動物病院に来院する理由の第1位をご存知ですか?
実は、『皮膚病』が最も多いのです。
皮膚病には大きく分けて2つあります。
- 治る皮膚病
- 治らない皮膚病
意外に思われるかもしれませんが、2の『治らない皮膚病』の方が多いです。
「治らないだなんて、何のための動物病院だ!」と言われてしまいそうですが、人のアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、花粉による皮膚炎などは治らない皮膚病の代表格ですよね。
「痒みを和らげたい」
「赤みを引かせたい」
「薬の量を減らしたい」
という理由で、多くの方が皮膚科に通われていますが、これは犬猫でも同じです。治る皮膚病を治す事は勿論ですが、治らない皮膚病との付き合い方が重要です。最も良い付き合い方を飼主の皆さまと見つけていきたいと思っております。
専門診療と総合診療の違い
総合診療での皮膚診察
- 皮膚科・耳科を得意にしている獣医師による診察
- 専門診療と比べて費用が抑えられる
というのが、総合診療の特徴となります。
また、専門皮膚科医と連携を取っているため、専門診療で治療が落ち着いた方は総合診療に転科することも可能です。
総合診療の皮膚診察をお勧めする患者様
- 初めて皮膚や耳の診察を受ける
- そこまで費用をかけられない
という方は、総合診療の受診をお勧め致します。
専門診療での皮膚診察
- 皮膚科・耳科を専門にしている獣医皮膚科専門医による高度な診察
- セカンドオピニオンにも対応
- 十分な診察時間(初診約1時間/再診約30分)
- 外国語(英語・中国語)による診察対応可能 ※要事前問い合わせ
という特徴があります。
専門診療をお勧めする患者様
- 治療をしているのに治りにくい皮膚病
- 専門医と一緒に治療方針を決めていきたい
という方は、専門診療の受診をお勧め致します。
『マラセチア』について
マラセチアは皮膚の表面に常在する酵母様の真菌で、おもに皮脂を栄養にして生活をしています。このマラセチアにより生じる皮膚炎をマラセチア皮膚炎と呼びます。正常な皮膚にも存在するマラセチアが増殖して皮膚に悪影響を与えるということは、『マラセチアが異常に増えてしまう要因が犬側にある』という事が非常に重要となります。
要因としては、アレルギー性皮膚炎や脂漏症が考えられており、それらに対して治療を行わなければ、マラセチアを何度やっつけても、すぐに復活してしまうので要注意です。
マラセチアのコントロールがうまくいかずに皮膚がボロボロになってしまっても、要因を診断して丁寧に治療・スキンケアを行うことで、健康な皮膚を取り戻すことが可能です。諦めず、一緒に頑張りましょう!
総合診療でも「皮膚の赤いポツポツが気になる」などの日常的な皮膚症状を診察することは可能です。ただし、総合科獣医師の判断により、専門皮膚科の獣医師に院内紹介する場合がございます。ご家族様からみて重度と感じるような皮膚症状の診察、セカンドオピニオンなどをご希望の方は総合診療ではなく専門診療をご予約ください。