シーズーのなりやすい皮膚病|シーズーの皮膚がベタつく原因を解説
「いつも皮膚がベタつく」
「シャンプーしてもすぐベタつく」
そんなふうに思われるシーズーの飼い主様は多いのではないでしょうか?
人では汗をかいたり、皮膚の脂分(皮脂)が多いと、このように感じますよね。
犬も人と同じように、皮脂が通常よりも多く分泌されている場合、ベタつきを感じます。
特にシーズーは、ベタつきを生じやすい犬種の1つです。
今回はシーズーにどんな皮膚病が多いのか、その原因と対処法について解説します。
シーズーを飼われている方はぜひ最後までお読みいただき、日頃のスキンケアにお役立てください。
📍 目次 ▼ シーズーに多い皮膚病 |
シーズーに多い皮膚病
シーズーは他の犬種と比べて皮膚病は多いと言われています。
その理由はシーズーのルーツまで遡ります。
シーズーは、中国原産のペキニーズとチベット原産のラサ・アプソの交配によって生まれた犬種です。
寒く乾燥した気候の土地で誕生し、古くから愛されてきました。
寒く乾燥した気候から体を守るために、皮膚は多くの皮脂を分泌するようになり、被毛は密で長い毛を持つようになりました。
この体質は高温多湿な日本だと、皮膚にとって悪い影響を与えることも多く、様々な皮膚病の元になります。
ここではそれぞれの皮膚病について解説していきます。
脂漏症
厳密には脂漏症には皮脂が過剰に分泌される脂性脂漏症と皮脂腺の働きが悪くなりフケが増える乾性脂漏症が存在しますが、シーズーがよく発症するのは脂性脂漏症の方です。
脂性脂漏症は様々な原因から発症します。
- 夏の高温多湿の環境下
- 食事の栄養バランスの悪化
- 肥満
- 甲状腺機能低下症
などですね。
脂漏症の症状には
- 皮膚がベタつく
- 体臭が強い
- 痒い
などが挙げられます。
皮膚のしわなどに症状が集中することが多いのが特徴ですね。
マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚炎はマラセチアという真菌(カビ)の一種が過剰に増殖し、皮膚に炎症を起こす病気です。
一般的な皮膚炎と同様に皮膚の赤みや痒みが見られ、特にマラセチア特有の異臭がするのが特徴です。
マラセチアは皮膚の脂をエサとしています。
シーズーは元々皮脂が多い犬種なので、マラセチア性皮膚炎を発症しやすいということですね。
犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎はダニや花粉などの環境中のアレルゲンに反応して発症するアレルギー性の皮膚炎です。
シーズーはアトピー性皮膚炎を発症しやすいと言われていますが、脂漏症やマラセチア性皮膚炎を同時に発症することで、治療が難航しやすいと言われています。
シーズーの皮膚病の治療方法
ここまで解説したようにシーズーは様々な皮膚病を発症します。
それぞれの治療方法はその時の状況によって臨機応変に変える必要がありますが、ここからは一般的な治療方法について解説していきます。
脂漏症
脂漏症は様々な原因から発症すると解説しました。
まずはその原因を取り除くような治療を行うことが大事です。
食事の栄養バランスが悪い場合は食事内容を見直す、肥満の場合はダイエットをする、甲状腺機能低下症の場合は薬を飲んでいくなどですね。
原因を取り除いても脂漏症が改善しない場合はスキンケアを積極的に行うのがおすすめです。
スキンケアには薬用シャンプーやシャンプー後の保湿などが有効です。
マラセチア性皮膚炎
脂漏症が原因でマラセチア性皮膚炎を発症している場合は、脂漏症の治療を行うことでマラセチア性皮膚炎を治療することができます。
脂漏症の治療だけでは不十分の場合は、症状の緩和やマラセチアの量を減らす治療が有効です。
マラセチア性皮膚炎には以下の治療があります。
- 痒み止めの投与
- 抗真菌薬の投与
- 抗真菌シャンプーの使用
犬アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の治療は非常に多岐に渡りますが、大きく以下の3つに分類されます。
- スキンケア
皮膚を清潔に保ち、うるおいのある状態を保つこと - 薬物治療
皮膚の炎症を抑える薬や、免疫力を調整しアレルギーを抑える薬を飲ませること - 環境整備
環境中のアレルゲンを可能な限り取り除くこと
アトピー性皮膚炎の症状の程度も様々なので、状態に合わせて治療が選択されます。
シーズーのシャンプーのコツ
どんな皮膚病であってもシャンプーを行うことが大事です。
ここではシーズーのシャンプーのコツについて解説します。
シャンプーの選び方
皮膚の体質と症状に合ったシャンプーを選ぶことが重要です。
マラセチア性皮膚炎の場合はマラセチアに対する抗真菌作用のある薬用シャンプーを使用します。
ただ、薬用シャンプーは皮脂をごっそり除去できる刺激が強いシャンプーです。
皮脂を取りすぎてしまうと、体がさらに皮脂の補充をしようとするため、皮脂をさらに大量分泌するという現象が起こります。
シャンプー後すぐに皮膚がベタついてしまう「皮脂のリバウンド現象」が起こる可能性があるということですね。
脂漏症の場合は脂漏症専用のシャンプーを使いましょう。
シャンプーやり方
人間でもシャンプーをするときに「泡立ちが悪い」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは汗や脂で被毛が汚れているときに起こる現象です。
シーズーのシャンプーのときも同じで、一度のシャンプーでは泡立ちが悪いことがあります。
何度もシャンプーを繰り返すと皮脂をしっかり落とすことができます。
しかし、何度もシャンプーを繰り返したり、皮膚をゴシゴシこすることで、皮脂を落としすぎるのも皮膚にとってはリスクになるもの。
- シャンプー前にクレンジングオイルを使う
- 入浴する
- シャンプーを泡立ててから使う
ということでシャンプーの回数をあらかじめ減らしておきましょう。
シャンプーのやり方一つで皮膚病が改善することがあります。
もし今まで間違った方法でシャンプーをしていると心当たりがある場合は、一度シャンプーの方法を見直してみることをおすすめします。
シャンプー後も大事
シャンプーの後は保湿をすることが重要です。
「ベタついている皮膚は乾燥していないから保湿はいらないのでは?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
シャンプーで皮脂を取りすぎてしまうと、体がさらに皮脂を補充しようとする「皮脂のリバウンド現象」が起こる可能性があるとお話ししました。
シャンプー後は「皮脂のリバウンド現象」を防ぐために保湿が必要ということですね。
保湿剤にはローションやスプレータイプのものがあります。
飼い主様が使いやすいものを選んでみましょう。
まとめ
残念ながらシーズーは高温多湿な環境では脂っぽくなりやすい犬種です。
しかし、なりやすい病気を理解し、しっかりとしたスキンケアをすることで、上手に管理することができます。
当院は皮膚科に力を入れており、スキンケアのアドバイスを行っています。
シーズーを飼われていて皮膚のトラブルにお悩みの方は、ぜひ当院までお問い合わせください。
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