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猫の舌が痛そう? 舌潰瘍のサインと原因について解説

2025.11.10

猫がごはんを食べるのをためらったり、よだれを垂らしているのを見かけたことはありませんか?
もしかすると、それは舌潰瘍(ぜつかいよう)という病気かもしれません。
舌潰瘍とは、舌の表面に炎症やただれ、傷のような病変ができる状態のことです。
見た目には小さな赤みや白い膜だけに見えても、猫にとってはとても痛いものです。

今回の記事では、飲水飲食に影響する猫の舌潰瘍の原因やサインについて解説していきます。
ぜひ最後まで読んでいただき、猫の舌潰瘍について知ってもらえると幸いです。

こちらに向かって鳴いている猫

 📍 目次

 ▼ 舌潰瘍ってどんなもの?
 ▼ 舌潰瘍の原因
 ▼ こんなサインは要注意
 ▼ 舌潰瘍の治療
 ▼ 家でできる予防とケア
 ▼ まとめ

舌潰瘍ってどんなもの?

舌潰瘍とは、舌の粘膜が深く傷つき、欠損した状態です。
人だと胃にできる胃潰瘍が有名ですね。
胃潰瘍は胃に潰瘍ができた状態、舌潰瘍では舌に潰瘍ができた状態を指します。

舌は飲んだり食べたり、毛づくろいをするなど、猫の生活に欠かせない器官です。
舌に潰瘍ができると口を動かすたびに痛みが走るため食欲が落ちたり、水を飲まなくなったりします。
舌潰瘍が軽い場合は赤く腫れる程度ですが、ひどくなると出血や強い口臭を伴うこともあります。

ご飯を食べているキジトラ猫

舌潰瘍の原因

舌潰瘍の原因について代表的なものをいくつかご紹介します。

ウイルス感染

特に有名なのは猫カリシウイルスというウイルスです。
猫カリシウイルスはいわゆる猫風邪の原因のひとつで、舌や口の中に潰瘍を作りやすい性質があります。
特に免疫が落ちている猫では症状が重くなります。
舌潰瘍で猫が水分や食事を取れない場合は、対症療法として点滴などが必要です。
ワクチンを接種することでウイルス感染による重症化を防ぐことができます。
猫の舌潰瘍と予防として定期的なワクチン接種を行いましょう。

歯周病

猫の歯周病は、歯垢や歯石により歯肉に炎症を引き起こす病気です。
この炎症が舌にまで及ぶことで、舌潰瘍を引き起こします。
歯周病による舌潰瘍の治療には、歯石の除去や抜歯を行うことが効果です。
歯周病は猫カリシウイルスなどのウイルス感染により重症化することがあります。
猫のワクチンの接種は、歯周病の重症化を防ぐためにも重要です。
歯周病を重症化させないためにも猫のワクチン接種を推奨します。
歯周病は日常的なデンタルケアで予防が可能です。
猫が若いうちからデンタルケアの習慣を行うようにしましょう。

外傷

猫は針や草の穂といった尖った異物を口に入れたときに、舌を傷つけることがあります。
その傷口に細菌が感染し、舌潰瘍を引き起こします。
猫が電気コードなどを噛んだことによる舌の熱傷も舌潰瘍の原因の1つです。
外傷による舌潰瘍の治療では、感染に対する抗生剤の投与や壊死組織の切除が必要になります。
外傷による舌潰瘍は誤食癖や外に出る猫に多いです。
誤食癖がある猫では、猫が誤食しうる物を片付けるといった対策をしましょう。

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腫瘍

猫の舌潰瘍の原因の1つに口腔内にできる腫瘍があります。
猫の口腔内にできた腫瘍はその周囲に炎症や舌潰瘍を引き起こします。
この腫瘍から出血を起こすため、よだれに血が混ざっていることが多いですね。
猫の口腔内腫瘍は腫瘍組織の一部を取ることで診断を行います。
猫の舌潰瘍の原因になる腫瘍として扁平上皮癌が多いです。
猫の扁平上皮癌は悪性腫瘍で、進行が進むと治療が困難になります。
よだれに血が混ざる、猫の舌の動きがおかしいと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

免疫の異常

猫の免疫に異常があると舌潰瘍を引き起こすことがあります。
猫の免疫が過剰に働くことで、自分の舌や口の粘膜を攻撃してしまうことが原因ですね。
免疫異常による猫の舌潰瘍は潰瘍部の組織の採取、他の口腔内の病気の有無と併せて診断します。
免疫異常による猫の舌潰瘍や口内炎では免疫抑制剤を用いた治療が必要です。

腎臓の病気

猫は慢性腎臓病になると血液中に老廃物がたまり、口の粘膜が傷つきやすくなります。
その結果、舌潰瘍ができることがあります。
慢性腎臓病が原因の場合では、舌潰瘍の症状は軽度なことも多いです。
慢性腎臓病の治療を行うことが舌潰瘍の治療になります。
猫が慢性腎臓病の場合は、猫が食べにくそうにしてないかチェックしましょう。

寝ているキジトラのアメリカンカール

こんなサインは要注意

舌潰瘍の痛みは、猫の行動にも表れます。

  • ごはんを食べるスピードが落ちてきた
  • よだれに血が混じるようになった
  • 口臭が以前より強くなった
  • 前足で口をこするようになった
  • 舌が出ていることが増えた
  • 毛づくろいをしなくなった
  • 以前より痩せた

こうした変化が見られたら、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。

舌潰瘍の治療

舌潰瘍の治療は、原因に応じて行われます。

それぞれの病気に対しては以下の治療が必要になります。

  • ウイルス感染:インターフェロン製剤、抗炎症薬、抗生剤
  • 歯周病・歯肉口内炎:歯石除去、必要に応じて抜歯
  • 外傷:感染防止のための抗菌薬、痛み止め
  • 腫瘍:腫瘍の切除、抗がん剤
  • 免疫異常:ステロイドや免疫抑制剤の使用
  • 慢性腎臓病:点滴、腎臓病用の療法食

どのケースでも共通して大切なのが、痛みのコントロールと栄養・水分の確保です。
痛み止めを使い、やわらかいフードや流動食を与えたり、必要に応じて点滴を行うことが必要になります。

家でできる予防とケア

口の中が痛くてご飯が食べれなくなると、人の場合でも辛いですよね。
猫は痛みを隠す傾向が強いので、飼い主様が気づく頃には相当の痛みをともなっているケースが多いです。
猫の舌潰瘍になることは避けられないことも多いですが、予防できることもあります。
舌潰瘍の予防には

  • ワクチン接種
  • デンタルケア
  • 環境整備

などがあります。

実は猫のワクチン接種は舌潰瘍の大きな予防になるのです。
猫の舌潰瘍や口内炎は猫カリシウイルスなどのウイルス感染との関連性があります。
猫に定期的なワクチン接種を行うことで、猫カリシウイルスの感染リスクを減らすことができます。
健康診断で動物病院に受診した際にデンタルケアをおすすめされることもありますよね。
猫のデンタルケアでは主に歯周病の予防が可能です。
猫の歯周病の悪化は舌潰瘍など口腔内の炎症に発展します。
定期的な歯科検診やデンタルケアを行うことで、歯周病の進行を予防を行いましょう。
猫が異物で口腔内を傷つけることは意外と多いです。
猫が異物を食べないように掃除や整理整頓など環境整備を行いましょう。
特に若齢の猫はなんでも口にしてしまうので気をつけましょう。

まとめ

舌潰瘍は猫にとってとてもつらい病気です。
食べることが苦痛になり、栄養不足や脱水につながる危険もあります。
どの病気にも共通しますが、普段の様子を把握することが病気の早期発見に繋がります。
猫が快適にごはんを食べられるように、日々の様子をチェックすることを心がけましょう。

当院では猫の舌潰瘍を含めた歯科口腔疾患に力を入れています。
「猫の食べ方が変だな」と感じたときは、気軽に当院へお越しください。

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