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犬の歯の破折|歯が欠けたらどうすればいいの?予防するには?獣医師が解説

2025.01.07

犬の歯の破折|歯が欠けたらどうすればいいの?予防するには?獣医師が解説

おもちゃを噛む白い犬

「硬いものを噛ませるのは犬の歯にとっていいはず!」
と思って、犬に硬い食べ物やおもちゃを与えていませんか?
硬すぎるものは犬の歯を傷つける可能性があります。
最悪の場合、歯にヒビが入ってしまったり折れたりしてしまうかもしれません。
歯が折れたり欠けたりすることを「破折」といいます。
破折した歯を放っておくと、細菌感染がおこって様々な病気を引き起こす可能性もあります。

今回は犬の歯の破折についての解説です。
ぜひ最後までお読みいただき、日頃の愛犬のデンタルケアにお役立てください。

 📍 目次

 ▼ 犬の歯の破折とは
 ▼ 犬の歯の破折の原因
 ▼ 犬の歯の破折の症状とリスク
 ▼ 犬の歯の構造
 ▼ 歯の破折の種類
 ▼ 犬の歯の破折の治療
 ▼ 犬の歯の破折の予防方法
 ▼ まとめ

 

犬の歯の破折とは

歯が折れたり欠けたりすることを「破折」といいます。
犬の歯は頑丈そうに見えますが実は折れやすく、歯の破折はよくみられます。
破折しやすい歯は

  • 犬歯
  • 上顎第4前臼歯
  • 下顎第1後臼歯

です。
上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯は食べ物を噛み切る役割があります。
そのため他の歯よりも負担がかかり、破折しやすいです。

 

犬の歯の破折の原因

犬の歯の破折の原因で1番多いのは硬いものを噛むことです。
具体的には

  • ひづめ
  • ケージ

などを噛むことによって歯が破折します。
硬いものを犬与える際には十分に注意しましょう。

 

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犬の歯の破折の症状とリスク

犬の歯が破折するとどのような症状を示すのでしょうか。
歯の破折によるリスクについても解説していきます。

症状

犬は歯が欠けても人のように
「歯が痛い」
「歯がしみる」
などの症状をあまり示しません。
そのためご家族が異常に気付かず、動物病院での検診などで偶然発見されることも多いです。
しかし、よく犬を観察することで破折に気付くこともできるかもしれません。
犬の歯の破折の症状としてみられる行動には

  • 片側だけでものを噛む
  • 硬いものを噛みたがらない
  • 口を触られるのを嫌がる

などがあります。
犬の歯の破折によって歯周炎を発症している場合には

  • よだれが異常に多く出ている
  • 顔が腫れている

といったこともあるかもしれません。

リスク

犬の歯の破折は放っておくとそこから感染を起こし、歯周炎になる可能性があります。
歯周炎になると炎症によって発熱したりや痛みが出たりして、犬はとても辛いです。
また細菌感染が他の臓器にまで波及して悪影響を及ぼすこともあります。

 

犬の歯の構造

あくびをするトイプードル

犬の歯は三層で構成されています。
外側から

  • エナメル質
  • 象牙質
  • 歯髄

です。
エナメル質は体の中で最も硬い物質ですが、犬のエナメル質は人間よりも薄くかけやすいです。
歯髄には血管や神経が含まれています。
また、歯茎を境にして上の部分が「歯冠」、歯茎に埋まった部分が「歯根」です。

 

歯の破折の種類

犬の歯の破折は大きく2つに分けられます。

  • 露髄しているか
  • 歯根まで破折が及んでいるか

この2つの観点から治療方針が変わっていきます。
それぞれについて解説していきましょう。

露髄しているか

歯の破折によって歯髄が露出することを「露髄」といいます。
露髄するとそこから細菌に感染して歯周炎がおこります。
この場合、歯の表面のみの破折よりも治療が複雑になりますね。
露髄していると歯のかけた部分からピンク色や黒色の組織が見えることがあります。

歯根まで破折が及んでいるか

破折している部分が歯冠だけなのか、もっと深く歯根まで及んでいるのかによっても病態は変わってきます。
歯冠までの破折であれば修復が可能な場合があります。
歯根にまで破折が及んでいる場合は抜歯が必要になるかもしれません。

 

犬の歯の破折の治療

歯が破折していることが分かったらレントゲン検査などを行い、どの種類の破折なのかを判断します。
破折の種類によって治療方法を決定します。
犬の歯の破折の治療方法は大きく分けて3つです。

  • 歯の表面への治療
  • 歯の内側の歯髄への治療
  • 抜歯

です。
それぞれについて詳しく解説します。

歯の表面への治療

露髄していない破折の場合は「保存修復」という治療を行います。
保存修復とは破折した歯の表面を整えて保護する治療です。
保存修復も必要としない軽度な破折もあります。
その場合は何もせずに経過観察とすることもあります。

歯の内側の歯髄への治療

露髄している破折の場合は歯髄の空洞を通って感染がおこることが多いです。
初期の段階であれば「根管治療」と呼ばれる治療を行います。
根管治療とは感染をおこして回復できなくなった歯髄を取り出して、その歯を残す治療です。
人間の重度の虫歯の治療でも行われることがあります。
簡単にいうと「神経を抜く」治療です。
全身麻酔をかけて歯髄を除去します。
歯髄を除去したら消毒し、空洞になった部分に詰め物や被せ物をして終わりです。
抜歯よりも痛みが少なく回復も早いといわれています。

抜歯

歯根の破折や歯周病を伴う場合には抜歯を行います。
全身麻酔をかけて歯根を含む歯の全体を除去します。
歯を除去したら傷口を糸で縫合して終了です。
糸は体内に吸収されるものを使うので抜糸の必要はありません。
抜歯すると完治するのに1〜2週間ほどかかります。
その間はウェットフードやふやかしたドライフードなどの柔らかいごはんを与えましょう。
抜歯をすると歯の破折や細菌感染の再発を根本的に防ぐことができます。
「歯を抜いてしまったらご飯を食べれなくなるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
犬は歯がなくてもある程度の大きさのものは噛まずに飲み込むことができます。
そのため抜歯後も生活や食事に大きな支障はありません。

 

犬の歯の破折の予防方法

おもちゃを噛むトイプードル

犬の歯の破折を予防するには硬いものを噛ませないことが大切です。
歯にいいと思って硬いガムや骨を与える飼い主様も多いですが、与えすぎには注意しましょう。
ケージや金網を噛む癖のある犬の場合は噛まないようにしつけをする必要があります。
少し柔らかい素材で犬が噛めるものを用意して、気を逸らすのもいいかもしれませんね。

 

まとめ

いかがでしたか?
犬の歯は意外とデリケートで破折してしまうことは少なくありません。
今回の記事を参考に明日からのおやつを見直してみてはいかがでしょうか。

当院は歯科治療に力を入れております。
「犬が片方の歯でしかものを噛まない。」
「顔が腫れているようだ。」
こんなことがありましたらぜひ当院へご相談ください。

 

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