犬の心臓病の末期症状とは?|心臓病の末期に見られるサインとおうちでできるケアを獣医師が解説

#コラム #循環器科 #病気や予防の情報
投稿日:2026.04.21 更新日:2026.08.11
横から見たキャバリア

「愛犬の呼吸がとても苦しそうに見える」
「寝ている時間が増えて、ほとんど動かなくなった」
このように感じて、不安になっている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。

犬の心臓病は、ゆっくりと進行することが多い病気です。
しかし、心臓病は末期に近づくと症状が急に重くなることもあります。
今回は、犬の心臓病の末期に見られる症状、そして飼い主様が自宅で愛犬のためにできるケアについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の心臓病と向き合うためにお役立てください。

獣医師からのメッセージ:まずはお気軽にご相談ください。

循環器領域では、心臓超音波検査や血圧計などの検査機器が普及してきたことで、これまでレントゲン検査や聴診だけでは判断が難しかった異常も客観的に評価できるようになりました。その結果、症状が軽いうちに適切な診断と治療を行うことで、心臓への負担を軽減し、生活の質を維持しながら過ごせる期間を延ばせるようになっています。

多くの動物病院は総合診療として幅広い相談に対応できる点が強みです。一方で、獣医療の進歩に伴い、すべての分野で常に高い専門性を維持することが難しいという側面もあります。

サーカス動物病院グループでは循環器診療にも力を入れ、経験を積んだ獣医師が診療にあたっております。「呼吸が苦しそうにしている」「元気や食欲が落ちてきた」「今の状態が末期なのか不安」「最新の治療について知りたい」といったお悩みがある場合は、一人で抱え込まずにぜひご相談ください。

愛犬の状態に合わせた最適なケアを、一緒に考えていきましょう。

 📍 目次
▼ 犬の心臓病について
▼ 犬の心臓病の末期に見られる主な症状
▼ 僧帽弁閉鎖不全症の末期症状について
▼ 心臓病の末期に自宅でできること
▼ まとめ
笑っているキャバリア

犬の心臓病について

犬の心臓病とは、心臓の働きが弱くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなる病気の総称です。
心臓は全身に酸素や栄養を運ぶ血液のポンプの役割を担っています。
このポンプ機能が低下すると、体のさまざまな場所に影響が出てきます。

犬の心臓病は病気によって原因や進行の仕方がさまざまです。
しかし、どの心臓病も進行すると、最終的には心臓が限界に達して、血液をうまく全身に巡らせることができなくなります。
また、心臓病は早い段階では目立った症状が出にくいことも多く、気づいたときにはかなり進行しているというケースも少なくありません。

犬によく見られる心臓病には、以下のようなものがあります。

  • 僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
    血液の逆流を防ぐ弁がうまく閉じなくなる病気
  • 拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)
    心臓の筋肉自体が弱くなり、うまく縮まなくなる病気
  • 肺高血圧症(はいこうけつあつしょう)
    肺の血管の圧が高くなり、心臓に強い負担がかかる病気
  • フィラリア症
    寄生虫によって心臓や肺の血管が障害される病気

これらの病気は原因や進行の仕方が異なりますが、末期になると似た症状が現れるという共通点があります。
このため、どの心臓病であっても、末期に見られるサインを知っておくことは愛犬の状態を把握するうえで大切です。

犬の心臓病でとくに気をつけたい僧帽弁閉鎖不全症

犬の心臓病でとくに気をつけたいのが、僧帽弁閉鎖不全症という病気です。
この病気は犬の心臓病の中でもっとも多く見られ、特に小型犬や高齢の犬に多く、長い時間をかけて進行します。
僧帽弁閉鎖不全症は末期になると、肺水腫(はいすいしゅ)を繰り返したり、安静にしていても呼吸が苦しくなったりすることがあります。

また、この病気は薬を使っていても、状態が安定しにくいケースも珍しくありません。
少し体調が良くなったと思うとまた急に悪化する、という波を繰り返すこともあります。
このような体調の波があることを知っておくと、日々の様子の変化にも落ち着いて向き合いやすくなります。

犬の心臓病の末期に見られる主な症状

愛犬が心臓病と診断されると、今どのぐらい病気が進行しているのか気になりますよね。
犬の心臓病が末期に近づくと、体が限界に近づいているサインが少しずつ現れます。
代表的な症状として、以下の4つが挙げられます。

  • 呼吸困難
  • 食欲や元気の低下
  • 失神やふらつき
  • 腹水

それぞれについて解説します。

呼吸困難

犬の心臓病が末期になると、犬に呼吸困難の症状が見られます。
犬の心臓の働きが弱くなると全身にうまく血液が流れなくなり、血液の流れが滞ります。
すると、肺の血管内の圧力が高くなり、血管から水分がしみ出すことで肺に水分がたまりやすくなります。
これは肺水腫と呼ばれる状態です。

肺水腫が起こると、安静にしていても呼吸が速くなったり、口を開けて呼吸したりする様子が見られます。
咳を伴うこともあり、これまでと呼吸のリズムが明らかに違うと感じる飼い主様も多いです。

食欲や元気の低下

心臓病の末期では、犬の食欲や元気がなくなることが多いです。
心臓病が末期になると、心臓のポンプ機能が低下して、全身に十分な血液や酸素が行き届きにくい状態になります。

このため、愛犬の食欲がほとんどなくなったり、少し動くだけで疲れたりする様子が見られます。
また、愛犬が散歩に行きたがらなくなったり、遊びに誘っても反応が鈍くなったりすることも多いです。

失神やふらつき

犬が失神を起こしたり、ふらついたりするのは心臓病の末期症状のひとつです。
犬の心臓のポンプ機能が限界に近づくと、脳への血流が一時的に不足しやすくなります。
このため、犬がふらついたり、突然倒れて一時的に意識を失ったりすることがあります。

失神は数秒から1分程度で意識が戻ることがほとんどです。
犬が興奮したときや、排泄のために力んだときに起こりやすいという特徴もあります。

腹水

犬の心臓病の末期症状のひとつに腹水があります。
犬の心臓の働きが弱くなると全身にうまく血液が流れなくなり、血液の流れが滞ります。
すると、お腹の血管内の圧力が高くなり、血管から水分がしみ出すことでお腹に水がたまりやすくなります。

これは腹水と呼ばれる状態で、お腹が膨らんで見た目に変化が現れやすいです。
腹水がたまると、食欲の低下や呼吸のしづらさにつながることもあります。

こちらを見ているチワワ

犬の心臓病の末期症状が出たときはいつ受診すればいい?

愛犬に心臓病の末期症状が出たときは、動物病院を受診するタイミングを迷われる飼い主様も多いです。
愛犬が以下のような様子を示しているときは、すぐにかかりつけを受診するか、夜間であれば救急病院を受診しましょう。

  • 呼吸が速い
  • 横になることができない
  • 口を開けて呼吸をしている
  • 突然倒れる

呼吸が速い

愛犬の安静時の呼吸数が速いときは、すぐに動物病院を受診しましょう。
目安としては、リラックスしているときの胸の動きを1分間数えて、40回以上であれば呼吸が速いといえます。
また、日頃から安静時の呼吸数を測っておくと、小さな変化にいち早く気づくことができます。

横になることができない

愛犬が横になって寝ることができない場合は、呼吸が苦しいため、すぐに治療を受けることが必要です。
犬は呼吸が苦しいときは、体を横にすると肺が膨らみにくいため、不自然におすわりを続けることがあります。
なるべく早く治療を受けることで、愛犬の呼吸を楽にすることができます。

口を開けて呼吸している

愛犬が口を開けて呼吸をしているときは、すぐに動物病院を受診しましょう。
このようなときは肺が十分に酸素を取り込めず、息がとても苦しいです。
動物病院には酸素室が用意されていることが多いため、適切な治療を受けて、愛犬を酸素室で休ませてもらいましょう。

突然倒れる

愛犬が突然倒れたときは、様子を見ずに早めに動物病院に相談しましょう。
心臓病末期の犬は失神を起こすことがあり、様子を見ていると命に関わることがあります。
適切な治療によって、愛犬の失神を止めることができる場合もあります。

犬の心臓病の末期に自宅でできること

犬の心臓病が末期に入ると、薬を飲んでいても呼吸状態が安定しないことがあります。
そのため、自宅では愛犬が少しでも楽に過ごせる環境を整えることが大切です。

安静にできる環境を整える

安静にできる環境を整えることは、末期の心臓病を抱える犬にとって重要です。
興奮やストレスは犬の心臓に負担をかけるため、愛犬が落ち着ける場所を用意し、無理な運動は控えましょう。

呼吸がしやすい姿勢を保てるようにする

呼吸がしやすい姿勢を保てるようにすることは、愛犬が横になるのを苦しそうにしている場合に気をつけたいことです。
愛犬の上半身を少し起こしたり、クッションやタオルで体を支えたりして、呼吸がしやすい姿勢を探してあげましょう。

室温と湿度を適切に保つ

室温と湿度を適切に保つことは、愛犬が呼吸をしやすくするために大切です。
暑さや寒さは犬の呼吸の負担を大きくする原因になります。
室温や湿度を安定させ、愛犬が過ごしやすい環境づくりを心がけましょう。

食事や水分は無理に与えない

食事や水分を愛犬が嫌がる場合は、無理に与えないようにしましょう。
無理に食事や水分を与えると、興奮して呼吸状態が悪化することがあります。
少量でも口にできるものを、愛犬のペースに合わせて与えましょう。

上目遣いのヨークシャーテリア

まとめ

犬の心臓病にはいくつかの種類がありますが、進行すると共通して重い症状が現れます。
末期には呼吸の苦しさや体力の著しい低下など、命に関わる状態になることもあります。
以前より呼吸が苦しそうになったり、生活の様子が大きく変わったりしたときは遠慮なく動物病院に相談しましょう。

サーカス動物病院グループでは循環器診療にも力を入れており、犬の心臓病の末期のケアについても経験豊富な獣医師が対応しております。
愛犬の心臓病が気になる飼い主様は、ぜひ当動物病院グループまでお気軽にご相談ください。

🎪サーカス動物病院グループの循環器科の詳細はコチラからご覧いただけます。

📱 WEB予約
藤沢菖蒲院予約藤沢菖蒲院予約
横浜ゆめが丘院予約横浜ゆめが丘院予約
湘南辻堂院予約湘南辻堂院予約

💡 予約状況が確認でき、24時間いつでも受付可能なWEB予約がオススメです。