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犬の歯の見た目がおかしい?|もしかしてエナメル質形成不全かも

2025.05.17

愛犬の歯の見た目が気になったことはありませんか?
歯の表面がでこぼこしている、茶色く変色しているなどの場合には、エナメル質形成不全の可能性があるかもしれません。
エナメル質形成不全の歯では、歯のでこぼこや脆さのせいで他の歯の病気にも繋がるため、早めのケアが必要です。

今回はエナメル質形成不全の原因や症状、治療などについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬のお口の健康維持にお役立てください。

 📍 目次

 ▼ エナメル質形成不全とは
 ▼ 犬のエナメル質形成不全は仔犬の頃に原因がある
 ▼ エナメル質形成不全では他の歯の病気になりやすい
 ▼ 犬のエナメル質形成不全の診断
 ▼ 犬のエナメル質形成不全の治療
 ▼ 犬のエナメル質形成不全の予防
 ▼ まとめ

歯磨きガムを噛んでいるトイプードル

エナメル質形成不全とは

健康な歯は頑丈で、白くてつやがありますよね。
それは、エナメル質が歯の表面を覆っているからです。
エナメル質は骨よりも硬い組織で、歯の内部を保護し、噛む力を与えるはたらきがあります。

エナメル質形成不全とは、歯のエナメル質が正常につくられていない状態です。
エナメル質形成不全の歯では、見た目に次のような異常が表れます。

  • 歯の表面がざらざら、がたがたしている
  • 歯が欠けている
  • 歯の表面に黄色〜茶色く変色している部分がある

このように見た目が美しくないだけでなく、脆くて歯石も付きやすい状態になってしまいます。

犬のエナメル質形成不全は仔犬の頃に原因がある

おもちゃを噛んでいるチワワ

犬の永久歯は仔犬の頃に歯茎の中でつくられ、その過程でエナメル質も形成されます。
エナメル質の形成は、仔犬の頃の一度きりです。
このときにエナメル質が正常につくられなかった歯は生涯そのままになってしまいます。

仔犬の時期に次のような異常があると、エナメル質形成不全になる可能性があります。

  • 発熱を伴う病気
  • ウイルス性疾患(特にジステンパーウイルスの感染では、広範囲に帯状の病変がみられる点が特徴的)
  • 重度の下痢や食欲不振などによる栄養不良
  • 歯肉部に強い衝撃を受ける外傷

また、イタリアン・グレーハウンドなど一部の犬種では、先天的にエナメル質形成不全になりやすいという報告もあります。

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エナメル質形成不全では他の歯の病気になりやすい

エナメル質形成不全の歯では、上述したような表面のがたつきや変色など見た目の変化以外にも、健康上問題となる症状を引き起こすことがあります。

知覚過敏はエナメル質形成不全の歯でよくある症状のひとつです。
エナメル質形成不全の歯は脆くなり、より深部にある象牙質まで歯が削れた状態になると、知覚過敏を引き起こします。
知覚過敏になると、食べる時に痛みがあるので、食べ方の変化(硬いものを食べなくなる、片側で食べる、途中で食べるのをやめるなど)がよくみられます。
他には、口をくちゃくちゃするなど違和感があるような様子や、口を触られるのを嫌がることもありますね。
歯の損傷が重度の場合には、削れた部分から細菌が入り込み、歯髄(歯の中心部を通る神経組織)に到達して歯髄炎を起こすリスクもあります。

エナメル質形成不全の歯は、表面がざらざらしていることで歯石がつきやすく、歯周病にもなりやすい状態です。
犬の歯は元々人と比べて歯石がつきやすいですが、エナメル質形成不全がある場合にはより重点的なケアが必要になりますね。

犬のエナメル質形成不全の診断

歯に虫眼鏡を当てている様子

診察では、まず歯の見た目の状態を確認します。
エナメル質の硬さや損傷の程度、歯の色、歯周病などほかの病気がないかなど、口の中を全対的に評価していきます。

エナメル質形成不全は、歯の見た目が特徴的ではありますが、見た目が似ている他の疾患との区別が必要です。
より確実に診断するために、レントゲン検査でエナメル質の厚さを確認します。
レントゲン検査では、歯の損傷がどれだけあるのか、歯の歯肉に埋まっている部分に異常がないかなど、見た目でわからない異常も調べることができます。
そのため、レントゲン検査は治療計画を立てる上でも必要な検査です。

犬のエナメル質形成不全の治療

エナメル質形成不全の歯は、損傷の程度や、知覚過敏や歯周病があるかなどにより異なります。
年齢や体調なども考えて、それぞれの状態に合わせて治療を選ぶことが大切ですね。

エナメル質欠損部分の治療が必要な場合、コンポジットレジンという白い樹脂をエナメル質の代わりに被せて表面を綺麗にします。
人の虫歯の治療にも広く使われている治療法なので、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
コンポレットレジンで欠損部分を覆うことで、知覚過敏などの症状を軽減することができます。

歯周病があるなど、歯の状態によっては歯石取りや抜歯が必要になることもあります。

欠損が軽度であり、知覚過敏などの症状がない場合には、歯磨きなどのデンタルケアで併発疾患の予防を行っていきます。

犬のエナメル質形成不全の予防

エナメル質形成不全は、上述したように仔犬の頃の異常が原因となります。
発熱や重度の下痢を起こすような病気にかからないよう、ワクチン接種をしっかりと行いましょう。
激しい遊びや硬いものを噛ませることを控えて、口の衝撃を防ぐことも予防に繋がります。

一度エナメル質形成不全になってしまった歯は、自然に回復することはありません。
更なる損傷や併発疾患を引き起こさないように、歯の見た目をよく確認して、デンタルケアをしっかりと行っていくことが大切ですね。

まとめ

エナメル質形成不全になると、歯の見た目の問題だけでなく、知覚過敏や歯周病などの病気を引き起こすことがあります。
治療やケアをしっかりと行って、口の痛みがない状態を保ってあげたいですね。
歯のがたつきや色の変化など見た目で気になることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。

 

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