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猫の呼吸が苦しくなる病気

2023.06.01

猫の呼吸が苦しくなる5つの病気

 

ご自宅の猫ちゃんの呼吸の様子が気になったことはありますか?

もし、お家の猫ちゃんの呼吸が急に荒くなったり苦しそうな様子が見られたらとても心配ですよね。

 

今回は実際に呼吸が早いと判断する基準や、具体的にどのような病気が考えられるのかについてお話ししたいと思います。

 

正常な呼吸数はどれぐらい?

まずはじめに呼吸数についてですが、リラックスしてるときや寝てるときの、1分間の呼吸回数を測定しましょう。
吸って胸が膨らみ、吐いて胸が縮むので、1往復で1回、これを1分間数えます。1分が大変であれば30秒の回数を2倍してもよいです。
正常であれば1分間で20~30回程度です。これより早い状態が続くようであれば、念の為動物病院で診察を受けると良いでしょう。
また安静時の呼吸数をたまに測っておくといざというときに気づきやすいので、普段から測っておくことをおすすめいたします。
それでは具体的にどのような病気が考えられるか5つピックアップしてみましたので一緒に見ていきましょう。

 

動物病院で出会う頻度が多い疾患

動物病院スタッフが毎日多くの犬猫たちと接する中で、特に出会うことの多い呼吸に関わる疾患を、5つに絞ってご紹介します。

 

猫風邪

主にウイルスや細菌によって引き起こされる呼吸器疾患では、一般的に「青っ鼻(膿性鼻汁)」やくしゃみ、咳などの症状が現れ、結膜炎による目やにも見られることがあります。
また、鼻が詰まってしまい口を開けて呼吸することや、呼吸数が多くなることもあります。
症状が悪化すると肺炎に進行することもあります。特に元野良の猫にこの病気が多く見られる傾向があります。
しかし、基本的にはワクチン接種によって予防できる場合がありますので、予防接種を受けることをおすすめします。
予防策を講じることで、このような疾患の発生を防ぐことができます。

 

猫喘息

一般的にはハウスダストや花粉、タバコの煙などのアレルギーによって気管支に炎症が起き、発作的に咳をしたり、呼吸が荒くなったりします。進行すると酸素が取り込めずチアノーゼ(舌などの粘膜が青紫色になる)になったりして入院が必要になる場合もあります。
診断には感染症や腫瘍などがないか複数の検査を組み合わせて除外診断が必要です。

 

心臓病(肥大型心筋症)

肥大型心筋症は猫ちゃんに多く、心筋が肥大して心臓の内腔がせまくなり、心臓のポンプとしての機能が弱まってしまう病気です。
初期ではほとんど症状が見られず、進行してくると突然、肺水腫や胸水を生じる場合があり、呼吸が苦しくなります。
また、心臓に血液が滞留することで心臓に血栓ができ、それが流れて足や臓器に詰まることで足の麻痺や臓器障害が起こり、時に命に関わる場合があります。
早期発見が大事なので、心臓のエコー検査を定期的にチェックすることをおすすめいたします。

 

貧血

慢性腎臓病やタマネギ中毒、猫エイズや白血病等ウイルス疾患などでおこります。
赤血球が何らかの原因で減って酸素が運べなくなり、全身が酸欠となるため、少し動くと息が荒くなってしまったり、ふらついたりして、あまり動かなくなります。特に慢性腎臓病による貧血は目にする機会も多いです。
最近ではSDMAという腎臓病を早期発見できる血液検査もあるので、定期的な健康診断で早期発見につなげましょう。

 

熱中症

最初は開口呼吸(パンティング)、食欲不振、口粘膜・歯ぐきの充血が見られ、悪化すると嘔吐や下痢、ふらつきなどが見られ、更に悪化すると痙攣(けいれん)、意識障害といった神経症状などが見られます。
夏に多いかと思いきや、6月などまだそこまで熱くない時期のほうが急に暑くなった日にエアコンなどを使っていなかったために起こりやすいです。そういった時期は早めにエアコンを使用して、熱中症を予防しましょう。

 

まとめ

今回は呼吸が荒くなる疾患について取り上げました。瞬間的には激しく走り回ったあとや緊張などストレスがかかったときなどに開口呼吸がみられることはありますが、基本的に猫ちゃんが口を開けて呼吸しているのは異常なことが多いです。
普段から呼吸状態をチェックし、異常があれば早めに動物病院を受診することが大切です。

 

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