猫の耳ダニ症｜耳を痒がる原因は耳の中にダニがいるせいかも

「最近猫がよく耳をかいている」
「猫が頭を振ったら耳から黒い汚れが出てくる」
「耳の周りをかきすぎて傷になっている」
このような症状でお困りではありませんか？
もしかしたら猫の耳ダニ症かもしれません。
ダニは聞いたことあるけど耳ダニって何？と思う方もいるでしょう。

今回は猫の耳ダニ症について解説していきます。
この記事を読んで、耳ダニ症についての理解を深め、猫のダニ予防に役立てましょう。

📍 目次

▼ 猫の耳ダニ症とは？
▼ 猫の耳ダニ症の症状は？
▼ 耳ダニ症の診断は？
▼ 耳ダニ症の治療は？
▼ 耳ダニ症の予防は？
▼ まとめ

猫の耳ダニ症とは？

実は耳ダニとは正式名称ではありません。
耳ダニの正体はミミヒゼンダニというダニのことを言います。
猫の耳ダニ症は、ミミヒゼンダニによる感染です。
ミミヒゼンダニは耳の中で生活し、猫の耳に様々な症状を引き起こします。

寝ている猫

ミミヒゼンダニとは？

ミミヒゼンダニはダニの一種で、0.3mm程度の非常に小さなダニです。
耳の表面から鼓膜までの間の外耳道と言われる部分に寄生するのが特徴です。
ミミヒゼンダニは耳の中の角質や組織液を食べて生活し卵を産んで繁殖します。
耳の中をミミヒゼンダニが移動する刺激や、ミミヒゼンダニの唾液によって強い痒みを生じてしまいます。
基本的には耳の中で生息しますが、環境中でも生存することが可能です。

猫の耳ダニ症の症状は？

ミミヒゼンダニは猫の耳に強い痒みをもたらします。
強い痒みにより

頭を振る
耳をしきりにかく
耳を常に倒している

などの行動が見られるでしょう。
痒みで強く耳をかいたり頭を振ったりすることで

炎症
細菌感染
耳周囲の脱毛
耳の出血や腫れ

といった皮膚症状を引き起こします。
重症化すると内耳炎につながり

首が傾いてしまう斜頸
くるくる回る旋回運動
ふらつきの出る平衡障害

といった神経症状が出てしまうこともあります。
痒みのほかに、黒い耳垢が大量に出るのも特徴です。
黒い耳垢は、ミミヒゼンダニが排泄した糞が元になっています。
糞ということは当然臭いもきつくなってしまいますよね。
耳や耳垢が臭いのも症状の一つです。

耳をかいている猫

耳ダニ症の診断は？

耳ダニ症は原因であるミミヒゼンダニの確認で診断が可能です。
ミミヒゼンダニは、顕微鏡で耳垢を観察するか、耳鏡で外耳道を直接観察することで見つけることができます。

耳ダニ症の治療は？

原因であるミミヒゼンダニの駆除が一番の治療方法となります。
背中に滴下するタイプの駆虫薬を使うことが多いです。
駆虫薬だけではダニの死骸や糞は耳の中に残ってしまいます。
そのため、耳の中の洗浄も効果的な治療方法です。
駆虫から1ヶ月ほどは定期的な耳の洗浄が必要になるでしょう。
耳の洗浄はやり方を間違えると炎症がひどくなったり、耳垢を押し込んでしまったりします。
耳ダニ症の際の耳掃除は自己判断で実施せず、獣医師とよく相談してください。
耳の炎症や細菌感染などがある場合は、症状に対する治療を行うことも大切です。
抗生物質や消炎剤などの内服薬を使用して症状を抑える治療をしていきます。

猫を診察する獣医師

耳ダニ症の予防は？

耳ダニ症を予防するためには、ミミヒゼンダニの感染を防ぐことが重要です。

駆虫薬による予防

ミミヒゼンダニは月に1回予防薬を投与することで駆虫することができます。
駆虫薬は、背中に滴下するタイプと飲むタイプがあります。
猫の性格に合わせて選んであげるのがおすすめです。
獣医師と相談しながらどの駆虫薬を使うのか決めていきましょう。

生活環境の改善による予防

ミミヒゼンダニは主に接触によって感染します。
猫の耳の中で生きているダニなので、季節は関係ありません。
野良猫と接触して感染しないように、家の中で飼育するようにしましょう。
保護猫などを新たに迎える場合も注意してください。
ミミヒゼンダニは耳の中だけではなく環境中でも生存が可能です。
ミミヒゼンダニの成虫や卵がついたタオルやブラシなどから感染することもあります。
感染した猫が家にいた場合は、一度しっかりとご自宅を清掃することをおすすめします。

まとめ

耳ダニ症は治療によって完治できる感染症ですが、強い痒みを伴う病気です。
痒みが原因でさらなる耳のトラブルにつながってしまいます。
痒がっているからといって、ご自宅で耳掃除を行うと症状が悪化してしまうこともあります。
早めに動物病院へ来院し、耳掃除のやり方や予防方法も含めて獣医師とよく相談しましょう。

当院は皮膚科診療に力を入れています。
猫が耳を痒がっていたり、耳垢が溜まっていたりする場合はぜひ当院にご相談ください。

神奈川県藤沢市湘南台の動物病院

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