犬も紫外線対策は必要?|紫外線が犬に与える影響について解説します
犬を飼っているみなさまは犬の紫外線対策について考えたことはありますか?
近年温暖化が進み、熱中症対策はしているけど、紫外線対策については考えたことがないという方が多いのではないでしょうか。
実は紫外線は犬にもいくつかの影響を与えると言われています。
今回は紫外線について、犬に与える影響やその対策について解説いたします。
犬を飼っている皆様はぜひ最後までお読みいただき、犬の健康管理に役立てましょう。
📍 目次 ▼ 紫外線ってどんな種類があるの? |
紫外線ってどんな種類があるの?
紫外線は太陽の光などに含まれる光の一部を指します。
光は物理学的に波長の違いにより分類されています。紫外線の中でも波長の長いものから
- UV-A
- UV-B
- UV-C
に分けられます。
このうち、地表に到達するのはUV-AとUV-Bです。
これらは皮膚にそれぞれ影響を与えます。
UV-Aは、より肌の奥深くに侵入し皮膚に蓄積されてゆっくりとダメージを与えます。
具体的には、皮膚に存在するコラーゲンを変性させたり、メラニン細胞の沈着を促進したりします。
日焼けをしてから数日で肌が黒くなった経験がある方は多いのではないでしょうか。その原因がこのUV-Aです。
これに対し日焼け後に皮膚が赤くなってヒリヒリする原因はUV-Bです。
UV-Bは、細胞障害作用が強いため、皮膚の表面を傷つけ短時間でダメージを与えます。
また、発がん性があるのも特徴のひとつです。
紫外線が犬に与える良い影響
紫外線は、犬にとって完全に悪いものというわけではありません。
日向ぼっこが好きな犬は多いですよね。
ご安心ください、適度に日に当たることは良い作用もあります。
殺菌作用
紫外線には殺菌効果があると言われています。
天気のいい日には外にお布団を干したくなりますよね。
それは早く乾くというメリットだけでなく、衣類にも殺菌作用があるためです。
諸説ありますが、これはUV-Cなどの紫外線が細菌のDNAを吸収し、増殖を抑制するためと言われています。
皮膚でのビタミンD合成促進
紫外線を毎日浴びることは、ビタミンDの合成に必要と言われています。
ビタミンDは食物からのカルシウム吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ作用があります。
カルシウムは骨の健康のためにとても重要です。
そのため、ビタミンDを合成することのできる日光浴は、健康維持に有効と言えます。
犬はペットフードが総合栄養食なので健康維持に必要な成分は食事で確保できますが、適度な日光浴は人間と同じようにこのような効果が期待できます。
紫外線が犬に与える悪い影響
良い影響もある紫外線ですが、過度に日に当たることは悪い影響がある場合があります。
紫外線の強い場所で日に当たりすぎると、どうなるのでしょうか。
皮膚炎
紫外線は犬に日光性皮膚炎と呼ばれる皮膚炎を起こすことがあります。
紫外線を過剰に浴びすぎると、皮膚が炎症を起こし、重症になると脱毛したり潰瘍ができたりすることもあります。
日光性皮膚炎は鼻の上の皮膚にできやすく、皮膚がんに進行していくこともあります。
発がん性
紫外線には発がん性があるというのをご存知の方も多いのではないでしょうか。
近年温暖化でオゾンホールが問題となっているのはこのためですね。
紫外線により発症する可能性のある皮膚がんには、皮膚を構成する細胞である基底細胞癌や扁平上皮癌が多いです。
これらは悪性腫瘍で発生するとみるみる拡大していくので恐ろしいですね。
細胞障害
紫外線には、細胞のDNAを傷つける作用があります。
これは紫外線によるメリットでご紹介した殺菌作用の悪い側面ですね。
細胞はDNAが多少傷つけられても修復しながら増殖します。
しかし、過剰に紫外線にさらされ修復が追いつかなくなると、腫瘍が発生する原因となります。
メラニン色素の沈着
皮膚に過剰な紫外線が侵入するようになると、それ以上侵入してくることを防ぐために皮膚はメラニンと呼ばれる色素を産生します。
これが一般的に日焼けをすると肌が茶色になる原因ですね。
犬の場合体は毛に覆われているので、問題になることは少ないですが、毛の薄い部分やヘアレスドッグと呼ばれる毛の少ない犬種ではメラニン色素が沈着することがあります。
犬の紫外線対策には何が有効?
紫外線に当たることは、過度になると犬の皮膚には良くありません。
しかし、お散歩やお出かけで外に出るとき、お家で日向ぼっこしているときなど、どうしても長時間日に当たる時間があることはありますよね。
そのような場合にご家庭でできる対策をご紹介します。
服や帽子などの衣類による保護
洋服や帽子で物理的に紫外線から肌を守ることは紫外線対策としてとても有効です。
近年はたくさん可愛い犬用の服や帽子が販売されていますよね。
UVカット素材が採用されている犬用の服や、紫外線が強くなる夏は特に、熱がこもらないような通気性の良い服を着せてあげましょう。
サンスクリーンによる保護
温暖化や飼い主様の意識向上もあって近年では、犬用の日焼け止めも販売されています。
市販の製品では、効果が不明なものもありますが、成分表示などを確認し、きちんと記載のあるものを選択しましょう。
お近くの店舗に販売がなければオリーブオイルにも軽い日焼け止め効果があると言われています。
塗布した部位を舐めてしまうと効果がなくなるので、塗った後はすぐにお散歩に出かけるなどして気を逸らしましょう。
おでかけやお散歩の時間の変更
おでかけやお散歩の時間を変えることは犬にとって最も負担のない紫外線対策です。
真夏の昼間は紫外線がとても強いだけでなく、気温も高く熱中症のリスクもあります。
日が昇る前の時間や、日が沈んでしばらく経った時間にお出かけやお散歩をすることで、犬の運動時間を確保しつつ、紫外線を浴びないようにしましょう。
雪の多い季節では、雪からの照り返しもあるので、それについても配慮してあげると優しいですね。
カーテンによる保護
日当たりのいい場所で日向ぼっこをするのが好きな犬は多いですよね。
冬は暖かく、日の当たる場所は心地よいでしょう。
しかし、日向でずっと寝ていると窓を通して紫外線を過剰に浴びてしまう可能性があります。
そうした場合には、犬の好きなひだまりの箇所だけでもレースのカーテン等をつけてあげましょう。
犬に到達する紫外線の量をある程度減らすことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、犬への紫外線対策について解説いたしました。
犬にとって、太陽の光はお散歩や日向ぼっこなどの快適な時間を彩るものですが、過剰になると、皮膚に有害な側面もあります。
必ずしも病気になるというわけではありませんが、過剰にならないよう対策しておくことは重要です。
犬の紫外線対策で、できそうなものがあればぜひ取り組んでいただき、もっと詳しく知りたいという方や、愛犬に合う方法を探したいという方は、ぜひ当院までご相談ください。
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