猫の体や頭をなでていたら、かさぶたがあることに気づいたことはありませんか?
「どうしてかさぶたができたんだろう」
「様子を見ていたら治るだろうか」
こんな疑問をもつ飼い主様も多いのではないでしょうか。
今回は猫の皮膚にかさぶたができる原因や飼い主様に気をつけて欲しいポイントについてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の皮膚にかさぶたができたときの参考にしてみてください。
📍 目次 ▼ 猫のかさぶたについて |
猫のかさぶたについて
猫のかさぶたは皮膚の傷や皮膚炎に対する治癒反応の過程でできるものです。
猫のかさぶたができる皮膚炎は種類が決まっており、以下の4つに分けられます。
- 頭頚部掻破痕(とうけいぶそうはこん)
- 粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)
- 外傷性脱毛
- 好酸球性肉芽腫群(こうさんきゅうせいにくがしゅぐん)
難しい名前であるため覚える必要はありませんが、それぞれ写真に示しているのでぜひ確認してみてください。
このようなかさぶたが出来ている場合は、単なるケガではなくて皮膚病である可能性が高いです。
猫の皮膚にかさぶたができる皮膚病
実は猫の皮膚にかさぶたができる皮膚病はたくさんあります。
それぞれの皮膚病について詳しく見ていきましょう。
アレルギー性疾患
猫の皮膚にかさぶたができる原因の代表はアレルギー性疾患です。
ただ一言でアレルギーといってもいくつかの種類があります。
- 猫アトピー性皮膚症候群
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 蚊刺咬性過敏症
- 食物アレルギー
- 挫創(ざそう)
猫アトピー性皮膚症候群
猫アトピー性皮膚症候群はハウスダストや花粉などの環境中のアレルゲンに反応して起こるアレルギー性皮膚炎です。
猫アトピー性皮膚症候群はかゆみを伴うことが多く、時には血が出るほど皮膚をかきむしる場合があります。
またこの病気では以下の部位にかさぶたができやすいです。
- 顔面
- 首周り
- お腹
- 内股
治療はステロイドや免疫抑制剤を用いて炎症を抑えつつ、二次的な細菌感染があれば抗生剤や抗菌物質の塗布を検討します。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミアレルギー性皮膚炎はノミの唾液に対するアレルギー反応によってかゆみやかさぶたができる皮膚病です。
とくに腰の背中側に粟粒性皮膚炎がよく見られます。
治療はノミの駆虫薬を使うこととステロイドの内服が有効です。
蚊刺咬性過敏症
蚊刺咬性過敏症は、猫が蚊に刺されることでアレルギー反応が起きてかゆみや皮膚炎を起こします。
とくに耳の表にかさぶたと脱毛を起こすことが多いです。
治療はステロイドの内服が有効であり、蚊に刺されないようにすることが大切です。
食物アレルギー
特定の食材に対する食物アレルギー反応でかさぶたができる猫もいます。
フードやおやつを変更したタイミングでかさぶたができたり、体をかゆがったりするようになった場合は食物アレルギーが疑わしいです。
治療はアレルゲンとなっている食材を避けることが有効です。
挫創
挫創はいわゆるあごにきびのことで、あごに黒いぶつぶつができる皮膚炎です。
たいていの場合はあごが汚いと感じる程度ですが、ひどいと真っ赤に皮膚がただれてかさぶたができることもあります。
プラスチックや金属に対する過敏反応であることが多いため、猫の食器を陶器に変えることが挫創の予防のためには有効です。
心因性皮膚炎
猫の心因性皮膚炎は、ストレスがきっかけで起こる皮膚のトラブルです。
猫は環境の変化や退屈さから自分の体を過剰に舐めてしまうことがあります。
舐め続けることで皮膚が傷つき、結果としてかさぶたができてしまいます。
改善のためにはストレスの原因を見つけて、生活環境を見直すことが大切です。
落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)
落葉状天疱瘡は、猫の皮膚に起こる自己免疫性の皮膚病です。
免疫の異常によって、皮膚に水ぶくれやかさぶたができることがあります。
落葉状天疱瘡では鼻のまわりや耳の付け根、爪の周囲などにかさぶたが出来やすいです。
治療には免疫抑制剤の内服を用います。
猫の皮膚にかさぶたができたときに考えること
猫にかさぶたが見つかったときはどのように対応したらよいか悩みますよね。
まずは以下の3点について考えるとよいでしょう。
- 猫の生活環境の変化
- かさぶた以外に見られる症状
- 受診のタイミング
猫の生活の変化
猫の生活に以下のような変化がなかったか振り返ってみましょう。
- 新しいフードやおやつ
- 引越し
- 新しい家族(人または動物)
もし食事の内容が変わっていれば食物アレルギーを起こしているかもしれません。
また引っ越しや新しい家族によって生活環境が変わればストレスによって心因性皮膚炎を起こしていることもあります。
これらの変化についての情報は獣医師の診断の助けになります。
かさぶた以外に見られる症状
かさぶた以外の症状が見られないか確認することは大切です。
- 脱毛
- 赤み
- フケ
- 元気のなさ
なども合わせてチェックすると、原因の手がかりになることがあります。
また、かさぶたが1か所なのか複数あるのかをよく探すことも大切です。
ただのケガであれば、かさぶたが1か所だけで他の皮膚症状が起きないことがほとんどです。
受診のタイミング
受診のタイミングは飼い主様にとって判断が難しいですよね。
猫にできたかさぶたが広がったり、かさぶた以外の症状がある場合は動物病院で診察を受けましょう。
早めに診察を受けて治療を受けることが猫の皮膚を治すうえで重要です。
まとめ
猫の皮膚のかさぶたはさまざまな原因によってできます。
とくにアレルギーやストレス、自己免疫性疾患などが隠れている場合は早期に適切なケアが必要です。
飼い主様にできることは、猫ちゃんの変化に気づいてあげることです。
大切な猫ちゃんが元気で快適に過ごせるよう、日々の観察とやさしいケアを心がけましょう。
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