「愛犬の目が片方だけ小さくなっている」
「まぶたが垂れ下がっている気がする」
「瞬膜(白い膜)が目立つようになった」
こんな症状に気づいたことはありませんか?もしかしたらホルネル症候群かもしれません。
ホルネル症候群は、交感神経の障害によって目や顔に異常が現れる病気です。
今回は、ホルネル症候群の原因や症状、診断方法、治療法について解説します。
ぜひ最後までお読みになって、愛犬の目の異常に気づけるようにしましょう。
📍 目次 ▼ 犬のホルネル症候群とは? |
犬のホルネル症候群とは?
ホルネル症候群とは、自律神経のうち交感神経に障害が起こることで発生する症候群です。
交感神経は「戦う・逃げる」ための神経とも呼ばれ、興奮したときに瞳孔を広げたり、目をしっかり開けたりする働きを持っています。
交感神経がダメージを受けると目に異常が出ることがあります。
犬のホルネル症候群は片側にのみ発症することが一般的で、片方の目や顔に異常が現れることが多いです。
ホルネル症候群の原因
ホルネル症候群は、交感神経の経路のどこかで障害が生じることで発症します。
障害が起こる部位によって、以下の3つにわけられます。
中枢性
中枢性のホルネル症候群は脳や脊髄の病変が原因となるタイプです。
原因となる疾患の例
- 脳腫瘍
- 頚部脊髄の損傷
- 血栓や脳卒中
節前性
節前性のホルネル症候群は脊髄から胸部を通る交感神経が障害されるタイプです。
原因となる疾患の例
- 胸部の腫瘍(リンパ腫など)
- 頚部の外傷や手術の影響
- 頚部椎間板ヘルニア
節後性
節後性のホルネル症候群は、耳の近くから眼へ向かう神経が障害されるタイプです。
原因となる疾患の例
- 中耳炎
- 内耳炎
- 眼の周囲の外傷
- 交感神経の損傷(原因不明の特発性も含む)
ホルネル症候群の症状
ホルネル症候群の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 瞳孔が小さくなる
- 上まぶたが垂れ下がる
- 第三眼瞼(瞬膜)が突出する
- 眼球が奥に引っ込む
これらの症状は片目のみに発生することが多いのが特徴です。
ホルネル症候群自体の症状は見た目に明らかな変化があるため、飼い主がいち早く気づくことも多いです。
その原因には深刻な病気が隠れていることもあります。
放置すると疾患が進行してしまう可能性があるため、何となく犬の目の左右バランスに違和感を感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。
ホルネル症候群の診断方法
ホルネル症候群の診断は、症状の確認と原因の特定が重要です。
特徴的な目の変化を確認したら、原因を特定するために主に以下のような検査を行います。
- 神経学的検査:まぶたや瞳孔の動きを確認
- 点眼薬試験:フェニレフリンなどの薬剤を点眼し、散瞳する時間を調べる
- 血液検査:炎症などを調べる
- 画像診断:X線、CT、MRIなどで腫瘍や炎症を調べる
- 耳の検査:中耳炎や内耳炎の有無を確認
検査をしてもホルネル症候群の原因がわからず、目の症状だけが出ている場合もあります。この場合は特発性ホルネル症候群と診断されるかもしれません。
ホルネル症候群の治療方法
ホルネル症候群の治療は、原因に応じた治療を行うことが基本です。
例えば、
- 中耳炎が原因の場合には抗生剤や消炎剤による治療
- 腫瘍が原因の場合には外科手術や抗がん剤治療
といった具合です。
原因となっている疾患を治療することで、ホルネル症候群の症状も落ち着く可能性があります。
原因不明の特発性ホルネル症候群の場合は、自然に回復するのを待つこともあります。原因が特定できない場合には、回復するまで数ヶ月かかることもあるため、継続的な経過観察が必要です。
まとめ
ホルネル症候群は、犬の交感神経の障害によって発症し、まぶたの下垂や瞳孔の縮小、瞬膜の突出といった症状が特徴的です。原因はさまざまで、脳や脊髄の異常から耳の炎症まで多岐にわたります。
ホルネル症候群の原因疾患には腫瘍などが関わっていることもあるため、放置するのは危険です。
当院ではホルネル症候群の検査も行っています。もし愛犬の片目に異常が見られた場合は、できるだけ早く当院へご相談ください。
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