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犬の歯石取りはしたほうが良い? 動物病院での歯石除去の詳しい内容を解説

2024.12.07

犬の歯石取りはしたほうが良い? 動物病院での歯石除去の詳しい内容を解説

愛犬の歯石が気になり、取ってもらったほうが良いのか悩まれる飼い主様も多いでしょう。
しかし、ただ歯石を取るだけでは歯周病の予防や治療として不十分であることをご存知でしょうか。
動物病院での歯石取りは、見た目を綺麗にするだけではなく、その後の歯周病の進行を防ぐために必要な処置なのです。
どのような状態だと歯石取りをした方が良いのか、歯石取りの処置の詳しい内容について解説します。

あくびをする子犬

 📍 目次

 ▼ 歯石取りは歯周病の予防・治療のための処置
 ▼ 歯石取りをした方が良い状態とは?
 ▼ 歯石取りの処置の内容
 ▼ まとめ

 

歯石取りは歯周病の予防・治療のための処置

そもそも歯石はどのようにできるのでしょうか。
犬の歯の表面に、べちゃっとした白い汚れが付いていることがありますよね。
これは歯垢といい、細菌や炎症細胞などでできています。
歯垢は時間の経過で固く変性し、たった数日後には歯石になります。

歯石は歯周病が進行する過程でつくられます。
歯周病とは、歯に細菌が付着して炎症が起き、歯の周囲組織が破壊される病気です。
歯周病は大きく歯肉炎と歯周炎に分けられます。

歯肉炎

歯に歯垢が付着することで、歯肉が炎症を起こして赤く腫れた状態です。
歯肉炎の段階では、歯の周囲組織の破壊は起きていません。
軽度の歯肉炎であれば、歯磨きなどのケアで良い状態を保つことができます。

歯周炎

歯周病が進行して、歯の周囲組織の破壊が起きている状態です。
進行するにつれて歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)が深くなり、歯肉が退縮して歯の根元が露出してきます。
重症化すると歯を支える歯槽骨も溶けて、歯がぐらぐらと動くようになります。
歯の根元に膿が溜まって顔の表面に穴があいてしまったり、歯と接する顎の骨が折れてしまったりなど、重大な合併症が生じます。
痛みなどの症状が出てごはんが食べづらくなってしまうことも多いです。
歯垢や歯石は細菌の塊なので、菌が体内に入り、心臓・腎臓・肝臓といった臓器の病気にも繋がります。

歯周病の進行を抑えるには、歯垢がない状態を保つことが大切です。
歯石があると、歯石そのものが問題というよりも、歯石が邪魔になり歯垢を落とせないことで歯周病が進行します。
歯垢は歯磨きで簡単に落とせますが、歯石は歯磨きでは取れないので、動物病院での歯石取りが必要になります。

 

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歯石取りをした方が良い状態とは?

右を見る黒柴

どの段階で歯石を取れば良いのか、気になりますよね。
歯周病予防のためには、軽度な歯肉炎の段階であっても歯石があれば取ることをおすすめします。
歯石がないことで、歯垢が付きにくくなり、歯磨きなどのケアで歯周病予防ができるからです。

歯周病が重症化した場合、治療には歯石取りが必須になります。
重度の歯周病では歯石取りや抜歯を行う箇所が増えて、麻酔時間が長くなり、犬の負担が増えてしまいます。
犬が高齢で持病があることも多いです。
「口の痛みをとるために歯石取りをしてあげたいけれど、麻酔や処置の負担がかかるのも心配…」
という状況になってしまうとつらいですよね。

歯石が軽度なうちに取ることが理想ではありますが、歯石が付く度に取るとなるとそれも大変です。
お金がかかりますし、繰り返しの麻酔が気になる飼い主様も多いことでしょう。
動物病院で犬の体調やお口の状態をみてもらい、いつ歯石を取るのが良いか相談してみることをおすすめします。

 

歯石取りの処置の内容

歯石を取るための器具

動物病院での歯石取りは、歯石を取って歯の見た目を綺麗にするだけではなく、歯周病の進行を防ぐための処置を行っていきます。
内容について詳しくみていきましょう。

術前検査

動物病院での歯石取りは麻酔をかけて行います。
事前に血液検査などの検査を行って、他に内臓の病気がないかなどを調べ、麻酔リスクの評価を行います。

口腔内精査

口の中全体をみて、歯周病の重症度や、ほかに歯の問題はないか、普段見えない口の奥に出来物などないかを調べます。
歯のレントゲンを撮り、歯の根元の見えない部分なども確認します。

スケーリング

いわゆる歯石取りの処置です。
超音波スケーラーやハンドスケーラーなどの器具を使い、歯石を取り除きます。
歯の表面だけではなく、歯周ポケット内の歯石も取り除くことが大切です。

ルートプレーニング

歯のセメント質の表面を削り、滑らかにする処置です。
歯の歯肉から出ている部分はつるつるしたエナメル質で覆われているのに対し、歯の歯肉に隠れている部分はざらざらしたセメント質で覆われています。
歯周病の歯のセメント質は細菌に汚染されているため、汚染されたセメント質を削り、歯垢が付きにくいように滑らかに整えます。

抜歯

歯周病が重度でぐらぐらしている歯などは、抜歯をしないと治療が難しい場合があります。
スケーリングの処置を行いながら、抜歯が必要と判断された歯は専用の器具を用いて抜きます。

ポリッシング

スケーリングを行うと歯の表面は粗造になるため、そのままでは歯石が付きやすい状態です。
ポリッシングでは歯の表面を研磨剤で磨き、滑らかに整えます。

 

まとめ

動物病院での歯石取りは、歯の見た目をきれいにするだけでなく、歯周病の予防や治療に必要な処置が含まれます。
歯周病が悪化しない元気なうちに歯石を取り、お口の健康を維持してあげましょう。
愛犬の歯石が気になる方は、ぜひ当院にてご相談ください。

 

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