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実はその症状、暑さが原因かも?【 “夏バテ予防”健康チェック 】

2025.08.03

今年も本格的な夏がやってきました。ご家族にとっても、ワンちゃん・ネコちゃんたちにとっても、厳しい暑さとの付き合い方がとても大切な季節です。

「なんとなく元気がない」「いつもよりよく寝ている」「ちょっと食欲が落ちたかも?」そんな小さな変化は、もしかすると夏バテのサインかもしれません。

今回は、見落としがちな「暑さによる体調の変化」について、 ごるにゃもちゃんたちと一緒に、総合診療科臨床部長の椛島先生に教えてもらいましょう!

その「いつもと違うかも?」が大切なサインに

ごる太
ごる太
この前、お昼に少しだけお出かけした後から、なんだかずっとごろごろしちゃって… 食欲はあるけどいつもよりゆっくりしか食べられなくて…これって大丈夫なんですかぁ?
それは大事なサインかもしれないね、ごるくん。 暑さが続くと、知らず知らずのうちに体が疲れて「夏バテ」になってしまうことがあるんだよ。
椛島先生
椛島先生

解説

ワンちゃん・ネコちゃんは、人と比べて暑さに弱い生き物です。 体温調節の方法が限られており、特に湿度が高くなる夏場は、体への負担がより大きくなります。

「夏バテ」は、明確な病名ではありませんが、獣医学的には「慢性的な高温ストレスによる体調不良」として捉えられています。 食欲の低下や元気のなさが続くと、脱水や内臓機能の低下、さらには持病の悪化などを引き起こすこともあります。

こうした小さな変化を放っておくと、免疫力が落ちたり、他の病気を引き起こすきっかけになってしまうことも。

こんなときは要注意!

にゃも太
にゃも太
にゃものお友だち、最近ずっと涼しい場所にばっかりいるにゃも。 なんだか、あんまり遊びにも来ないし…ちょっと心配にゃも。

ネコちゃんは体調の変化を隠しやすいから、そういうちょっとした変化こそが大事なサインなんだよ。
椛島先生
椛島先生

解説

特に夏場に見られやすい「夏バテ」の兆候は

  • ごはんの量が減る
  • 水をあまり飲まない
  • 横になっている時間が長い
  • 涼しい場所から動きたがらない
  • 抱っこや遊びに反応が薄い

「元気がない=暑さのせいかな」と思ってしまいがちですが、 実は体が疲れていたり、内臓が弱っていたりすることも。とくに心臓や腎臓、消化器に持病を抱えている子は、暑さによる影響を受けやすいため、より慎重な観察が必要です。

夏バテを防ぐために大切な3つのポイント

ごる太
ごる太
どうしたら、ボクたちが夏バテにならずに元気で過ごせるんですかぁ?
まずは、毎日を快適に過ごせる環境を整えてあげることがとても大切だよ。 そして、一緒に暮らすご家族が「ちょっとした変化」に気づけることも大きなポイントなんだ。
椛島先生
椛島先生

解説

ポイント1:住環境の工夫

🔵室温は品種・年齢・健康状態・体格・被毛の量などによりますがワンちゃんは18-25度くらい、ネコちゃんは20-26度くらいを目安にすると良いでしょう
🔵湿度が高くなりすぎると暑さがこもりやすくなるため、50〜60%を目安に除湿を心がけましょう
🔵お留守番時もエアコンは切らずに運転継続を
🔵ネコちゃんがリモコンに乗ってスイッチを切ってしまうことも!
(リモコンの置き場所に注意しましょう)
🔵窓辺やベランダなど暑くなりやすい場所にベッド・ハウスを置かない
🔵冷感マットなどを活用し快適な寝場所を用意

ポイント2:水分補給の工夫

🔵新鮮なお水を複数箇所に設置
🔵ネコちゃん用に自動給水器を使うのも◎
🔵水をあまり飲まない子には、ウェットフードやスープの活用もおすすめ

※脱水状態は腎臓への負担を高めるため、シニア期や腎疾患を抱える子は特にこまめな水分補給が大切です。

ポイント3:毎日の健康チェック

🔵食欲、飲水量、排泄の変化
🔵呼吸の様子や体温(触って熱く感じる部分)
🔵ふだんより元気がない、動きが鈍い

「なんとなく様子が違う気がする」その感覚は、ご家族様にしか気づけない、かけがえのない“サイン”です。

夏バテのような体調の揺らぎは、見た目には分かりにくいこともありますが、日々の気づきと環境づくりが、大切な命を守る何よりの力になります。

お盆も診療しています|急な体調変化もご相談ください

この夏も、ワンちゃん・ネコちゃんたちが元気に、そして心地よく過ごせるように、サーカス動物病院では、夏の体調管理に関するご相談をいつでも承っております。

本年はお盆期間中も診察を行います。急な体調不良がありましたら、いつでもご相談ください。

サーカス動物病院