ができるのは病気が重症化してからのことが多いです。
肥大型心筋症が重症化すると、以下のような合併症が出ることがあります。

胸水

肥大型心筋症が進行すると、心臓は正常に収縮したり拡張したりすることができず、血液の流れが滞るようになります。

すると、胸に心臓からあふれた血液成分がたまるようになります。
これが胸水です。

胸水が溜まると、肺が正常に拡張できず、呼吸が苦しくなります。
猫は呼吸が苦しいと、開口呼吸をしたり、呼吸数が増えたりします。

胸水の治療は、胸に注射針を刺して抜去することです。

肺水腫

肺水腫も、胸水と似た原理で発生します。
肺水腫は、心臓のすぐそばにある臓器である肺の中に、血液成分が溢れ出てくるようになった状態です。
肺は、ブドウのようなイメージで、小さな肺胞という部屋の集まりでできていて、肺水腫になるとその一つ一つに液体がたまります。
肺水腫になると、肺が正常に機能できず溺れているような状況になるため、呼吸が苦しくなります。
肺水腫の場合、肺に溜まった液体を胸水のように針で抜去することはできません。
利尿薬などで体液の量を調整し、肺の水が抜けるのを待ちます。

血栓塞栓症

心臓の中で血液の流れが悪くなることで、血栓できてしまうことがあります。
血栓ができると、後ろ足につながる血管が詰まってしまうことが多く、麻痺や激しい痛みにより、突然歩けなくなります。
この状態が長く続くと、その足は壊死してしまいます。
最悪の場合には、突然死の原因となることもあるため、非常に恐ろしいですね。

青い目をしている猫

 

猫の肥大型心筋症の検査

重症化してから発見されることの多い肥大型心筋症は、早期発見できれば治療により悪化を防ぐことができる場合もあります。
愛猫の、胸水で苦しくなったり、血栓で痛みが出ている姿は想像もしたくないですよね。
肥大型心筋症の早期発見が望める検査として以下の検査をご紹介します。

聴診

猫の肥大型心筋症では、聴診が重要です。
肥大型心筋症の聴診では、必ずしも異常音が出るわけではありませんが、頻脈やギャロップ音と呼ばれる不整脈が聴取されることがあります。
ギャロップ音というのは馬が駆けているようなリズムで、この音が聴取されると高い確率で心疾患が疑われます。

心臓超音波検査

肥大型心筋症の診断は超音波検査で行います。
超音波検査では、心臓の断面を観察することができるため、心筋の厚さを測定します。
心筋の厚さが正常の6mmを超えて分厚くなっていると、肥大型心筋症の診断となります。
超音波検査では、血液の流れが悪くなっている場合は血栓ができそうな兆候も捉えることができるので、血栓塞栓症を防ぐ投薬を開始することも可能です。

血液検査

血液検査では、肥大型心筋症の診断を下すことはできません。
しかし、肥大型心筋症の原因となり得る甲状腺機能亢進症や末端肥大症の診断をすることもできます。
このような疾患がある場合は、心臓超音波検査を併せて行い、心筋の厚さを注意深く観察します。

血圧測定

高齢の猫で多い高血圧症も肥大型心筋症の原因となることがあります。
定期的に血圧を測定し、高血圧であれば原因となる疾患がないか検査を進めることで、高血圧の原因となる慢性腎臓病や甲状腺機能低下症の早期発見も可能です。
高血圧の治療を行うことで、肥大型心筋症を予防することができる可能性もあります。

聴診されている猫

 

猫も健康診断を受けましょう

猫の心筋症の早期発見には、健康診断が非常に重要です。
猫の健康診断は、最低でも1年に1回の頻度で行うことが世界的に推奨されています。
特に7歳以上の高齢の猫では、半年に1度の実施が理想的です。
人間と比べると多いように感じますが、猫は人間の4倍の速度で老いていくことを考えると、これくらいの頻度で健康診断が必要ということに納得ですよね。
健康診断では、毎日診ているとわからない毛艶や体重の変化などが発覚することもあり、「まだまだ若い」「元気なので異常はないだろう」と思っていても、健康診断で猫の変化が見つかるかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は猫で多い肥大型心筋症について解説いたしました。
猫の肥大型心筋症は、気が付かないうちに重症化していることが多いです。
放っておくと命に関わる病気なので、できるだけ早期発見しておきたいですよね。

当院では、猫になるべく負担なく健康診断を行えるよう取り組んでいます。
猫の健康診断についてお悩みのある方はぜひご相談ください。

 

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